Vテールボナンザの象徴、Vテールのラダベーターはマグネシウム製。軽量化が目的だったが、錆びやすく問題が多い弱点の一つ。アルミ製の部分にはまったく錆がないのに、マグネシウム製の部分だけ塗装が浮いてきた。錆が酷くなる前にと早めの一手を打ったつもりが、かなり深刻な劣化だった。
見た目はこんな程度で、赤矢印で示す箇所に錆があっては困ると判断。塗装を剥がし、マグネシウムの防錆加工をして、再塗装程度でいいと思っていた。
右側のラダベーターも同様。小さな塗装の浮きがある程度で、全体としてのコンディションは良好だろうと考えていた。
塗装をはがしてみると、思いの外錆が進んでいたのと、リベットの劣化箇所が発見されたのと、何より亀裂!が見つかってしまった。
こんな感じの小さなものは、亀裂拡大防止のドリリングで対処。パッチは必要ないようだ。
こっちの修理や厄介そう。リベットを外し、錆取りをした結果、ラフト社が設定する厚みギリギリまで来てしまた。ラダベーター全体のマグネシウム貼り直しの可能性まで出てきた。念の為、中古パーツを探してもらっているが、S35ボナンザに合うラダベーターなど、全米どこにも売り出しがない。というか、どれもこれも修理が必要なものばかり。なんでマグネシウムなんかでラダベーターを作ったのだろう。ラフトの決断を恨む。
それから、凹みをパテ埋めし、バランスとりをしていた箇所を発見。左右ともパテを取り去り、とりあえず凹みを直すことに。このラダベーターを最大限に活かしつつ、バックアッププランとして交換用の中古パーツも探し続けることになった。
愛機VテールボナンザS35、復活までまだまだ時間がかかりそうだ。