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北海道遠征2008春~その3

2008年05月27日 | 北海道遠征 08年5月

皆様、こんばんは。

北海道釣行もいよいよ最終日。

ここまでアメマス、サクラはコンスタントにキャッチしてきたすぎさんですが、イトウは初っ端の痛恨のバラシ以来、縁の無い日々が続く。

いくら北海道のベストシーズンとは言え、やはりそこは幻の魚、イトウ。釣れるタイミングでしっかり釣っておかないと後々に響くと痛感させられる。

ここまで連日朝早くから日暮れまで時には藪をこぎ、雪代の入る冷たい湖に連日腰まで浸かりつつ、可能な限りキャストを繰り返す。

相当に疲労が溜まっているご様子、大変な健脚振りを見せつけてくれたすぎさんですが、さすがに前夜、顔を突き合わせ相談するうちにこう仰る。

‘‘色々あったがもう充分に楽しかった。これ以上は無理かな?‘‘

‘・・・・・・‘

何とも返答に窮す。ここまで頑張ったのだから、出来る事なら最終日まで一緒に頑張り抜きたい。もちろん無理は禁物なのは言うまでもないが。

一晩ゆっくり休みましょう。そして明日の朝、起きた時の具合で再考しましょう。

こう申し上げるにとどめる。数年前にエリアのイトウを釣り上げてからすっかりこの魚に魅了され、そのうちにぜひネイティブで!

そう仰り続けていたすぎさん。

皆でなんとかしたい。                                         

                                                           

5日目(最終日)

早朝3時半には起床しすぎさんにご様子を伺うと、なんとかやれそう、そう仰って頂く。

早くから島に渡り、今日もミノーを投げ続けるすぎさん。

我々に出来ること。

可能な限りピンスポットなエリア。ルアーの取捨選択、誘い方。

お伝え出来ることを伝えてしまえばあとはご本人の問題、冷たいようだがこれが釣りである。

フィールドは誰にでも平等である以上、より正しい選択をし、より粘り抜いた者にはそれなりの結果をもたらすものだ。

昨日もそうしたように背中を見つめ、時に祈る。

数時間が経過、アタリは無い。

ダメなのか?一旦休憩を、とすぎさん。岸に上がり、飲み物を口にする。

少し前から落ち始めた雨が強くなる、春とはいえ北国の雨は冷たく、影にまで滲みてくるようだ。

と、その時、比較的近くで釣っていたフライの仲間に待望のイトウがヒット。一緒に駆け寄る。

美しい魚だ。少し銀毛しているように見える。

これを見たすぎさん、眼に再び光が宿ったか。

‘もう一度、行ってくるよ‘

こう言い残し、昨日いそたろうさんが見事一匹目をキャッチしたポイントへと再び湖水を進む。僕らにとって唯一といっても良い、希望を託せる最後のポイントなのだ。ここが沈黙となるとあとは偶然に頼る以外、他が無い。                                     

                                                         

数分後。

アワセを入れるすぎさんの姿が目に飛び込む。

食った?!

すぎさんが何か叫んだのと僕が何かを口走ったのはほぼ同時か。

048

・すぎさんがついにやった!

夢に見た?イトウ。決して大きくはないが、それが何だというのか。

Ca29b05t_2

・ネットイン、その瞬間。やった、やった!

Cax6oqm2_2

・しっかりと、確実にリリース。ことこの釣りにおいては、釣る技術よりもリリースの知識の方が大事、そう言えないだろうか。どんなに気を配ったとしても、魚を針に掛けるのが釣り。我々釣り人はそんな十字架を背負い続けるのだ。だからこそ、釣り人には義務としてやるべきことがあるのではなかろうか。針に掛ける前にも、掛けた後にも、と肝に銘じたい。

リリースも無事に済み、握手、抱擁。また握手。

いそさんがうわ言のように繰り返す、すぎさんおめでとう、すぎさん凄いよ・・・

すぎさんのいつもの素晴らしい笑顔を見ていたら、どうにも目頭が熱くなったのを思い出す。

本当に良かった、すぎさんおめでとうございました。

サイズは、また。いつの日かに。

物語は続くのである。

052

・これはすでにオマケですね、いそさんが今釣行で3本目のイトウとやり取りする。すでにやり取りにも余裕が?

終了30分前の出来事、どうやら最後にきてこの湖との呼吸がピッタリあって来たご様子。

Ca5oac4t_2

・最終日の魚は5割増!

次回はこの素晴らしい釣果に加えてスマイルもお願いしますね(笑)。13スリム、アルミアワビ・グリーンゴールドでした。最後にGGサーティーンでキャッチとは、キマッてますねぇ!

ちなみにすぎさんの一本は、11.5cmMD、アルミアワビ・金黒でした。

                     ・

                     ・

最後に。

色々とあった今釣行でしたが、最後の最後に皆がイトウの顔を見る事が出来ました。

これもひとえにこの湖を一生懸命管理して下さっているNさんをはじめとする漁業組合の皆さん、そしてこの湖を愛する地元の皆さんのお陰であります。

この湖も10数年前には本当にひどい状況で、イトウも絶滅寸前にまで陥ったとのこと。これをNさんらが発眼卵や産卵床となる流入河川の管理、釣り人への啓蒙活動を経て、ここまで回復させたのだと聞かされました。

こういった方々の努力のお陰で僕らは釣りが出来る。釣った魚、ではなく釣らせて頂いた魚、なのです。忘れてはいけませんね。

そして旅をご一緒させて頂いた皆様、有難うございました。

この湖でお会いし色々お話して下さった皆様、本当に有難うございました。

またの良き日にご一緒出来ますように。


北海道遠征・2008春~その2

2008年05月25日 | 北海道遠征 08年5月

皆様、おはようございます。続編のアップが遅くなり、大変申し訳ありません。

さて。

3日目です。

この日も朝から湖全体に靄が立ち込め、島渡しがかないません。待機の時間がとても長く感じられます。

結局渡船できたのはすでにam9:00頃、良い時間をまたも逃してしまいました。加え、無風べた凪と釣りにはまったくの悪条件。

皆、最後までよくキャストし続けましたが残念、この日はタイムアップ。イトウはノーキャッチ。

この日途中までまったくノーバイトだったいそさんいわく。

‘ウグイでもいいから魚が釣りたい‘

・・・皆で爆笑。ウグイで良いんですか?でも本音ですよね。

その後にサクラをキャッチし溜飲を下げた様子でした。                          

4日目。

前夜、いま一つの釣果に我々ルアー部隊の中でもこの日の釣りについて意見が紛糾しました。

結論として少しは様子がわかってきたこの島で最後まで粘り抜いてみよう、と決まります。

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・いそたろうさんが釣る。

この日こそ思いを叶えようと、キャストを繰り返します。

8:00頃から各々思うポイントに点在し釣るもなかなか良い魚からの魚信は皆無。

ですがこの日は朝から良い風が吹き、眼前にいくらか湖流を作り出してくれています。

残り時間も少なくなってきたこの日に釣らなくては。いそたろうさん、すぎさん共に結果が欲しいところです。

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・すぎさんがたち込む。それにしても良い風景だなあ。

そよそよとですが風は吹き続けています。

この日、僕は諸事情でほとんど釣りをしませんでしたが、好条件に見えながらなかなかチャンスが無い様子にまだ僕らが初日から全く釣っていなかったエリアへと、ロッド一本だけ持って様子見に出掛ける。

出来ればピンポイントで絞り込みたい。

そう思いつついくらかキャストしつつ移動すると、とあるポイントでイトウのチェイス。ん・・!

5分後、12cmファットに70cmクラスがヒット。これでいくらか確信が持てました。

湖流・風・ブレイクの位置関係、付き場と回遊コースの予想をある程度、無理にでもまとめてみる。

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・いそたろうさんに待望のヒット!

このポイントで一投目にチェイス、残念、これはうまくヒットせずも粘って約1時間後についに待望のイトウをお見事、ランディングに成功。

緊張していてカメラを見るどころではなかったようです。わかります・・

Camz959p

・72cmの本当にきれいな、銀ピカのイトウでした。やはり12cmファットのジャーキングにヒットしました。ちなみにこの12cmはリップが金属仕様のサンプルバージョンで、何年も前に制作したもの。

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・大きなネットを用意した甲斐がありましたね。

いそたろうさん、写真撮影もそこそこに ‘早くリリースしてあげたいから‘ と、すぐにリリース。

嬉しい嬉しいファーストフィッシュだというのにこの姿勢、思いやりの気持ち。さすがです、立派です。いそたろうさんに勉強させて頂きました。有難うございます。

もう3人ともに嬉しくて、岸辺で大人3人が抱き合って、もちろん握手、握手。いそたろうさん、少し震えていました。体も、声も。

いそたろうさん、本当におめでとうございました。メモリアル・ワンに立ち会う事が出来、僕もすぎさんも本当に光栄です。    

                                                          

Cazl0ode

・いそさん、一本釣ったら堰を切ったようにもう一本追加!

先ほどとは別ポイントでした、お見事ですねえ。

13cmストレート・アルミアワビ ヤマメピンクヘッド でしたね。                        

                                                          

すぎさんもいそさんの魚を見、再度意を決したよう、再び冷たい北の湖へと立ち込んでいきます。

頑張って・・すぎさん・・

その背中を見つめ、いそたろうさんと共に祈ります。

1時間経過・・2時間経過・・・

けれども、すぎさんのイトウへの思いは通じず、この日はノーチャンスに終わりました。最年長のすぎさん。この冷たい湖水は僕でも長時間のウェーディングは辛く、この一点だけをとって見てもすぎさんの頑張りが一緒に釣りをしている僕らには痛いほど伝わる。

こんな日は、その後もポンッ!と釣れて皆で万歳、万歳ということもよくあるし、そんな予感がしたのですが、残念。

明日の昼までがラストチャンス。もう少し頑張りましょう・・。

             


北海道遠征・2008年春~その1

2008年05月22日 | 北海道遠征 08年5月

皆様、こんばんは。

北海道へと5日間の遠征に出掛け、昨晩戻りました。

毎年恒例の北国遠征、今年はフライチーム3名、ルアーチーム4名、計7名での釣行。

本命は湖のイトウ、その他アメマス。

休みを必死に確保し、お小遣いをやり繰りし遠征に臨む我々に、はたして北国のトラウト達は微笑んでくれるのでしょうか。

初日、北海道某湖着。

僕は一年振りのこの湖、早速様子を伺うとここ2.3日はどうも様子が思わしくないとのこと。

旅の疲れも釣りで癒せ、とばかり荷物を解くのももどかしくまずはめぼしいおかっぱりポイントへ。

夕暮までキャストするが、誰にも、トラウトからの魚信は皆無。ま、こんなものでしょう。

2日目。

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・早朝5時、期待に胸一杯の我々。タックル自慢かな?

去年は後ろに見えるローボートでこの湖を満喫しましたが、今年は装備の関係で渡船しての岸釣りがメイン。

渡船の出航を待ちますが、ご覧の通り霧ともモヤともつかぬ何かに湖はすっぽりと覆われ、大事な早朝を無意味に・・

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・いえいえ、ただ無意味にこのプライムタイムを過ごす筈も無く(笑)、船着き場脇で全員がキャスト。

まず北国のファーストトラウトをキャッチしたのは、今回参加メンバー最年長のすぎさん。大きくはありませんが綺麗なアメマス、85type1・アルミアワビ金黒でした。

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・数時間後。霧もすっかり消え、目的の島からこの湖を眺める、いかがですか?素敵でしょう。ちなみに対岸に見えるのも別の島です。

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・岸辺で倒木を椅子代りに、ラインシステムを組むのに余念が無いすぎさん。狙いはOOクラスの大物、システムは念入りに。

と、別ポイントでSさんが早くもイトウをキャッチ。78cmとのこと、朝一番にシャローにベイトを追って入り込んでいた個体が残っていたのでしょうか。

霧が引き、凪で皆が苦戦する中ベテランのSさん、さすがにお見事です。(写真が無くてごめんなさい、今度頂いておきます)

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・次いで僕のファット85をアメマスがひったくる。ブリブリの素晴らしい魚体、50cm近くはあります。

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・すぎさんが立て続けにサクラマスをキャッチ。ミノーを投げていると時折アタックしてきますがこの時期は禁漁のサクラマス。素早いリリースを心掛けたいですね。

ファット85MDにアタックしてきたようです。

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・朝からノーバイトのいそたろうさん。大きなネットが事前の期待の大きさを、それをしょい込む背中はこの釣りの現実の厳しさを物語っているかのよう。イトウ狙いは根気が何よりも大切。

午後になると天候が急変。この広大な湖に雲が出、風が吹き始めます。これを待ちわびていました、またとないチャンス到来に誰しも無心に、いや大物への邪心一杯でキャストを繰り返す。

少し沖合のブレイクに潜んでいると思われるイトウ。警戒心が強い魚のため大物と出会うためには天候など、いくらかの条件が必要となります。

Ca2xdmke_2

・ドン!と出ましたよ。

茶色の水は岸寄りの巻き返し。この強風による巻き返しに揉まれたワカサギを、ブルーに見える通常の湖水との境目あたりで待ち伏せていた個体でしょうか。ワカサギだけでなく、それを狙うウグイ、アメマスも同じくターゲットとしていると予測できます。

滅多に出番の無いスケールをあてると92cmと出る。この魚、素直に嬉しい。この湖での90オーバーはそれなりに価値があると理解しているから。遠征組の我々にとっては尚更です。

大きな個体のため、あえてランディングネットは使用しませんでした。ここの漁協のNさんから、以前に教えて頂いたリリース方法に出来る限り沿うよう、湖水からも極力上げずに、写真だけ何枚か撮らせてもらい、極力早く、丁寧にリリース。

ちなみにこの湖では産卵はすでに終了しています、婚姻色がまだうっすらと残る個体でした。

はるばる、出会いにやって来た甲斐があった。

 

ルアーはZANMAI 12cmファットでした。向かいの強風が吹き始めた時点で迷わずこれをチョイス。このルアーは向かい風に強く、波にもまれてもしっかりと泳ぎアピールが出来、少し大きめのベイトを追っている大物に大変実績があるからです。

このような条件の時はぜひ、お試し下さい。

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・北国の湖に雷が落ちる。ご覧になれますか?

その後天候はさらに悪化。雷雨のため釣りを中断。雷雨後に期待しましたがノーバイトでした。

実は荒れる前、すぎさんにそこそこサイズと思われるイトウがヒット、足もとまで寄せながら無念のフックアウト。

釣れる時に釣っておかないと、、、のちの苦労を予感させるバラシでした、残念。

結局、この日は全員で2匹のイトウの顔を見る事が出来ました。                                         

この日、イトウには出会えなかった仲間が明日以降、中でも北海道初チャレンジのすぎさん、いそたろうさんからはネイティブのイトウへの思いを散々伺って来ただけに、皆、どうか幸運に恵まれますように。

まずは早いうちに顔を見れて本当に良かった。

顔を見れれば余裕も生まれ、現場ではサポートに徹する時間も増やせるでしょうから。

*参考までにタックルデータ

7~8fクラスのロッド

3000番クラスにPE0.8号~1.5号。ナイロンショックリーダー25~35lbを2mほど。

使用したルアー ZANMAI 12cmファット、85ファット、11.5cmMD、13cm~15cmミノー。

(フックはサイズアップさせたり、太軸に変更し、必ずバーブレスで使用しました)