一度は読んでおきたいと思っていた本書。アメリカ建国の父ベンジャミン・フランクリンはいかなる人生を送ったのか。
彼は様々な事業に携わっています。科学者であり、発明家であり、大学の創設やアメリカ初の公共図書館を設立だけでなく、印刷業をやり、政治や軍にまでかかわっています。リーダーとしての才能をいかんなく発揮した人でした。父が正義を教え、自らも読書に励み、「人の役に立つ」ことを念頭に行動し続けました。
彼自身のクレドに相当する「13の徳目」はとてもオーソドックスなものに見受けられますが、習得するには困難の壁も立ちはだかります。習得に当たっての自分の方法まで克明に書いており、後世の人にはとても参考になります。自身の行動を何度も繰り返し顧みる、振り返る時間を設けて、次に活かす。書けば簡単ですが、チェックを怠らなかったわけです。
印刷業を息子に譲ってからは、政治や軍事に足を踏み入れましたが、徳目の実践で最後は独立宣言の起草にまで携わりました。自利は避けて、民の利を考えるからこそ、名誉が書き加えられました。
『すらすら読める新訳フランクリン自伝』(ベンジャミン・フランクリン著、サンマーク出版、本体価格1,600円、税込価格1,760円)