おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

パルプ・フィクション

2021-09-19 07:54:05 | 映画
「パルプ・フィクション」 1994年


監督 クエンティン・タランティーノ
出演 ジョン・トラヴォルタ
   サミュエル・L・ジャクソン
   ユマ・サーマン
   ハーヴェイ・カイテル
   ティム・ロス
   アマンダ・プラマー

ストーリー
ロサンゼルスの朝、コーヒーショップで不良カップルのパンプキンとハニー・バニーが突然立ち上がり強盗を始める。
2人組ギャング、ビンセントとジュールスがボスの命令でだまし取られたアタッシュケースを取り返しに若いギャング団のアパートに車を走らせ、虫けらのように彼らを殺して出ていく。
その頃ボクサーのブッチがギャングのボスであるマーセルから八百長の依頼金を受け取っていた。
ビンセントはマーセルから留守中、若く美しい妻ミアの食事の相手を命令され、2人は50年代風のクラブ・レストランに行きダンスを踊り、互いに魅かれ合う。
ブッチはマーセルを裏切って自分に大金をかけて試合に勝ってしまった。
ブッチは恋人ファビアンの待つモーテルにかけ込むが彼女が父の大切な形見である金時計を忘れていることを知り、危険を覚悟で再び自分のアパートに戻る。
そこにはビンセントが待機していたが銃を置きっぱなしにしてトイレに入っていたビンセントは逆にブッチに撃たれて死んでしまう。
しかしその後ブッチはマーセルに出会い、その後2人は変質者たちに捕まってしまい拷問を受ける。
ブッチはそれでも最後はファビアンとともに街を離れることに成功する・・・。


寸評
時間を前後していくつかの物語が描かれ、それぞれの登場人物たちが自分の意志とは関係なく微妙に絡んでいるという作品で、このような構成の映画はこの後に何作か出会ったのだが(日本映画における内田かんじの「運命じゃない人」など)、この頃は珍しい手法だったのかもしれない。
会話の多い映画なのだが、その会話の内容は大して意味のないくだらないもので、我々が交わすバカ話の範疇に入るものであることも特徴の一つとなっている。
描かれていく内容が時系列に沿っていないので観客は戸惑うことになるが、時系列に沿う形に話をまとめてみると以下のようになる。

ビンセントとジュールスがアタッシュケースを取り戻し、相手方の一人であるマーヴィンを連れて帰るが、その途中でマーヴィンを誤って殺してしまい、慌てて車と死体を処理するのが始まりだ。
この時処理先として立ち寄ったのがジミーの家で、このジミーをクエンティン・タランティーノ自身が演じている。
ウルフと呼ばれる男の助けを借りてなんとか死体を処理した二人は、返り血を浴びたスーツからラフなTシャツに着替えてレストランで朝食をとる。
観客はこのレストランが冒頭で出てきたレストランだと勘を働かせ、冒頭で描かれたレストラン強盗が起きる。
ジュールスが聖書の言葉を引用して阻止するが、僕は彼の言っている内容をよく理解できなかった。
ビンセントとジュールスはそのままボスのマーセルスところへ戻ると、マーセルスはブッチと八百長の打ち合わせを行っていて、ブッチは八百長で負けることを約束し、マーセルスはそのままビンセントにミアの面倒を命令する。
ビンセントはミアに振り回されながらも言われるままに相手をする。
出かけたところはプレスリーやマリリン・モンローのそっくりさんがいる店で、そこでツイスト大会があり、優勝トフィーが欲しいミアに誘われ、ビンセントはミアと共に踊りを披露する。
ビンセントをやっているのが ジョン・トラボルタで、 ジョン・トラボルタと言えば後年「サタデー・ナイト・フィーバー」でディスコ・ブームを引き起こし、一世を風靡した俳優であることを思うと面白い。
帰宅したミアは薬物の過剰接種で危篤状態になるが、友人の家で治療しなんとかミアを死なせずに帰る。
ビンセントはミアに好意を感じ始めていたようだが、ボスの怒りを恐れて手が出せないでいる。
一方、ブッチは八百長試合を裏切り、賭けで儲けて逃亡するが、祖父から引き継いできた金時計をアパートに忘れてきたため取りに戻ると、そこにはボスの命令を受けたビンセントがいた。
ブッチはビンセントを射殺するが、この映画ではビンセントにはやたらとトイレの話がついて回っている。
逃げる途中でブッチがマーセルスと出会ってしまったことで銃撃騒ぎが勃発し、二人は質屋へなだれ込む。
マーセルスがゲイの男に犯されるが、彼を救ったことで二人は和解し、ブッチはマーセルスがゲイの男に犯されたことを口外しないこと、この町に戻らないことを条件に許され、恋人のファビアンとバイクで去っていく。
恐れられているマーセルスがゲイに犯されたことを恥じる姿が面白い。

時系列で書き出すとなんて事のない話であるが、映画ファンが議論したい要素はある。
まず、あのアタッシュケースに入っていたのは何なのか、くだらない会話の連続は何のためだったのか、マーセルスの後頭部に貼っている絆創膏は何なのかなど・・・。
ストーリー展開の整理など、考えを巡らさないといけない所がこの映画の面白いところだろう。