ZANMAI BLOG(新アドレス)

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モンゴル紀行~その3(バイク&パイク)

2007年09月30日 | モンゴル紀行(2007年9月~)

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今日もモンゴル晴れ。形容しがたい鮮やかなブルーである。

チョロートの様子が良くないので緊急に協議する。もう数日は望み薄と、ガンナも含めて皆の総意となる。水色が回復するまで、同じ水系の別の川へ移動す ることと決める。 

同じ水系と言ってもゆうに200kmは移動せねばならない。移動も半日がかりである。移動途中になかなかの規模の湖があり、北方のもうひとつの王者、パイクが棲むという。ついでと言ってはなんだが、これをぜひ狙ってみたい。

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・裏手の丘に登ってみる。朝食前に、早朝の散歩。家畜に囲まれて生活しているのがよくわかる。

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・さらに登る。OOと煙は高い所が好きなのだ。(画像を左クリックしてご覧下さい。裏手のちょっとした丘からでもこのスケール)

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・ヤク。ウシの仲間だが、ご覧の通り牛よりずっと毛が多く長い。より高所で遊牧生活を営む人々に重宝がられている。その乳も肉も、荷物を引く際の労働力としても。

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・現代の遊牧民に大流行、バイク。ロシア製で一家に一台。現代の鉄鋼騎馬隊といったところ。

21世紀の遊牧民たちに欠かせないのがバイク、パラボラアンテナ、ソーラーパネル3種の神器と言っても差支えないほど。

バイクはわかる。馬ももちろん現役だが、大草原においてバイクは本当に便利。

次いでパラボラアンテナ、これがあればゲルの中でもTVが見れる。彼ら最大の娯楽でもあろう。

最後のソーラーパネルには驚かされた。電源が無いためだが、いきなりソーラーとは!電柱も自家発電機も飛び越え、ソーラーの登場である。四方八方、見渡す限りの大草原に、である。世の最先端は細部に、極所にこそハッキリと宿るのであると、痛感させられる。考えてみればこの3つが3つとも、人里離れて生活する彼らこそが最も切実に必要としているモノばかりであろうと、ようやく理解できる。

 

昨晩、特に明け方のこと。牧羊犬が一斉に、さかんに吠えるのをうつらうつらしながら聞いてたのだが、朝になって聞くとオオカミが出たとのこと。朝一番でさっそうとバイクにまたがりオオカミを探しに出かける。

上手く見つけられなかったようだが、どうやら羊がオオカミにさらわれたらしい。モンゴルの丘陵地帯には今でもオオカミが珍しくない頻度で出没する。遊牧民にとってその被害は深刻であろう。

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・パイクの棲む湖、テルヒーンツァガーン湖。

チョロートのベース地から車で半日。パイクも大きく育つがタイメンも生息するとのこと。ここのツーリストキャンプに一泊し、ボートとおかっぱりでパイクを狙う。

ボートの持主がガイドも兼ねて操船してくれる。15fほどの小さなアルミボート。3馬力ほどのロシア製と思われる船外機が付いているのは予想外の上出来ぶりだが、ボートそのものが全くいただけない。アルミボートと言っても普段我々が日本で乗っているアルミとは訳が違う。まず、アルミそのものがぺナぺナ。薄すぎる。いざ乗り込んでみると床板なんて波の衝撃でべコベコ音を立てるし、岩にでも擦ろうものなら足裏に岩の感触がハッキリと伝わるほどである。

この湖は琵琶湖の1/3ほどはあるらしい。当然強風も吹く。大草原の吹き下ろしである。それなのに、Vハルでなく平底のジョンボートときた。大丈夫なのだろうか?

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・北方の湖の勇、パイクが食らいつく。いきなり、ゴゴンとくる。特に走り回るわけではないが重量感はなかなかのもの、中にはジャンプとまではいかずともヘッドシェイクを見せるやつもいた。84cm、この一匹はZANMAIファット12cmのトゥイッチに食ってきた。

水温が比較的暖かいこの時期、どうやらパイクは浅瀬の藻場で盛んにベイトを捕食しているようである。このパイクというのは通常の魚の常識が当てはまらない部分があり、朝夕のマズメ時や風が吹いて湖面がさざ波立つと食いが悪くなるのだそうだ。ベストはなんといっても良く晴れた真昼間、ベタ凪なんだそうな。

とにかく当初は釣り方が分からない。北国の勇は目の前を通り過ぎる生き物には何でも食らいつくなどど、何かで読んだ記憶があるが、とんでもない。なかなかに神経質な魚であるようだ。各々スプーン、ミノー、トップなどを試行錯誤する。

そんな中、僕が投げていた12cmファットを舟べりでピックアップしようと水中から抜き上げた途端、でかいパイクが水中からグワーッと踊り出、空中でルアーに襲いかかった。目の前50cmでの出来事である、上手くフッキングしなかったがこれには驚いた。

どうやらパイクという魚はルアーを潜らせてもよいが、もっと良いのは水面を大きなルアーで波紋をだしながらデロデロとゆっくり引いてやるのが効果的なのだと、この時わかった。

浅瀬の藻場に身を潜めながら目だけは常に上方、水面付近を凝視しているらしい。しばらく追尾したあと、タイミングを見て一気にのしかかるように襲う、というのが彼らのやり口であるようだ。

パイクには代表的なものとしてノーザンパイクとアムールパイクがいるが、これがどちらなのかは不明。モンゴルはアムールが主と聞いていたが、アムールはアムール川水系にしか棲まないとも聞く。この湖はアムール水系では無い。

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・写真でわかりますか?パイクは大変歯が鋭く、とても手で持てる魚では無い。ラインだって20~30ポンドナイロンなら簡単に切ってしまうであろうほど。よって必ず通常のリーダーの先にもう一つ、金属のワイヤーリーダーを付けること。これで例えルアーをのまれても安心。

基本的にすべてリリースが主義であるが、この一匹はキープさせてもらう。スープにすると大変美味と聞いていたからである。明日にでも、ナランにそのように料理してもらうとしよう。

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・2匹目はタイメン用に作っていった15cmジョイントに来た。水深1mも無いようなドシャローで80cmオーバーのパイクがルアーに襲いかかる。

このボートでは少しでも風が吹くととても怖くて立ってのやり取りが出来ない。ライジャケも無いのだ、無理は禁物。

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・パイクが寄ってくる。なかなかの男前。

結局、この日は3時間ほどボートで釣りをしたが強風のせいもあり、パイクは計3匹。僕が2匹、坂本さんが1匹。どれも計ったように85cmぐらい。これがこの湖のパイクのレギュラーサイズなのだろうか?そう仮定するならば、この湖のポテンシャルは察してしかるべきである。

一回、凄い当たりと共にラインを引き出し、止まったと思った瞬間にポロッとフックが外れてしまった魚がいた。パイクはメーターまで育つという。もしかすると・・

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・捌くまでの間、パイクをゲルの玄関にぶら下げておく。パイクと、空腹のネコの図。

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・今日パイクが食ってきたのは12cmファット、15cmベンド、15cmジョイント。

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・すっかり暗くなった湖岸でパイクを捌く。

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・なんと・・!胃袋から出てきたのは、半分消化されたパイクの子。

子と言っても30cmはある。自然の厳しさがここに凝縮されているとは言えないだろうか。本当の親子で無いと、誰が断言できようか。

 

 

本日の釣果

小平 パイク x2 84cm、85cm(ZANMAI 12cmファット・15cmジョイント)

坂本さん パイク 85cm(イマカツ・ハスキーハスジーだったと記憶。調べておきます)

おかっぱりは釣果無し 以上。

 

 

とにもかくにも、モンゴルで初めて魚が釣れた。なにせパイクは釣りを試みた事も初めて、もちろん釣ったのも初めて。実はなかなかに嬉しい。独特の水面に身をくねらせる、強烈なバイトはもっとたくさんあるのだが口の形状と、食い方がスマートで無いのとでなかなかフッキングしない。そんな不器用なところも気に入った。

北方の湖の勇者に、感謝。

日が落ちると同時の冷え込みが強烈だ。雲行きも怪しい。低気圧の接近で、どうやら今晩は荒れそうだ。


モンゴル紀行~その2(沈黙の達人と、沈黙する川と)

2007年09月29日 | モンゴル紀行(2007年9月~)

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・am6:00、モンゴルの大地に朝日が昇る。大地から立ち上る煙のようなものは温泉。

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早朝に目覚める。この時期、モンゴルの朝方はかなり冷え込むのでストーブの薪くべが欠かせない。

今日は釣りの目的地、チョロート川まで走破の予定だ。

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・チョロートへひた走る。道しるべは轍(わだち)だけである。無論のこと標識も何も無く、目立つランドマークも無い、彼らは何を目印に目的地まで走っているのか、我々にはまったく見当もつかない。

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・到着、これがチョロート ゴル(チョロート川、石の川という意味)。

永遠かと思われた大地に何の前触れもなく裂け目が走る、結構な水量で流れ落ちているのが、70~80mはあろうかという崖の上からでも良く見てとれる。凄い川だ。日本ではちょっとお目にかかれないダイナミックさ。70mの崖というのは眼前で見ると相当の迫力である。

しかし・・・!

日本で聞いていたとおり、増水に濁りがかなりキツイようだ・・水量はまだしも、この濁りにはガイドの顔も曇る。予想されてはいたが・・

早速支度をし、崖を下り、はやる気持ちを抑えつつキャストを繰り返すが、まったく反応が無い。誰にも、無い。間近で見ると濁りはさらに醜く、タイメンには厳しい状況であることがハッキリとしてくる。

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・我らは兄弟、モンゴロイド!

 

チョロートでは川の傍で遊牧をしている遊牧民に彼らのゲルを借り、寝泊まりさせてもらう。

後列、向って最左がドライバー、エルカ。後列中央、黒いダウンは細谷(弟)さん。数年前、サハリンでもご一緒させて頂いた。その右となりの女性がコックのナラン。

前列、向って左から。迷彩ルックも眩しいのは利根川の漁師兼ハンターの木内さん、細谷(兄)さんはやはり以前にサハリンをご一緒させて頂いた。そして今回のリーダー、岡田さん。豊富な海外経験は何よりも頼もしい。坂本さんはタイメン初挑戦!なんとか一本。

その右隣は、ガイドのガンナと通訳のアムガラン。同行してくれる彼らについてはまた、いずれどこかで詳しく。

その他の遊牧民伝統の民族衣装で固めているのはここのゲルの家族たち。ここにはゲルを4つほど立て、夫婦や兄弟で分かれて生活をしているそう。前列一番右が、彼らのお母さん。

 

彼らは我々から見ると本当に無口である。彼らを‘沈黙の達人‘と呼ぶと何かで読んだが、まさに的を得た表現だ。無駄口はあまり叩かない。一見無愛想だが、実はかなりの照れ屋さん、しばらく一緒にいると良いハートを持っているのがちゃんと伝わる。

モンゴルの人々は同じモンゴロイドとして日本人にも確かな親しみを持っているように思え、共に過ごしてもホッと出来る、というか苦が無い。長旅には大変な大事である。

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・ひとりが馬で出かける。彼らの銃でタルバガン(プレーリー・ドッグ)を獲ってきた。これの肉は本当に美味い!モンゴルで食べた最高の御馳走。

銃は素人から見てもお粗末。これで草原の斜面に穴を掘って住処としているタルバガンを狙う。タルバガンが穴から立ち上がって周りの様子を伺う、この瞬間を逃さずに撃つ。立ち上がる瞬間を捉えんがために、彼らは何時間も草原に寝そべり銃を構え続ける。

 

うらやましい自給自足が大原則の遊牧生活、そのシンプルさ!すべてが己に帰着する見事なまでの完結さに、1人の男として憧れさえ抱く。

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・タイメンは本来夜行性である。極力、昼間の釣りで勝負したいが様子が悪いのでナイターでの出撃を決める。準備は怠りなく!フックは研いだか?ラインシステムは完璧か?目指すはメーターオーバーだ、止水でなく、流れの中で食わすのだから、なおさらだ。

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意気込んでナイターに出撃するも、ノーチェイス、ノーバイト。全員で、である。それにしてもモンゴルの夜は暗い。真っ暗なのだ。月明かりの無い夜は、僕らの知っている黒色以外にも真っ暗闇という色があるんじゃないか、と思うぐらいに暗い。

ナイターはTOPで攻める。

何も分からないまま、ギュン!と投げる。向こうの方でドボン!と着水音がする。とにかくグリグリ巻く。流れが強いのは、良くわかる。しばらくして、魚っ気が無いのもわかってくる。

釣り初日。モンゴルで初めて竿を出してみた。

夕マズメとナイターはカスリもしない。相手はタイメン、まだ焦りは無い。そんな簡単に釣れるようでは、‘幻の魚‘の名が廃るってもんだ。

 

見上げると恐ろしいほどの星の数。吸い込まれそうだ。


モンゴル紀行~その1(チンギス・ハーンの国へ)

2007年09月27日 | モンゴル紀行(2007年9月~)

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・チンギス・ハーン国際空港にはpm11:30着。

9/12日

成田を当初のフライト予定から大幅に遅れて飛び立つ。

モンゴルの首都、ウランバートルのチンギス・ハーン国際空港へはおおよそ4時間半の航程。直行便は成田から週に3フライトほどだそうで、モンゴル国営であるモンゴル航空のエアバス機は日本人、モンゴル人含めてなかなかの盛況ぶりである。

PM11:30、肌寒いモンゴルの地に降り立つ。はるばる来たぜ、モンゴル。

空港でガイド兼ドライバーのガンナ、通訳のアムガランが出迎えてくれる。

9/13日

ウランバートル市内のホテルで一泊する。

時差がほとんど無いため、朝早くからでも十分に動くことが出来るのは大変助かる。

今回の旅程で旅を共にする、もう一人のドライバー、エルカとコックのナランともここで初めて顔を合わせる。

モンゴルの地をそれなりに長く旅するに欠かせないのが現地のガイドとドライバー、コックに、通訳。

ガイドはガンナ。我々外国人がこの国で釣りをするにあたって、地元のガイドを付けるのは義務に近いものであり、よってこのガイドの優秀さ、熱心さがそのまま釣果を左右しかねない。ガンナ、釣果の責任の半分は貴方にかかっているのだよ、と声に出さずもしっかりと眼で訴えておくのが肝心である。

コックはナラン。現地の大草原や山中には商店など無いに等しく、ウランバートルや地方都市で食料を買い込みながら現地の乏しい火力で2週間の長きにわたり、計10名に飽きの来ない料理を作り続け、予想される厳しい釣行に耐えられるだけの体力を維持するためにはコックの存在も絶対不可欠なのである。

 

通訳はアムガラン。言うまでもなく、通訳抜きではほとんど何も前に進まない。英語が通じるのはほんの一握りの人々だけ、モンゴル語と日本語の直通訳の必要性は語るまでも無いだろう。釣りの専門用語が飛び交うだけに、かなり大変でしんどい作業を強いられることと思われる。

ドライバー。ガンナともう一人はエルカ。広大なモンゴル、釣りの目的地まで4輪駆動車でほぼ丸二日、途中で一泊を要する長距離ドライブなのである。加え、モンゴルの大草原を駆るにそのほとんどが全くのオフロード。この悪路はなかなかのものと聞いていたが、のちに実際にそれを体験し、優秀なドライバーの必要性をこれもまた痛く実感するのであった。なにせ運転のテクニックだけでなく整備士並みのメカニック知識も要求されるのだから・・・

多少無愛想であるが、これはどうやら多くのモンゴル人に共通する彼ら独特の照れが多分に含まれているらしいと、後でわかる。

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・朝のウランバートル市街。この街のカオスについては後述することとする。

人口はなんと130万人。計算上、モンゴルの人口の半分がこの都市に集中していることになる。ただし見渡す限り、どこに130万人もの人々が住んでいるのか判別しかねる。規模としてもそれほど大きな都市では無いと思うのだが。

旅を共にするメンバーとの挨拶もそこそこに、三菱のデリカ x2台に荷物を積み込みいざ、モンゴルの大草原に出発だ。

車で30分も走ると建物、雑多な看板、忙しく歩き回る人々、カオス状態の車の列、途切れないクラクションの音などすっかりどこへやら。

目の前にはただただ無限に広がると思われる大草原。

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・モンゴルの大草原。首都から車で2時間でこの光景。中央にポツンと白く見えるのが、モンゴル遊牧民の移動式住居、ゲル。

丘の上から四方を見渡す限り、東京都でもすっぽりと入ってしまいそうな広大な土地にこのゲルがポツンと一つ。人の住処らしきものは、たったそれだけ。

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・雲が地上に影を落とす。流れ行くそのままに、こう映る。

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・道端のガソリンスタンド。給油しつつ、先を急ぐ。給油タンク車はロシア製。

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・夜になって、ゲルの立ち並ぶツーリストキャンプに到着する。他にテント泊以外、宿泊施設の無いモンゴルの草原地帯においてこのツーリストキャンプは有難い以外、何物でもない。

今日は10時間ほどかけて400kmは走っただろうか。なにせ悪路、プロのドライバーをもってしてもこれが精一杯なのだろう。

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・ゲルの内部はこんな風。組み立て式の木枠の上からフェルト生地を被せる。隅にベッドを置き、中央には薪ストーブ。煙突はそのままゲルの天井から突き出る格好だ。

床がフローリングなのはツーリストキャンプだから。本物は大地の上に薄いシートを引いただけ。草もむき出しなのだ。

ストーブの燃料も、ここでは薪であるのは彼らの心使いの表れである。

本来、遊牧民たちは自分たちの飼っている馬だか牛のフンの、よく乾燥したものを選んで集め燃料としている。新鮮な草しか食べていないため、特に匂いも無く慣れてしまえば一向に不潔感は無い。乾燥してしまえばほとんど草の塊りのため、よく燃える。しかも薪よりはるかに長持ちする。大変に経済的で、かつ自然にもやさしい。

ここのツーリストキャンプは温泉が売り。モンゴルは温泉があちこちで湧いていると聞いていたが、早速入れるとは嬉しい。入浴は出来る時に済ませておかないと、何日間も入れないのだと、これも後で実感することとなる。

 

とにもかくにも、思えば遠くまで来たものだ。


モンゴル紀行~前書き

2007年09月25日 | モンゴル紀行(2007年9月~)

近年まで社会主義国だったせいもあり、近くて遠い国の一つだったモンゴル。

モンゴルと聞けば、誰しもが真っ先に思い描くであろうは大草原。

その国土は日本の4倍ほどと広大であるにもかかわらず、人口は僅か260万人ほど。

古来より遊牧を生活の拠り所とし、一説では人口の10倍もの家畜がいると言われ馬、ヤギ、羊、牛、ヤク、ラクダが主に人々と生活を共にしている。

資本主義経済へと移行した現代モンゴルにおいても、多くの人々が基本的にその歴史そのままの生活を送り、ウランバートルなど都会に住む人々も大草原での生活を完全に忘れ去ることは決して無いと聞く。

過去には大騎馬軍隊をもって隣国に押し入りその土地を占領、チンギス・ハーンの‘元‘のようにかつて世界に例の無い巨大帝国を築き上げた歴史は良く知られているところ。

この大草原の国、モンゴルにも北方を中心に大きな河川がとうとうと流れ、そこには我が国では幻と言われて久しいイトウ(ロシア語でタイメン)が生息、モンゴル人は魚をとって食べる習慣が無いためか、現代でも巨大なサイズのタイメンが狙える世界でも有数の土地だということは実はあまり知られていない。

わずかに故・開高 健の名著、‘オーパ!モンゴル編‘でかの巨匠がこの地の巨大タイメンにチャレンジしたことが一部釣り人に認知されている程度であろうか。

 

遡ること今年の春。

僕の親父の学生時代の釣り部仲間の皆さんから声をかけて頂き、今回遠征メンバーの一員に加えて頂いたのが話の始まり。ベテランの皆さんに交じって若輩者が一人、という訳である。

計6人で巨大タイメンを狙う。ひたすらそれが目的ではあるが、日程の許す限りモンゴルの生活をよくよく見、体験することが望ましい。

うち3人は去年も一昨年も同じくモンゴルで巨大タイメンを狙って遠征しているが未だその基準となるメーターオーバーは、ゼロ。

さらに言うとこの2年、延べ人数20人ほどで毎年10日間ほど攻めに攻めたのだがメーターオーバーはゼロだった、とのこと。

さらにさらに言うのならば、このメンバーのかなりの人数が過去にサハリンなどでも巨大タイメンを追い求めたがメーターオーバーは残念ながら皆無なのである。

自分自身、北海道、サハリンなどで過去10年越しでこの魚を狙ってきたが未だメーター越えは果たせずにいるのがいつわらざる現状だ。

それほど、どこの国でも巨大タイメンは難しい。モンゴルもまたしかり。話を聞けば聞くほどに、釣行を重ねれば重ねるほどに、そこまでの道のりは長く、困難なのが理解できてくる。

それでも、小学生の頃から愛読していた‘オーパ!‘のあの国、あの川に行ける。そして釣りが出来る!

行くと決まった以上、出来るだけデカイやつを狙ってみたい。

タイメン以外にもやはり巨大に育つ事が知られるパイク、日本には生息しないレノックなども良いターゲットになることであろう。

日程は9/12~、2週間と決まる。

限られた日数の中、果たして自分にやれるのか?!

旅人の夢は、今回もまた夢のままに終わるのであろうか。

釣りの神様が、チラリとでもこちらを振り返ってくれるのならば・・・自分自身に賭けてみようじゃないか。


シーバスの釣果写真を頂きました。

2007年09月11日 | インポート

タレックスなどの偏光サングラスのプロショップとしてすっかりおなじみ、`宅配のメガネ屋さん‘(TKMG)のザラおやじさんからシーバスの釣果写真が届きました。

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・ 昨日、明石大橋の下で釣りました。
75センチのものすごく綺麗なシーバスです。

でかいカンパチとチヌもかけましたがばらしました。
ザンマイ、大活躍でしたよ!

ルアーはファット85type2のようですね?

当日は良い釣りだったそうで、うらやましいです。芦ノ湖だけでなく、シーバスでも活躍させて下さり有難うございます。

明後日からのモンゴル遠征ではTKMGで作って頂いた偏光サングラスをいくつも持って行きます。偏光が大きな武器になって、きっと僕を助けてくれることでしょう。

渓流、湖、エリア、ソルトを問わず、僕はザラおやじさんの製作する偏光サングラスを長い間愛用しています。偏光ってなかなか微妙なものですからね、釣りをちゃんと知っている方に製作して頂かないといざ!という時に差が出ます。

良い偏光をお考えの方、一度上記のHPからザラおやじさんに相談してみて下さい。


モンゴル用ウェポン、完成!

2007年09月10日 | インポート

モンゴル遠征でのタイメン、レノック、パイク用ルアーが完成しました。

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・まずは対大物の定番?大型ジョイントミノーx3(アルミ・オーロラ仕上げ)

上から15cmジョイント、15cmスリムジョイント、10cmジョイント。フックはソルト用の#1~4までを使い分け。タイメンは現地では、魚はもちろんですが、ネズミの類を相当に多く捕食しているらしいので、そのあたりを心掛けないと良い釣りは難しいようです。

夜行性のタイメン。大物はやはり、夜。出来る限り昼間の釣りで勝負しますが、難しいようならナイトで表層をこういった大型ルアーでバタバタ・・・と引いてみようかな、と。

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・ミノー達。

上から15cmベンド、オーロラ仕上げ。体高もあってフラットボディー、さらにベンド!強烈なフラッシング、凄い動きをします。流れ込みなどで一発狙い。

真中は15cmスリム、手割りシェル(ヒメ)。一番下が13cm手割りシェル(金黒)。場所を問わない定番サイズ、モデル。

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・ファットももちろん!一番上が85type2、手割りシェル(金黒)。

中が85ファットMD(サビヤマメ)、下も85ファットMD(金黒)。

メインとなるチョロート川はガンガンの太い流れ。ファットで突っ込みます。

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・こちらもファットの12cm。飛距離が欲しい時はコレ。北海道でもイトウに活躍してくれました。全部アルミの上にオーロラで仕上げで。

昨日、タイミング良く?BSで‘開高 健スペシャル・モンゴル編‘をやっていましたね。ご覧になった方もいらっしゃるかと。

出発までカウントダウン。急いで荷造りに取り掛からなくてはなりません。

一発の夢を見てきますね。


10月、11月イベントのご紹介

2007年09月04日 | インポート

そろそろエリアのシーズンインですね。近年盛り上がりを見せるイベントのシーズンでもあり、ZANMAIも今秋は下記の通り2つのイベントに参加致します。

* トラウトフェスタ2007‘ 秋 

10/18(木)
場所:フィッシュオン!王禅寺(貸切り)
時間:9.00~17.00 雨天決行、荒天中止
入場無料。

毎年恒例、サンスイさん主催のトラウトフェスタへ今年も参加致します。例年通り、JUN MINNOWさんとブースを出しますので、宜しくお願い致します。
タックル持ち込みは禁止ですが、皆様に各ルアーをお試し頂けるようにZANMAIでも出来るだけタックルをご用意致します。

様々なルアーを展示即売させて頂く予定でおります。
平日開催ですが、年々盛り上がりを見せるトラウトフェスタ。
モンゴル話も交え、皆さんとお話出来るチャンスと思っています。

*(仮)関東トラウトカーニバル

日時:11/3(祝・文化の日) 9:00~16:00
会場 川越水上公園 入場無料(貸切)

ご存じ、プロショップ・オオツカさん主催のトラウトイベントに参加致します。

当日はお手持ちのリールのみ、会場に持ち込めるそうです。
その他、ロッドなどはこちらでご用意致します。

ルアーの展示即売以外にも、様々に楽しい企画があるようですよ。
祝日開催の貴重なイベントです。平日はどうしても都合が・・・という方は多いと思います。

この機会に直接お会いし、お話が出来たら!と思っています。どうぞ宜しくお願い致します。


モンゴルの魚~タイメン

2007年09月03日 | インポート

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そして言わずもがな、主となるターゲットはタイメン。

サケ目サケ科イトウ属、タイメンとはロシア語でイトウを指します。

このタイメン、世界には数種類が生息するといわれています。

一般的に言って、

・日本の北海道、ロシアの沿海州やサハリンに生息するものがHucho Perryi。

・ロシア全土、モンゴルなどに生息するものをHucho Timen。(タイメン)

・中国の山奥、長江上流などに生息するものをHucho Breekery。(虎魚)

・中国と北朝鮮国境付近、鴨緑江などに少数生息するものをHucho Ishikawai。(高麗イトウ)

・ドナウ川上流域に生息するものをHucho Hucho。(フューヘン)

と呼ぶそうです。

この中でサハリンと北海道のイトウはほぼ同種、共に釣りの経験もありますがモンゴルのタイメンは少々雰囲気が違うとのこと。

より、頭が扁平していて黒点も大きいらしい。

近年、モンゴルでもその生息数が減少しているタイメン。我々のような日数の限られた旅人にとって、メーターオーバーの可能性は正直言って高くありません。

今回ご一緒させて頂くメンバーの皆さんも2年連続で、全員がいまだメーター無しとのこと。

崖が連続する川なのでポイントも限られます。どこへでも釣り放題と言う訳にはいかないようです。プラス夜行性のタイメンですが極力、夜釣りは避けて日中の釣りで勝負したいもの。

果たして顔を見ることが出来るのでしょうか・・?