ホスピタリティの真髄のマスターと言えば、リッツ・カールトン前日本支社長の高野登さん。人と人のつながりを細やかにすることを推し進めた人がこの書名の本を書くに至ったのは、
デジタルのつながり
についてでした。お感じになった方も居られるでしょう、SNSの友達申請の軽さは何なのでしょうか?「友達の友達は皆友達」とは言えません。デジタル上のつながりだけの人がリアルで活きる場合もありますが、それはとても希少なケースです。一度もお会いせず、デジタルだけのつながりで終わる場合が多いのではないでしょうか。
人と人のつながりの最高峰は「おもてなし」です。この語源は聖徳太子の十七条憲法の一文「和を以って貴しと為す」の、 「以て、為す」 から来ており、
「お互いを敬い大切に想い、慈しみ合い支え合う精神」
と高野さんは考えられています。これこそ、日本人の生き方、在り様を示す訳で、しっかりとリアルの人間関係で行えば、そのつながりはお互いに刺激を与え、「お互いさま」や「受けた恩は石に刻め、施した恩は水に流せ」となります。こういうつながりを形成するには、「人間としての思慮の深さ」、すなわち、 「人間力」 を向上させる必要があります。
人は一人では生きていけません。他人の存在があってこそ、自分が活きてきます。一度、つながりについて考えてみましょう!そして、不要なつながりは整理することが不可欠です。
『あえて、つながらない生きかた』(高野 登著、ポプラ新書、本体価格 780円)