14歳の日本人、つまり21世紀人に書かれた、未来への視点を教えてくる授業の本です。実際に、灘中学校や福島県飯館村立飯館中学校などの生徒に語った内容です。現状を俯瞰しつつ、過去や現代において新時代を切り拓いた人物を再考しています。
現在進行形の未来は、①世界規模で「安い賃金の人が選ばれる」、②AIが進歩し、「ロボットに仕事を奪われる」という2つの流れの中にあります。それでは、人として活かされる存在になるには未来を切り拓く発想の持ち主であり、それを実現する人になります。つまり、「未来をつくることができる」人。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という、ドイツ帝国初代首相、ビスマルクの言葉通り、 過去の変革者から5つの法則を挙げています。それは、
法則1 世界を変える旅は『違和感』からはじまる
法則2 冒険には『地図』が必要だ
法則3 一行の『ルール』が世界を変える
法則4 すべての冒険には『影の主役』がいる
法則5 ミライは『逆風』の向こうにある
としており、かなり詳細に解説しています。14歳にだけ独占させるにはもったいない教えです。特に、「課題をこなす人より、課題を見つける人になる」や、「まだ誰も手をつけていない『空白地帯』に仮説の旗を立てよう」など、大人にも参考になることが多く書かれています。本書では、「大人たちは、過去を引きずって生きている過去の住人」とされていますが、執着せず、素直にモノゴトを視る心を養っていきましょう!
『ミライの授業』(瀧本哲史著、講談社、本体価格1,500円)