筆者は、1月上旬にこのお寺を訪ねてみた。今年の佐渡の冬は雪が多いらしく、いつまでたっても道路に雪が残っていた。特に両津近辺が酷いのはいつもの事だが、小木でも例外では無かった。既に閉店したスナック「ハーバー」から琴平神社に至る道路には除雪車が出動していた。琴平神社を過ぎたあたりで車を停め、徒歩で阿弥陀院へと向かった。阿弥陀院の本堂の左手に、神社の鳥居らしき物があったが、雪深いため、神社名の確認はできずじまいだった(後日の確認で稲荷神社と判明)。境内ではおばさんが雪かき中で、筆者が「阿弥陀院は阿弥陀くじのあの阿弥陀ですかねえ~」と言うと、「うん、そうじゃない」と答えた。更に「どんなご利益があるのでしょうか?」と問うと、「ほらあそこに住職様がいるので聞いてみたら」と、顎でしゃくりながら答えた。住職は「ご利益と言われてもなあ~、現世利益全てだよ。だが、拝み続けたのに願いが叶わなかったからと言って文句を言われても困る。それは拝み方が足りなかったからさ。信仰とはそういう物、これはどこへ行っても同じだ」と至極当たり前の説教を垂れた。そして、「この阿弥陀院は、信仰寺ではなく、檀家寺なんだよ」と続けた。どうやら、このお寺に願掛けをしてその願いが叶う確率は、阿弥陀くじを引いて、当たりに出会う確率と同じくらいのようであった。
本堂の中に入ってみたら、誤ってお米を賽銭箱に入れる人が跡を絶たないらしく、お米入れなる升が用意されていたのが何とも佐渡のお寺っぽい風情ではあった。
http://www.digibook.net/d/a944a3d3a01d8ed8392628654e21ef22/?viewerMode=fullWindow