神戸で学生時代を過ごされた、日野原重明先生は2017年に105歳の生涯を終えられました。たくさんの著作がおありですが、105年の経験からのいのちの使い方を教わりました。
100歳を越えられても、10年の計画を立案し、使命を果たそうとされました。「いのちを使い切る」という言葉の通り、いまのこの時間を最大限に活かしてこられました。そのいのちについて「いのちとは、生きていられる時間のこと」「自分で自由に使える時間」とし、その上で、「あたりまえのように生きている時間が、人生の大きな宝物」「憎い相手を許す勇気こそが争いを終わらせる」「どんないのちもかけがえのない」「どんないのちも粗末に扱ってはいけない」と書かれています。
そんな貴重ないのちの最も有効な使い方は、他者への助けになることで自分も生かされる存在となる、つまり誰かの役に立つことをすることを目指せ!とおっしゃっています。「Pay forward」、恩送りで社会や地球を良くする歩みを止めない人が多くなれば、人間社会もより素晴らしいものになるでしょう。
『いのちの使い方』(日野原重明著、小学館文庫、本体価格510円、税込561円)