あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

獺祭 天翔ける日の本の酒

2014-11-05 16:55:33 | 

  一度だけ口にしたことのある「獺祭」の人気は凄いですね。このお酒がどのようにして造られているのかを知るために読んでみました。

  山口の地域だけで主に飲まれる地酒メーカーだった旭酒造。230年の歴史を持つが、蔵元の家が継いでからは90年。現社長の桜井博志氏は3代目。彼は大学で醸造学を学んだわけではないが、大学卒業後は西宮酒造に就職、3年で退職し、蔵に戻ったが、父と対立し、石材業を営み、年商2億を稼ぐほどの規模に育てました。父が死去し、蔵を継ぐと、このままでは蔵は潰れるという危機が迫っており、石材業で稼いだお金を充当し、蔵の存続のために骨を惜しまず力を注ぎます。

 ここからが3代目の真骨頂。酒造メーカーの常識を覆します。杜氏の交代時に、新しい杜氏に「大吟醸を造りたい」という提案は、「造ったことがない」の答えから、業界誌に載っていた吟醸酒作りのレポートのまま、製造し、これが「獺祭」誕生への糧になります。

 地ビールに手を出し、大失敗を経た後、杜氏が突然辞め、旭酒造の社員で醸造する仕組みへ転換、経験ではなく、データー管理による製造、四季醸造、そして、日本を代表する酒造り、日本の食文化を広めるために海外へも展開する。

  この本の版元の西日本出版社の内山社長がおっしゃりました。「日本酒も長い凋落期を経て、どん底から這い上がってきています。この本は、同じく低迷を続ける出版界への良いヒントを与えてくれます。」この言葉が活きるほどの読了感です。

『獺祭 天翔ける日の本の酒』(勝谷誠彦著、西日本出版社、本体価格1,500円 )

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« デジタルは人間を奪うのか | トップ | 星やどりの声 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事