今朝、店頭で一所懸命に開梱している時、
「先日はありがとうございました。読み聞かせ、バッチリでした。」
今週火曜日に来られた女性でした。小学6年生に読み聞かせをするために本を探しに来られたのです。
「どんな本を読めばいいでしょうか?」という相談に、迷うことなく、
「おおきな木」(シェル・シルヴァンスタイン作・絵)を提案しました。
この絵本の原題は『THE GIVING TREE』。
「与える」こと、また「与え続ける」の大事さを教えてくれるのが、『おおきな木』です。私のこの本の感想は以下の通りです。
かわいいちびっこの遊び相手になった、りんごの木は、少年の成長と共に、少年の現実的な望みを叶え続け、長じてからは疎遠になった彼が抱く困難にも手助けし、最後には幹を切り倒すことをも許してしまうのです。与え続けることにりんごの木は嬉しさを隠さない、いじらしさには感動さえ覚えてしまう。
りんごの木にとって、ちびっこはどんなに齢を重ねても「ぼうや」のままにしか認識しないんですが、少年は成長し「ぼうや」ではない、「大人」だと言い張る。彼らに流れている時間の感覚が全く違うこと、おおきな木には素直で自然な気持ちが失われていないこと、またどんな姿になろうとも、その時のベストを尽くすことが生きていく上では一番重要なことなど、本当に多くの気づきを与えてくれます。
「子どもたちは静かに聞いてくれました。読み聞かせは成功でした。子どもたちも考えることになったでしょう。」
いやはや、本屋のおっさん冥利に尽きる日でした。