この本をもっと早く読んでおけば良かったなぁ~
オヤジが今年の7月18日に永眠しました。本人は家逝きを希望しましたが、結局は病院逝きでした。希望通りにならなかったというよりも、本人の病状が電撃的に悪くなり、帰宅する間もなかったというのが現実です。しかし、この前に読んでおけばよかったと思います。
私自身は家で誰も見送っていないので、「死」というものが想像できませんでした。家逝きを経験していると、人間はどういう風に死に向かっていくかが理解できたでしょう。もう駄目だとわかっていても、オヤジに元気になってもらって、家に帰ってもらいたいがために、要らんストレスを与えていたと思います。
日本の家族も核家族、または一人で所帯を形成する割合が多くなる中、人は如何に死んでいくかがわからない、また、自分自身もいずれは死ぬわけですから、予習をしていても損はないでしょう。特に、介護を受ける身になる時に、介護者に気持ち良く介護してもらうためにはどう対処すればよいか、このあたりになると、もう人間学の範疇になるやもしれません。
本書で書かれていたことで脳に刻んでおかなければならないことは、
「寿命ありきではなく、『暮らしや人生の質、生きる意味』を軸にして考える方が、残された時間を有効に使える」
「自分が大事なら、介護者を大切にする」
「人は生きてきたように逝く」
です。その時にジタバタしないように、心身ともに生きる最期の極意は知っておきたいものです。
『入門! 自宅で大往生 あなたもなれる 「家逝き」達人・看取り名人』(中村伸一著、中公新書ラクレ、本体価格860円)