LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:いろいろな意味で感動した 愛機S35ボナンザ同乗訓練3

2015-12-21 | Flight Log (飛行訓練)

前回、前々回日記の続き。American Bonanza Society BPPP承認のインストラクターMikeと二人で慣熟飛行を続けてきた。いよいよ最終レグ、General Fox Airportから目的地のSanta Monica Airportまで飛ぶ。ちょうどロサンゼルス全体にStormの雲がかかる。Santa Monica Airportは豪雨のためにSpecial weather observationが出ていた。とは言っても、Ceilingは1500-2000ft、アプローチは問題じゃない。気がかりなのは山の上でのIcingだ。7000ftで氷点下になると予想。場合によってはGenaral Fox Airportに戻ることも考えておいた。

ランナップエリアで機体のエンジンを一度完全停止。FSSに電話を入れ、IFRプランをファイルした。エンジンが止まり、機体マスタースイッチも切り、真っ暗な機内。そして真っ暗な外、雨が降り、寒い。Single Pilot IFRじゃ絶対飛ばない。無事にフライトプランを入れ、General Fox Airportのタワーをコール。本来はグランドを呼ぶべきだが、この日はグランドもタワーも管制官一人が担当。そして飛んでる機体もこのボナンザだけだ。そしてもらったクリアランスは:

KWJF-PMD-KIMMO3 arrival-DARTS-KSMO (VOR/GPS-A)

すぐに離陸許可がおりた。雨に濡れたRwy24から離陸。500ftで左ターンし、Palmdake VOR / PMDに向けて飛ぶ。すぐに雲の中に突入。真っ暗、寒い雲。ほぼフリージングレベル。32度の外気温。Mikeが懐中電灯でウィンドシールドと翼を照らす。大丈夫そうだなと言いながら、延々と計器と外を見つめるMike。Garmin 530にフライトプランは入れてあるので、autopilotに操縦を任せ、私も左主翼の着氷をチェック。一瞬rime iceがついた?と思ったので、すぐにMikeに見てもらう。違う!とMike。

雲の中を飛び続け、待ちに待った降下開始。7000ftから6000ft、そして4000ftへと降下を指示される。外気温も上がり、Mikeも自分も顔を見合わせて笑みを浮かべる。このフライトの一番の難所を越えた。KIMMO3 Arrivalの指示だが、おそらくレーダーベクターになるだろうと予想。その通り、ELMOO interesectionからのアプローチ開始となった。ここまで来ると、体に染み付いたKSMO VOR-A Approach。アプローチチャートを見ずとも全て頭に入っている。final approach courseをインターセプトし、いよいよアプローチ開始。管制塔へとハンドオフされた時、まだ空港は見えず。まだかまだかと思っていると、フワっと雲から出て、眼下にロサンゼルスの夜景が広がる。見慣れた光景なので、すぐに空港PAPIを見つけた。Mikeはどこ?と言っていたが、そこはHome airport、こちらはすぐに見つけた。Airport insightと伝えると、cleared to landと管制塔。今日の総仕上げ、雨の中、Night landing。ちょっと高目のラウンドアウトだったが、悪い着陸じゃなかった。

これで合計5時間となり、無事に保形会社の要求事項を満たした。Mikeと飛んだことで、パイロットとしてちょっと成長した気がする。Bonanzaの慣熟飛行訓練という目的を越えて、学び多きフライトだった。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Tomy)
2016-01-04 19:34:05
Fox。懐かしいですね。
28年ほど前にWJFで訓練しました。
試験は、隣のロザモンドで行いました。
Foxが雨なんて珍しいですね。
1年を通して360日晴れというのが当時のFoxの気象です。
視程も、常に数十マイル~アンリミテッドでした。
このところの異常気象で、砂漠にも雨が降るようになったのでしょうか?
返信する
Unknown (c2)
2016-01-06 02:24:15
>Tomyさん
今でもWJFが雨というのは珍しいです。シエラネバタ山脈の東、サンガブリエル/サンバラディーノ山脈の北は基本的に晴天です。四つ切り写真の右下のレーダー画像にあるように、Los Angelesが嵐の中、WJFはただの雨降りでした。ロサモンドでチェックライドが受けられたのですね。イグザミナーがいるのは知りませんでした。ところで、WJFで訓練を受けたということは、強風をものともしないパイロットになられたのではないでしょうか。昔、わたしもクロスウィンドランディングの練習にWJFに行きました。
返信する
Unknown (Tomy)
2016-01-06 23:43:00
ご丁寧な返信。ありがとうございます。

ご察しの通り、風にはめっぽう強いと思います。
あの強風でもソロに出られないといけないもので。
当時は、風の感覚が麻痺していたと思います。
C152だから出来たのかもしれません。

ロザモンドのイグザミナーは、当時、70歳くらいでした
のでもう、亡くなっていると思います。
百里基地でアラートをやっていたそうで、試験中も日本語が混じる英語で、何言ってるのか苦労しました。
数十ドルでアクロバットのデモフライトをしてもらったのも楽しい思い出です。

Fox Cafeには、日本の紙幣がまだ、飾ってありますか?
あれば、それは、我々が当時、Fox Cafeに置いてきた物です。
返信する
Unknown (c2)
2016-01-09 08:40:58
>Tomyさん
WJFにいれば風の感覚は麻痺するでしょうね、良い意味で。WJFのカフェはフィッシュバーガーがあるので気にいってます。今度立ち寄った時、日本紙幣を確認してみます!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。