近年まで社会主義国だったせいもあり、近くて遠い国の一つだったモンゴル。
モンゴルと聞けば、誰しもが真っ先に思い描くであろうは大草原。
その国土は日本の4倍ほどと広大であるにもかかわらず、人口は僅か260万人ほど。
古来より遊牧を生活の拠り所とし、一説では人口の10倍もの家畜がいると言われ馬、ヤギ、羊、牛、ヤク、ラクダが主に人々と生活を共にしている。
資本主義経済へと移行した現代モンゴルにおいても、多くの人々が基本的にその歴史そのままの生活を送り、ウランバートルなど都会に住む人々も大草原での生活を完全に忘れ去ることは決して無いと聞く。
過去には大騎馬軍隊をもって隣国に押し入りその土地を占領、チンギス・ハーンの‘元‘のようにかつて世界に例の無い巨大帝国を築き上げた歴史は良く知られているところ。
この大草原の国、モンゴルにも北方を中心に大きな河川がとうとうと流れ、そこには我が国では幻と言われて久しいイトウ(ロシア語でタイメン)が生息、モンゴル人は魚をとって食べる習慣が無いためか、現代でも巨大なサイズのタイメンが狙える世界でも有数の土地だということは実はあまり知られていない。
わずかに故・開高 健の名著、‘オーパ!モンゴル編‘でかの巨匠がこの地の巨大タイメンにチャレンジしたことが一部釣り人に認知されている程度であろうか。
遡ること今年の春。
僕の親父の学生時代の釣り部仲間の皆さんから声をかけて頂き、今回遠征メンバーの一員に加えて頂いたのが話の始まり。ベテランの皆さんに交じって若輩者が一人、という訳である。
計6人で巨大タイメンを狙う。ひたすらそれが目的ではあるが、日程の許す限りモンゴルの生活をよくよく見、体験することが望ましい。
うち3人は去年も一昨年も同じくモンゴルで巨大タイメンを狙って遠征しているが未だその基準となるメーターオーバーは、ゼロ。
さらに言うとこの2年、延べ人数20人ほどで毎年10日間ほど攻めに攻めたのだがメーターオーバーはゼロだった、とのこと。
さらにさらに言うのならば、このメンバーのかなりの人数が過去にサハリンなどでも巨大タイメンを追い求めたがメーターオーバーは残念ながら皆無なのである。
自分自身、北海道、サハリンなどで過去10年越しでこの魚を狙ってきたが未だメーター越えは果たせずにいるのがいつわらざる現状だ。
それほど、どこの国でも巨大タイメンは難しい。モンゴルもまたしかり。話を聞けば聞くほどに、釣行を重ねれば重ねるほどに、そこまでの道のりは長く、困難なのが理解できてくる。
それでも、小学生の頃から愛読していた‘オーパ!‘のあの国、あの川に行ける。そして釣りが出来る!
行くと決まった以上、出来るだけデカイやつを狙ってみたい。
タイメン以外にもやはり巨大に育つ事が知られるパイク、日本には生息しないレノックなども良いターゲットになることであろう。
日程は9/12~、2週間と決まる。
限られた日数の中、果たして自分にやれるのか?!
旅人の夢は、今回もまた夢のままに終わるのであろうか。
釣りの神様が、チラリとでもこちらを振り返ってくれるのならば・・・自分自身に賭けてみようじゃないか。