ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

GM 倒産の危機 車と住宅のアメリカンドリームの崩壊か

2009年05月12日 | 時事問題
朝日新聞 2009年5月12日5時4分
「GM倒産の可能性、高まっている」 CEOが電話会見
 【ニューヨーク=山川一基】経営危機の米自動車首位ゼネラル・モーターズ(GM)のフレデリック・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は11日、定例の電話会見で「倒産の可能性はより高まっている。ただ、法的処理を避けられる可能性もまだあると思う」と述べた。  GMは債権者の9割以上に巨額の債権放棄に応じてもらえなければ、連邦破産法11条の適用申請に追い込まれる。

朝日新聞 2009年5月11日22時27分
「GMとつきあい続けたい」と強調 スズキ会長
 米ゼネラル・モーターズ(GM)の破綻(はたん)は今でも無いと信じている――。GMと提携関係にあるスズキの鈴木修会長は11日、09年3月期決算発表の席で、破産法申請の可能性も指摘されるGMとの今後の関係について言及。
 スズキが同日発表した09年3月期連結決算は販売不振と円高が響き、減収減益。売上高が前期比14.2%減の3兆48億円、営業利益が48.5%減の769億円、純利益が65.8%減の274億円。10年3月期決算は売上高は23.5%減の2兆3千億円だが、100億円の営業利益を確保する見通しだ。

金融危機ー実経済の縮小ードル不安のドミノ倒しか グローバル金融資本の狂乱のツケは重い

観光業者の身勝手な提案  管理された生活はごめん蒙る

2009年05月12日 | 時事問題
朝日新聞 2009年5月12日8時24分
GW・休暇ずらして取得検討へ 政府、需給効率化にらみ
 ゴールデンウイーク(GW)は、どこへ行っても渋滞、行列――。こんな状況を打破しようと、連休・休暇の分散取得の検討に政府が乗り出す。経済対策を考える政府の有識者会議の提案がきっかけだ。
 首相官邸で3月にあった会議で、観光レジャー産業の星野リゾートの星野佳路(よしはる)社長が提案した。例えば、埼玉県は5月1週目、神奈川県は2週目、千葉県は3週目……と全国を8パターンに分け5~6月で休暇を取得する。

ゴールデンウイークが混雑するなら、別のレジャーや余暇の過し方を考えればいい 
夏時間やずらし休暇、マスク着用など、古い時代の管理型国民生活を思い起こすのはノー!

読書ノート 的場昭弘著 「資本論」入門 祥伝社新書

2009年05月12日 | 書評
マルクスの「資本論」はよみがえる 第3回

序(3)

 本書は著者が云うようにマルクス経済学の入門書ではなく、マルクスの「資本論」の入門書である。資本論は経済学の本の形態ですが、それはあくまで資本の運動法則を暴くための書です。その結果マルクスは階級闘争(労働者が資本家を打倒する)の書です。無政府主義者が権力闘争を煽るというよりは、それしか労働者の生きる道はないからです。マルクスは資本主義のからくりの中心に商品がある事を洞察します。資本論第一部は商品の分析(原価の秘密)に迫る。先ず商品を解析しなければ資本の動きは見えないからです。資本家を倒せと演説するより商品を分析して敵を知る事です。しかしマルクスは本来経済学者ではない。経済原論をやって終わりという学者ではなかった。貧しいジャーナリストで革命家であった。大英図書館で古い資料を読み解きながら、資本の運動法則を勉強していた。現実の諸相から帰納的に理論を構成し、古典派経済学者の論拠(客観的に見えて、その実、恣意的な分析)を切り崩してゆくのであった。ブルジョワのレトリックを使って逆ねじを食らわせるのである。かれはこれを「上向法」と言っている。商品の使用価値と交換価値との差から、商品と貨幣の役割を引き出し、労働力という商品にも使用価値と交換価値に差がある事から剰余価値説(利潤の源泉)を発見した。ここに資本のからくりの原点を見出した。資本主義的生産とは労働への拡大再投資である。人間の無限の能力である労働への投資であって、生産設備や資源への投資ではない。永遠の拡大再投資が資本の宿命(資本家・経営者をも縛り付ける)である。ここに労働の「搾取」という言葉も生まれた。労働者にだけ分かる言葉ではなく,国民すべてが理解し共感できる言葉を使わないとマルクスの主張は社会に受け入れられない。それが「資本論」なのであるが、多少難しいという点は否めない。いまの時代には理解に苦しむ術語も多い。それを解きほぐして解説してくれるのが的場昭弘著 「資本論」入門というわけである。
(続く)