北海道赤平市にある植松電機・植松努専務の、これまでの行き様を語った一冊。柔らかい文章にも強い思いは詰まっています。
子どもの頃の自分の夢を学校の先生に話すと、必ず帰ってくる言葉は「どうせ無理だ!できもしないことを書くな。」でした。彼は潜水艦を作る夢を持っていましたが、お金、頭のできを理由に「無理」と決めつける大人に不信感を抱きました。
しかし、彼の持てる可能性を引き出したのは祖父母と父でした。
祖母は「お金はくだらないよ。一晩で価値が変わることがあるからね。だからお金があったら、貯金なんてしないで、本を買いなさい。知識を頭に入れなさい。それは誰にも取られないし、価値は変わらない。そして、新しい価値を生みだしてくれるから。」
祖父はアポロの月面着陸のテレビを観て、「おまえも月にいけるぞー!」と全面的に後押ししてくれました。
モノづくりの仕事をしている父も、「プラモデルなんてダメだ!男なら鉄で作れ!」と突き離し、彼は本屋で本を探し、子どもが手にしないであろう専門書を読む。「自分で考えて、自分でためす」、それが個性になり、「非属」の存在になれます。
だからこそ、夢を持とう!実現に向けて努力して、無理だとしても、「だったらこうしたら」と問いかける大人になろう!というメッセージが次世代を育て、素敵な日本になるんだと確信しました。
『好奇心を“天職”に変える 空想教室』(植松 努著、サンクチュアリ出版、本体価格1,250円)