おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

恋をしましょう

2024-05-12 07:03:07 | 映画
「恋をしましょう」 1960年 アメリカ


監督 ジョージ・キューカー
出演 マリリン・モンロー イヴ・モンタン トニー・ランドール
   フランキー・ヴォーガン ウィルフリッド・ハイド=ホワイト
   デヴィッド・バーンズ ミルトン・バール ジョー・ベサー

ストーリー
ジャン・マルク・クレマンは億万長者で、色事もなかなか達者だ。
クレマンのPR係コフマンが、バラィエティ紙にクレマンを皮肉った芝居のリハーサルが行なわれている記事を見つけた。
クレマンの弁護士は芝居を止めさせようといったが、彼は1度芝居をみてからにしようといった。
ある晩、クレマンはコフマンを連れて、内緒で劇場を訪ねた。
舞台ではアマンダ・デルがセクシーな踊りを踊っていた。
一目でひかれたクレマンは、コフマンに彼女と食事をする用意を命じた。
プロデューサーのバークンズはクレマンに似た役者を探していた。
それを知ったクレマンは彼女に近づくため、アレクサンドル・デュマと名乗ってその役を買って出た。
アマンダがクレマンと親しくなるにつれて、彼女が金持ちを軽蔑し、夜学に通っていることがわかった。
彼女はなかなかクレマンの誘いにのらない。
どうも一座の中の若いハンサムな歌手トニーと仲がよいらしい。
クレマンは弁護士ウェールスをプロデューサーに化けさせ、一座に経済的援助を与え、自分を主役にさせて彼女をモノにしようとした。
計画はあたり、主役はトニーからクレマンに変った。
やがて、アマンダはクレマンとの夕食を承諾した。
彼は求婚したが、アマンダの真意はトニーに主役をかえしてくれということで、彼とは友情意外なにもないという。
しかたなくクレマンはアマンダに本物に会ってショーの上演を頼もうといった。
彼女はクレマンの事務所を訪ねた。
そこで同行のアレクサンドル・デュマと名乗っていた男が、本物のクレマンだとわかった。


寸評
この映画は作品によってと言うよりも、マリリン・モンローとイヴ・モンタンのスキャンダルとして記憶にある。
マリリン・モンローは恋多き女だったと思うが、僕は当時の年齢もあり共演者とのロマンスを聞いたことがなく、後年に本作の相手役モンタンと激しい恋に落ちていたことを知った。
イヴ・モンタンの方もアメリカに行きっ放しになるほど夢中だったようだ。
そのためにイヴ・モンタン夫人のシモーヌ・シニョレが辛い思いをしていたようで、自殺未遂を起こしたという噂もあったようである。

第33回アカデミー賞で     ミュージカル映画音楽賞にノミネートされるなど、本作はミュージカルに数えられているようだが、はたしてこの映画をミュージカルとして見て良いものかどうか。
劇中劇としてモンローや、トニー役のフランキー・ヴォーンが唄ったりしているが、あくまでもショーの中身として唄われている。
イヴ・モンタンも唄ってはいるが場面は少ない。
ミュージカルとしては唄い踊られるシーンが少ない。
僕としてはマリリン・モンローとイヴ・モンタンの歌声をもっと聞きたかった気持ちでいっぱいである。
話は単純で、プレイボーイとして有名な億万長者のジャン=マルク・クレマンが舞台で歌い踊るアマンダに一目惚れし、偽名を使って本人役を演じながら彼女の気を引くために四苦八苦する、言わば喜劇だ。
演じられるショーでは、マリア・カラスやプレスリー、クライバーンなど知った名前が登場する。
愉快なのはクレマンが歌のレッスンを受けたり、ダンスのレッスンを受けるシーンで、その様子も楽しいものだが、教えているのがビング・クロスビーとジーン・ケリーで、彼らが本人役で出ていることだ。

モンローはセックス・シンボルらしく、ポールをタイツ姿で滑り降りて登場してくるのだが、そこからの描かれ方は工夫があっても良かったように思う。
脚本が悪かったのか、あるいは監督ジョージ・キューカーの力量だったのかもしれない。
アマンダとトニーは恋人のように見えるが、彼女は秘かにクレマンに思いを寄せていたという事だったと思うが、その変化が上手く描けていなかったように思う。
徐々にアマンダがクレマンに魅かれていく過程が描かれていないので、彼女の気持ちが分かった時には「えっ、そうだったの?」という気持ちが湧いた。
彼女の素行調査として、トニーとの関係や別の男と教会で密会している事が報告されているが、実は彼女は・・・という描き方も一コマで処理されている。
全体としては非常に散漫な感じを受ける内容となっている。

イヴ・モンタンの道化ぶりを見せられていると、モンローの映画と言うよりモンタンの映画と言う気になってくる。
やはり僕はマリリン・モンローを期待していたのだなと自覚した。
古参でお坊ちゃまを見守ってきたと思われるウェールスのウィルフリッド・ハイド=ホワイトが素敵な老人として印象に残る。


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