転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



かつて、40年以上前に、加根田金男という少年が、
金への執着が昂じて怪獣カネゴンになってしまったものだが、
『なんかこう、ころころっと、十億円くらい入らんかな~』
『大幅ディスカウントして五億円でもいいから、誰かくれんかな~』
と毎日言い続けているうちの主人は、
そのうち、怪獣『ころもん』あたりになりそうな感じがする。

怪獣ころもん。
巨体で、関節が硬く、動作はあまり俊敏ではない。
宝くじ売り場に出没し、「ころころ~ん」などと言いながら、
宝くじを買っている人に寄っていき、
くじをできるだけたくさん頂戴とねだる。
集めた枚数は、胸に「正」の字で記入されており、
一日に100枚集めないと死んでしまう、という噂があるが、
真偽のほどは確かめようがないので誰も知らない。
たくさん集めても、普通に考えて当たるものではないから、
ころもんがお金持ちになることなど、ほぼ、あり得ない。

ころもんの夢は、パリに行くことで、
よく、『パリロンドン広島発着フリーツアー』などの
旅行パンフレットを大事そうに持っている。
怪獣なのにパスポートが取れるものかどうか心もとないが、
JALのファーストクラスでフルコースを食べるのが、
グルメなころもんの希望だ。

ころもんは、また、犬が好きで、とくに柴犬に目が無く、
散歩させている人がいると愛想をする。
ころもんは寒さには強く、4月から11月までは、
服装は原則として、半袖Tシャツに半ズボンだ。
暑さには弱く、サマージャンボ時期の出没は早朝と夜が中心。
アイスキャンデーが好きなので、ころもんがシツコくて困るときは、
一本持たせると気が逸れ、まくのに効果的。
しかし食うのは激早なので十数秒しかモたない。

ころもんは、ここだけの話、生え際の魔術師で、
ふわふわの毛をうまくセットしているが、実は右からの風に弱い。
ゆえに、中年であることは、市民にはバレバレだ。
「あれでも昔はマトモで、一応、大学も出とるらしいで」
「うそじゃろ」
「一浪して二留してようやく卒業したっちゅう話じゃが」
「それがなんで、ころもんになったん」
「さあ。本人がどっかで吹っ切れたんじゃろ」
「何を思うて暮らしよるんかねえ」
「なんか、公務員じゃったこともあるんと」
「へーー」

と、自称『ころもんの過去に詳しい』市民がいたりする。
ころもんは、そんな噂にはお構いなく、
きょうも、わんこを可愛がりながら、
機嫌良く、紙屋町や八丁堀の宝くじ売り場を徘徊している。


・・・って、それじゃ『カネゴン』より『広島太郎』やんか(爆)。


追記:広島市民の多くは、「広島太郎」というホームレス氏に、
不思議な愛着を持っていると思う。彼はいわば地元芸人だ。
現在八丁堀界隈で見かける「広島太郎」さんは二代目、とか、
前の「広島太郎」さんは亡くなられた、という噂があるが、
私の観察では、彼は、初代の?「広島太郎」さん御本人である。
ただ、髪も服装もすっきりとなさって、ぬいぐるみの量が激減し、
カンカンも持たず、身軽になられているので、別人に見えるだけだ。
以前、某タクシーの運転手さんに伺ったところでは、
数年前、「広島太郎」さんは行き倒れて入院なさったことがある、
という話だったので、死亡説はこのあたりが根拠かもしれない。
入院費は、どっかのテレビ局が払ってくれたのだろうか(爆)?

Trackback ( 0 )



« 顎関節症 風邪 »