おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

同窓会

2024-06-16 06:37:54 | 映画
「同窓会」 

                        
監督 サタケ ミキオ       
出演 宅間孝行 永作博美 鈴木砂羽 二階堂智
   阿南敦子 飯島ぼぼぼ 尾高杏奈 兼子舜 渡辺大 

ストーリー
映画プロデューサーの南克之は年下の新進女優、大崎めぐみ(佐藤めぐみ)とお気楽な不倫関係を楽しんでいた。
高校時代の恋を実らせて結婚した妻、雪との間に子宝は恵まれず、離婚があっさり成立する。
それを聞いた同級生の浪越文太は大激怒。
文太は雪に片想いするも“相手が親友のかっつ(克之)だから”と諦めた過去があったのだ。
“かっつの根性を叩き直してやる!”と勢いこむ文太は、地元長崎にいる“わだまさ”こと和田政子や“とねいち”こと利根川一らを集めるが腹の虫は収まらない。
雪は地元の同級生でいまは東京の出版社で働く親友の“ひめ”こと石川えりを心の支えに新たな一歩を踏み出そうとするが、そんな雪の体に異変が起こる…。
一方、克之が経営する小さな映画会社「サウスピクチャーズ」に大きなチャンスが訪れる。
ヒットを予感させる原作の映画化権の獲得に成功したのだ。
克之ははりきって製作に取り掛かり、新作への思いを新たにしてロケの手配をするために地元の島原へ飛ぶ。
実家に立ち寄り、父ひろし(笑福亭鶴瓶)と母美佐子(うつみ宮土理)に遅い離婚報告を済ませる。
部屋には映画監督を夢見ていた若き日の自分が残した8ミリフィルムや、渡せなかった雪への不器用なラブレターがあった。
克之は、キラキラしていた高校時代を回想する。
20年前の高校時代の克之(兼子舜)は映画研究会に所属し、ヤンキーの文太らに振り回される日々。
友永雪への愛の告白を夢見るが、雪はいつも中垣(窪田正孝)と行動を共にしていて付け入る隙がない。
告白する勇気が出ないまま卒業するが、その13年後に開かれた同窓会をきっかけに克之と雪は交際を始める。
でも雪を好きになればなるほど、克之のなかで中垣の存在は大きくなっていく。
結婚してからも、雪が中垣から贈られたらしい万年筆を大切にしているのを見てその思いを加速させていく。
そして現在。
新作の製作に奔走する克之だが、映画会社が危機に陥ってしまい、さらにえりから衝撃的な連絡が。
雪は重い病に掛かっていて、余命いくばくもないというのだ。
克之は行方知れずの中垣を探し出すための同窓会を企画し、中垣を雪に合わせようと画策する。
そんな時、雪が危険との知らせが入り、克之は雪の元へ走った…。


寸評
雪の病気の結末は予想できたけれど、そこに至る展開は予想外だったなあ。
「え~え、そんなのあり?」と言いたくなるような展開で、ラストに向かって一気に持っていくあたりに、これがデビュー作というサタケミキオ監督のセンスを感じた。
全体の作りはコミカルだが、大笑いを誘うまでになっていないのは、狙いなのか切り込み不足なのか?
それでも初恋時代のみずみずしさがよみがえってきて懐かしくもあった。
その懐かしさは、当時のテレビ番組の「元気がでるテレビ」の名物コーナーだったり、清涼飲料水のチェリオなどからも引き起こされるが、むしろ誰もが有するほろ苦くもあり楽しくもあり活気に満ちていた少年時代、青春時代を髣髴させたことにあったと思う。
初恋か・・・・。
おもわず昔の卒業アルバムを開いてみたくなるような映画だった。

最後は泣かせるなあ。
わかっているんだけど泣けてくるなあ。
映画研究会に属していた孝之が語る「コメディにロマンスをからめて、皆が大笑いしてうっとりするような映画」がまさしくこの映画が目指したことだったと思う。
中垣と雪を引き合わせるために孝之が幹事となって開いた同窓会あたりから僕は泣きっぱなしだった。
監督も兼ねる宅間孝行もよかったけれど、本当は昔から好きだった「かっつ」のために、すべてを受け止め愚痴もこぼさず、ひたすら支え続けていたことが判明する雪を演じた永作博美がよかった。
現在と過去をうまく切り替えながら進められたストーリー展開も小気味よかった。


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