転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



「音羽会新年会」「音羽会New Year Party」等の検索語で
拙日記に来て下さっている方がここ数日大勢いらっしゃいますので、
私の記憶の範囲で、今年の新年会の模様を記録しておきます。
メモも録音もない状態での再現ですので、
状況の描写や発言の内容は厳密ではありませんし、
私の記憶違い・勘違い等の入った部分もあるかもしれません。
予めお詫びしておきます。どうかご了承下さいませ。

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1月10日(日)東京會舘にて音羽会の新年会があった。
尾上菊五郎・菊之助・富司純子・寺島しのぶ、
の寺島ファミリー四人全員が揃って、
ファンや関係者との親睦を深める会だった。
企画は寺嶋事務所、進行は菊五郎劇団の若い人たちが
中心となっていたようだった。
受付で名札を貰い、会場に入って飲み物を選ぶと、
席は関係者以外は自由(=ほぼ早い者勝ち)。
お料理はビュフェ形式で各自自由に。


開宴・乾杯・写真撮影

定刻に、寺島ファミリーが入場し、正面ステージでまずは菊五郎による挨拶、
菊之助の音頭で乾杯。ひとりずつ出演舞台の案内や近況報告など。
参加者数が年々増え、規模が大きくなって来たため、
今年から、サインやツーショット撮影などは禁止となり、
かわりに、寺島ファミリーを真ん中にしての集合写真を
グループごとに順番に撮影・後日送付、となっていた。

記念撮影で並んだとき、私は運良く、菊五郎丈の真後ろに立つことが叶い、
手を伸ばせば触れられるところに旦那さんがいらして、死にそうになった。
純子夫人のしっとりとお美しい和服姿にも見とれた。
しのぶちゃんはお稽古帰りとのことで、スレンダーなシルエットの洋装。
至近距離で見る菊之助の肌がとても綺麗なことにも驚いた。


トークショー

NHKの葛西聖司アナを進行役に招いてのトークショー。
まず菊之助としのぶちゃんが並んで壇上に座り、
菊五郎と純子夫人は会場のテーブル席で歓談。
事前に出席者から募った質問票をもとに、
葛西アナが公演や日常の話題について尋ね、ふたりが答える形式。

・国立劇場公演『旭輝黄金鯱』の舞台は本水を使っているので、
風邪ひかないようにと菊之助は皆から言われているそうだ。
菊之助によれば「お湯だとかえって寒くなるので、あれは水。冷たい」。
しのぶちゃん「最初、本水を使うという話が父(菊五郎)に行って、
『一月に水なんかヤだよ』と父はけんもほろろに言ったのだけど、
いえ菊之助さんに・・・と説明を受けた途端、
『ああいいよいいよ!』と快諾してました」。
しのぶちゃんもこれまで、水に縁のある舞台は結構あったが、
お湯で代用されていたし、長時間、水に入る場面などは
経験したことがない、とのこと。
今回の国立劇場はまだ観ていないので近々見ます、としのぶちゃん。

・水の量が初日は少なすぎ、二日目に増やしたら、
鯱を操る人が溺れそうになってあとでかんかんに怒った。
それでまた水の量を少し減らした。
このように回数をこなしながら裏では日々改善している。
ちなみに鯱は一体ではない。
実は合計四体(?)あって、用途に応じて材質も違う。

・本水のときには、菊之助の「美尻」に目が釘付け、
との参加者からの言葉に菊之助照れ笑い。
あの場面はフンドシ一丁なので、ドーランをほぼ体全体に塗っている。
初めてやったときには、出番前の化粧で
ドーランをいきなり背中に塗られて冷たくてヒエ!となったので、
『すみません「塗ります」って言ってから塗って下さい』とお願いし、
今は、「塗ります!」「はいっ!」と気合いを入れて塗って貰っている。
本水の場面が終わったあと、すぐ衣装替えして
大詰めに出なくてはならないので、
濡れた体では衣装が着にくくてつらい。
また、終演後のお風呂は、若い菊之助の順番は後なので待っている。

・鯱と水の中で闘う場面は、稽古で実際に演じながら、
段取りや構成が決められた。
最初の演出では、菊之助が一方的に鯱をしとめる展開だったが、
強すぎてはつまらないし、鯱にやられるところもあったほうがいい、
という話になり、闘いの場面が長くなった。
復活狂言なので、稽古中に上演台本には全体に次々と手を入れられた。
御陰で台本は付箋だらけ。

・『NINAGAWA十二夜』で演出していただいた蜷川幸雄氏と、
今はしのぶちゃんが『血は立ったまま眠っている』で一緒に仕事をしている。
かつては灰皿が飛ぶなどと言われた厳しい稽古だが、
最近は少しマイルドになっていて、
「ボクおとなになったのよ」と蜷川氏も御自身で仰っていたそうで、
「でもちょっと寂しいような気もしますね」としのぶちゃん。

・その『血は立ったまま~』はシアターコクーンで18日から公演開始だが、
セットが大がかりなので、稽古は埼玉の某所で行われており、
目下、しのぶちゃんもちょっと遠距離通勤をしている。
本番にはセットごと東京に移動して来るとのこと。

・しのぶちゃんのこの日のアクセサリーは、
年末に夫のローランさんがくれたバッテリーつきの「光るペンダント」。
しのぶちゃん「ちゃんと電池交換もできます。使い捨てではない(笑)」

・しのぶちゃんはフランス語が上達したという話。
しのぶちゃん「ローランと、その両親や親戚がうちに泊まったことがあって、
そうなるとフランス語しかないから、仲間に入れないのは悔しくて。
本気で勉強しました」。
葛西アナ「あけましておめでとう、をフランス語で言うと?」
しのぶちゃん「ボナネ、しか言えません(苦笑)。
アネ、というのが年の意味です」。
菊之助「このあいだローランと一緒に来たとき、
姉が随分フランス語で喋っていて上達したのに驚きました」。

・『龍馬伝』では坂本龍馬の姉「乙女」役をしているしのぶちゃん。
龍馬を起こすシーンで、監督さんが思いっきりやってくれと仰ったので
力演していたら、うっかり福山さんの大事なところを叩いてしまい、
悶絶させてしまったとのこと。
「福山さんとのファーストシーンだったのに」。
「毎週見ている人!」と葛西アナに振られ、会場のほとんどの人が拍手。
「きょうは予約録画して来た人!」と言われるとまたまた大半の人が拍手。
「素晴らしい視聴率じゃないですか!」と葛西アナ。

・「龍馬とホントの弟さんとどっちが可愛いですか」
という会場からの質問に、しのぶちゃんは、
「龍馬さんには、勿論、気遣いもあるので」と苦笑、
「ということで、やっぱり可愛いのはホントの弟さんだそうです」
と葛西アナ。
「本当によくいじめられました」と菊之助、
「鍛えてあげていたんですよ」としのぶちゃん。

・休暇には旅行をするのが好きという菊之助、
とくに文化遺産に興味があり、
数年前にはマチュピチュに大変感銘を受けたそう。
この春の休暇は短いので国内旅行をしようかと考えているそうだ。
オフにはヒゲをのばし、完全に一人旅で、
菊之助だと見破られることはまずないとのことだ。
しのぶちゃんは、「私は旅行するならNYで舞台を観るとか。
どうも遺産には興味ないですね~」と笑い。

・菊之助の肌が綺麗という話題になり、手入れ方法を会場から尋ねられ、
菊之助の回答は「メンソレータムを顔に塗る」。
しのぶちゃんがすかさず「それは皆様にはちょっとお勧めしません」。

ここで菊五郎・純子夫人合流。
息子と娘のトークショーの感想を求められ、
菊五郎開口一番「長い!!」、会場大笑い。

壇上で勢揃いした寺島ファミリー、葛西アナの進行でひきつづき。
・「おせちでは何が好きですか」と会場の小さいお嬢ちゃんからの質問。
菊之助「栗きんとんと、たまご」。
菊之助の説明によると、その卵料理は黄身と白身をこして
茶巾絞りみたいにしたもののようだったが名称不明。
純子夫人が「量が多いので(卵60個とかなんとか?)、
女の力では大変なので、卵をこすのは主人と息子にやって貰います」。
会場どよめき。
菊五郎「黄身はいいんだが、白身が固くて。大変ですよ」。
葛西アナ「実際にやらされているからこそ、言える言葉ですね」。

・金鯱観音は菊五郎のアイディア。
以前、俳優祭でやった北千住観音が好評だったし、
喜劇仕立ての幕なのであの演出になった。
背後で千手観音の「手」をやっている人たちの素晴らしさを
葛西アナが褒め称え、
「いえ、勿論、一番前でやってらっしゃるかた(=菊五郎)が
素晴らしいんですけど」と笑って付け足し(爆)。

・菊之助の今の願いは、歌舞伎座さよならとなる三月・四月公演に
出演させて貰えれば、ということ。未定とのこと。
菊五郎から「決まっている範囲で」と
自身の主演演目と共演者についての発表があり、
「三月の演目は○○、共演は○○屋、○○屋」
と屋号で言われただけで即座に悲鳴が飛び交う客席、
「四月は○○、共演はなつおちゃんと、○○屋」。
この年齢になっても成田屋は『なつおちゃん』なのだった(笑)。
(公式発表までは詳細は伏せ字にさせて頂きます。すみません)

・・・まだあったかもしれません。思い出したらこの項、更新します。
トークショーのコーナーが終わり、葛西アナ退場。
菊五郎を初め寺島ファミリーがお見送り。
軽妙で実にテンポの良い楽しいトークで、会場も拍手。


けん玉リレー

音羽会恒例、参加者を募っての「けん玉リレー」。
希望者で4チームに分かれ、玩具の大きなけん玉でルールに従ってリレー。
決勝になったら、しのぶちゃんと菊之助も参加して2チームで優勝を競う。
勝ったチームには賞品あり。


ダンスタイム

フロアの中心部分は最初からテーブル席がなくダンス用に空けてあり、
天井からミラーボールが下がり、照明を落としてダンスタイム。
だ、旦那さんとチーク踊れる?と一瞬期待したのは私(殴)。
実際には、菊五郎劇団の若い人たちがマイケル・ジャクソンの扮装をして、
「スリラー!」が一曲目。ハードな振付がほとんど。
お客さんは自由にフロアで踊りまくり、しのぶちゃんもノリノリで参加。
菊之助はフロア周囲のギャラリーになっているお客さんと談笑。
旦那さんはグラス片手に我々一般客のテーブルのほうにまで
ゆらゆらとお出ましに。
勿論、寄っていって握手していただきました(うきゃー)。
蝶ネクタイ姿の旦那さんは素敵すぎ。
ほろ酔いで良いお顔色、笑顔を絶やさず、
初対面の一般客の私たちに気さくに話しかけて下さり、
あああどうしてこんな素敵な方がこの世にいらっしゃるんでしょうか。


じゃんけん大会

お客さん全員参加による、菊之助とのじゃんけんゲーム。
「負け」と「あいこ」は即脱落、
勝ち抜いた人が最後の7名(記憶不確か)になるまで続ける。
尾上菊五郎賞は、鏡獅子公演時の押隈(後日額装の予定)、
富司純子賞は帯とお針箱セット、
尾上菊之助賞はアロマセット、
寺島しのぶ賞はヴィトンのバッグ、
ほか、金鯱ビール、干支の凧、などなど当たる趣向。


終宴

最後は、寺島ファミリーが再び揃って壇上金屏風の前へ。
千鳥足の演技も忘れない、お茶目な旦那さん。
ひとりひとりから挨拶。皆さんそれぞれに、
ファンへのお礼や舞台への抱負を語られた中、純子夫人が、
「皆が元気で頑張れるように、今年も、
良い食卓を整えるように努めたい」
という意味のことを仰ったのには頭が下がった。
純子夫人が支えて来られた寺島ファミリーなのだと改めて思った。

そして全員起立して、旦那さんの音頭で景気よく「三本締め」、
これにてお開き。

寺嶋事務所スタッフ、菊五郎劇団の若い面々に見送られて会場を出ると、
出口には純子夫人・しのぶちゃんが立ってお見送りをして下さり、
やや遅れて菊之助も合流(ここでは旦那さんのお姿は見えず)。
お土産は、お正月らしく紅白の上用饅頭だった。


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寺島ファミリーならば、ひとりずつの茶話会だったとしても
相当圧倒されたと思うくらいなのに、四人一緒にご出席とあって、
もうもう物凄く豪華な新年会だった。
菊之助が立派になっていることに今更ながら感じ入った。
昼間の舞台も素晴らしかったが、
ファンサービスといい、トークといい、文句なしのホストぶりで、
音羽屋の御曹司は今や見事に生い立たれておいででした(感涙)。
しのぶちゃんが生き生きとして美しいのにも見とれてしまった。
表情豊かで光輝くようなしのぶちゃんだった。
菊五郎旦那の素敵だったことは、もう、言うまでもございません。
普段と違う、蝶ネクタイの洒脱なお姿はいつまでも見ていたかった。
しとやかで美しく、かつ、いつも可愛らしい純子夫人ともお似合いで、
豪華で素敵な寺島ファミリーと過ごせたお正月気分のパーティーは、
本当に楽しいひとときでした。
事務所その他スタッフの皆様も、本当にありがとうございました。

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