ブログ 「ごまめの歯軋り」

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全国知事会  官僚の操り人形から物言う知事会へ

2009年05月26日 | 時事問題
朝日新聞 2009年5月18日22時56分
全国知事会に「自公か民主か表明を」 橋下知事が初出席
 大阪府の橋下徹知事が18日、就任後初めて全国知事会議に出席した。「国民から見れば、霞が関も自治体も目くそ鼻くそ。国に文書提出やアピールしても何も動かない」と述べ、これまでの知事会の活動を厳しく批判。近づく総選挙を前に、知事会は国を動かす「政治パワー」に脱皮すべきだと主張した。
 口火を切ったのは宮崎県の東国原英夫知事。「知事会がより近い政党、政治家の応援に踏み込まないと、いつまでたっても地方分権はできない。直接行動に移るべきだ」と主張。他の知事からも「政治的メッセージをはっきり出すべきだ」(嘉田由紀子・滋賀県知事)、「知事会の主張をぶつけ、賛成、反対を明らかにさせるべきだ」(松沢成文・神奈川県知事)などと賛同意見が相次いだ

2009年5月26日13時3分
橋下知事、民主党主催シンポに初出席へ
 大阪府の橋下徹知事が来月17日、民主党主催のシンポジウムに出席する。橋下知事は知事選で同党推薦候補と争い、就任後も関連行事への参加を見送ってきた。総選挙前に、どの政党を応援するか態度表明すると明言しており、シンポ出席は波紋を広げそうだ。
 シンポのテーマは地方分権。橋下知事は府内の首長とともにパネリストとして参加し、国直轄事業負担金や税財源のあり方などについて、同党の平野博文府連代表らと意見交換する予定。橋下知事は「テーマが地方分権なので、勉強させてもらいます」と話した。

進まぬ地方分権に苛立ち 霞ヶ関への圧力団体へ変身か 注目すべき知事会の動き

北朝鮮2回目の核実験  最貧国が世界の列強になりたくて、危険な賭けに

2009年05月26日 | 時事問題
朝日新聞 2009年5月26日7時4分
安保理が緊急会合 北朝鮮を非難、新決議を協議へ
 【ニューヨーク=松下佳世】北朝鮮による2度目の核実験を受け、国連安全保障理事会は25日午後4時半(日本時間26日午前5時半)ごろから非公開の緊急会合に入った。議長国・ロシアのチュルキン国連大使は協議後、記者団に対し、北朝鮮の行動を非難し、直ちに新決議の協議に入るとの報道向け談話を読み上げた。安保理は27日にも、この問題を協議する。

北朝鮮の政治と核外交
 北朝鮮の体制の特徴は首領唯一支配体制である。先軍体制になっていまや朝鮮労働党の立場も薄くなった。党中央委員会も1993年以来開かれていない。キム・ジョンイルの官僚政策は、忠誠心が強い者の中から実力のある者を選んで、体制や政権に反抗しない限り一生地位と生活を保障するものである。したがって、現在の北朝鮮にはいかなる政治勢力も存在しない。キム・ジョンイルと仲間達というグループしか生存を許されていないのだ。北朝鮮が体制を維持できるかどうかは、キム・ジョンイルの組織掌握力一つにかかっている。支配力は粛清というムチと地位と食糧というアメに頼っている。キム・イルソンが主唱した「主体思想」は骨董品となって、1990年代の危機的状況から生まれたのがキム・ジョンイルの「先軍思想」(思想というほどのものではないが)である。1995年ごろからいわれるようになった先軍政治とは「軍事先行の原則により、革命と建設から生じるすべての問題を解決し、軍隊を革命の柱として社会主義事業を推し進める政治である」と。ようするに、軍隊方式の「命令の貫徹精神」高揚運動であり、絶対忠誠と犠牲を要求する支配者に都合のいいデマゴーグである。党もいらない、政治化された軍隊のみが体制を守るという親衛隊方式である。この方式の欠点は、カリスマの映像が墜ちた時と死んだ時であるが、後継者を血の論理に頼っていてはソ連や中国も驚く「皇帝制」である。いまさら馬鹿馬鹿しくて論議にもならない。

 北朝鮮の核開発については6カ国会合の動きに明らかである。現時点では、北朝鮮の核計画の検証と廃棄問題で意見がまとまらず、6カ国会合は2009年4月段階では中断状態である。1994年のクリントン合意(KEDO)を反故にして核開発に向かったのと同様に、2007年の2.13合意をチャラにする可能性はないとはいえない。北朝鮮とはそういう国だということも頭に入れておかないといけない。北朝鮮外交は米中を相手にする綱渡り外交、準癒着外交(ソ連から今は中国へ)が特徴である。米中の覇権争いの利用が北朝鮮の生きる術になっている。そのために核とミサイルというゲリラ戦法で究極打開を図ってきた。