LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:山火事のせいでロサンゼルス全体の空気が煙臭い

2009-09-11 | Flight Log (機長)

昨日に続き、本日も酷暑。しかも、昨日よりも山火事の煙が広がってしまい、ロサンゼルス全体5000ft以下くらいの空気は煙にまみれている感じだ。とりあえずサンタモニカ空港に向かい、V1 Pilot Shopでオイルストレーナーを購入、そして駐機してある機体へ。オイルを6クオーツまで足し、プリフライト完了、準備万端。こんな酷暑の日はオイルが少な目だとさらに厳しい油温との戦いになるので、上限ぎりぎりまでオイルを足しておきたい所だ。

ランナップエリアに向かいエンジン暖気、燃料チェック、そしてランナップを行った。その後Rwy21にタクシーし、すぐに離陸許可が下りた。Right 270 Departure at Shore line、お決まりの離陸。色々考えたが、SLI VOR - PDZ VORのコースを飛び、この酷暑の中をクロカンフライトしよう!と飛びながら決めた。もちろん東向き、北西向き、南向きのどのコースでも行けるようにウェザーブリーフィングはしてあるが、どこに行くか最終的に決めるのは飛んでから!という気軽さがイケていると思う。この辺り異論を唱える人もいるかもしれないが、毎週末飛び続けてきた勝手知ったる空域ゆえにできることだ。

3500ftまで上昇しても油温はレッドラインギリギリ手前。こんなんで5500ftまで上昇したらレッドラインを振り切りそうな勢いだ。このGrumman AA1という機体、油温という部分に関しては完全な設計ミスじゃないかとも思う。O-235エンジンで7500ftまで登りたい!とは思わないが、やはり一人乗りでは燃料満タンでも5500ftまでは軽々上がって欲しいものだ。

そのままGPSとチャートをみながら東へ飛んだ。何十回、もしかして何百回と飛んだコース。2350rpmでIAS80kt台のノロノロ飛行。なんとかサンバラディーノ空港、レッドランズ空港が見える所までやってきた。

ここで目を疑ってしまったのが、レッドランズ空港のさらに東側で別の山火事が発生してたこと。マウントウィルソン近傍の山々を中心に各所で山火事が発生しているが、まさかこんな東の山の中でも山火事になるとは泣きっ面に蜂だ。。当然サンバラディーノ空港からは何機も消防の飛行機とヘリが離着陸しており大混雑。レッドランズ空港からも消防のヘリが何機も離着陸している。

それら消防の航空機を避けながら、サンバラディーノ空港のClass D Airspace 上空を3500ftで越え、レッドランズ空港 Rwy26のRight Downwindに入った。そしてショートファイナル気味に着陸、接地はまあまあだったが、坂道滑走路のお陰で有り得ない程の着陸距離。六人乗りの機体ならまだしも、二人乗りの機体、Grumman AA1では少し恥ずかしい距離だった。

Transient parkingに駐機、しばらくラウンジでゆっくりしていた。そうこうしているとKing Air C90が入ってきた。外装は新しく、恐らく最近のモデルだと思われた。そのKing Airから、ゴルフバックを持った乗客二人が下りてきた。この酷暑の中、少しでも涼しい所を求めてTurbo-propのKing Airでゴルフに行くなんて優雅なもんだ。エアコン付き、与圧機能付き、双発ターボプロップに3人乗りなら、この過酷な暑さの中でも快適にフライトできたのだろう。

こちらは1時間弱の休憩を取った。機体のエンジンを休めクールダウン、そしてパイロットの私自身も水分補給とクールダウンが必要だ。レッドランズ空港Rwy26から離陸、Right 270 Departureで4500ftまで上昇した。砂漠の気温は40度、こんな環境では油温が振り切る手前だ。オンタリオ空港Class Cとロサンゼルス国際空港Class Bの北側を飛ぶようにして東に進路を取り、ブラケット空港、エルモンテ空港と上空通過、そのままダウンタウンの北を通過し(念の為にドジャーススタジアムから3nmの距離をあけ)、そのままサンタモニカ空港Rwy21にStraight In Landingとなった。

フライト中、終始山火事が気になってしかたなかった。煙は15000ftから20000ft近くまで達しており、確実に住宅を巻き込んで延焼を続けている。不謹慎ながら空から遠目に山火事を見ると、噴火口から舞い上がる煙を見るような壮大な自然の光景に映ってしまう。自然の力の前には、人間は本当に小さな存在だなと感じる。


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2 コメント

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おー近くを飛んでいたんですね (goodday-taka)
2009-09-13 18:24:16
おつかれさまです。
無事にチノに着きました。チノ空港からも山火事が見えました。。。夕日と相まって幻想的な感じでしたが、現場は壮絶な戦いなのでしょう。雨が少しでも降ればいいのに。

911...なんとなく空港内は静かだった気がします。
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Unknown (C2)
2009-09-14 09:48:10
>goodday-takaさん
すでにCNO入りしているですね。集中訓練で忙しいと思いますが、頑張ってください。

一時は地上からでも炎が見え、煙が2万ftくらいまで吹き上げていたた山火事ですが、現在は勢いが落ちて来たようで何よりです。まだまだ消化活動が続いているようです。

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