そもそもは私の単独で始まった、北国の湖釣行。
年を追うごとにこの遠征で夢を追うアングラーが一人、また一人と増え、今年は五名で北国のビッグワンに挑むこととなった。
湖畔のロッジを一週間借り切るのだ。
皆それぞれに無理もして仕事、家庭etc、背負う事情にケリを付け、この日々を心待ちにしていたことは申し上げるまでも無く、その心情を思うとなんとか旅中に一人一本ずつでも、北の湖の王者との対面を果たせやしないものだろうか。
そんな思いで釣具一式を愛車に詰め込み、共に彼の地へと向かうフェリーに潜り込んだのである。
夢の舞台となる、私の大好きなこの北国の湖。
複雑に入り組み、ここから望めるのは広大な湖の一部でしかない。
三日目
前夜は夢の舞台到着を祝って、皆で乾杯した。ある者はフェリーで、ある者は飛行機で、今年もここへ集えたのだ。盃も進む。
それでも北国の朝は早く、早朝3時半ともなると周囲は薄明に包まれ始めるから、うかうか寝てもいられない。
支度を終え、渡船のため船着き場へ顔を出す。漁協や渡船の関係者、皆、懐かしい顔ばかりだ。
毎年ここで顔を合わせ、顔見知りとなった地元アングラーとも一年振りの挨拶を笑顔で交わす。
‘また来たね‘
‘今年もどうぞよろしく‘
ロコアングラーが教えてくれる。
‘今年はとにかく水が多いよ。超満水で入れるポイントが限られるから、そのあたりの見極めが難しいね‘ と。
毎週のようにこの湖に通い、旬な情報を持つ彼らだが、ここに遠征をし遊ばせてもらう我々としては、ロコアングラーと胸襟を開いてこのような交流を持てるのは大変嬉しく、そして有難い。
フィールドも、人も、そしてトラウト達とすべてが素敵だから、毎年やり繰りをしてここへ通うのだ。
今年も来て良かった。まだ竿も出していないのに、そう思う。
そして北国の湖は、我々に優しかった。
初日からコンスタントに釣れた。
memphisbelleさんがキャッチした、74cm(上写真)と72cm(中写真)、そしてサクラマス(下写真)。
memphisbelleさんは昨年もここで五日間をやり通し、王者には出会えずじまいだったというのに、今年はキャストを始めて三十分ほどで念願の、二年越しの対面を果たした。
ザザギさんも王者との初対面を果たす。
62cmはほぼレギュラーサイズか。それでも嬉しい、メモリアルワンであったことは想像に容易い。
いくらか緊張の色を残すも弾む声、こぼれる笑顔。
そしてすぎさんが。
過去二度の遠征では50cm弱のみだったのが、今回はそれを大幅に上回る85cmを。
良い風が出、湖岸を群泳するワカサギが波に揉まれ漂うところを思惑通り、狙ったルアーで見事にキャッチ。
全員が後ろで見守る中、簡単には寄ってこない王者を丁寧に、慎重に。
握手と抱擁、すぎさんの嬉しい自己記録。
無事なリリースを見届けつつ、何かを呟くすぎさん。
‘ありがとう‘
だったかな。
その後、夕刻まで粘るけんぢさんが中型を掛ける。
しかしドラグが緩いのか、上手く寄せられない。私も上手くネットインさせられず、足元で何度も走られついにフックアウト。
もっと強引にでもネットに入れるべきだっただろうか?・・と薄暮の湖岸で痛恨の念にかられるが、覆水は盆に返らず、空のネットがただただ寂しい。
ごめん、と私。
初日から顔を見れただけでも。彼は笑顔で一言、そう言ってくれた。
初日、様子見のつもりがこの好結果。
すでに産卵行動を済ませ、湖に戻ってきた王者たちは腹を空かせている。
どうやら我々は、ベストの時期に湖岸に立っているらしい。
なんとも幸運なスタートだ。
*この日のデータ(フックは必ずバーブレスで。もちろんオールリリース)
・memphisbelleさん
74cm ファット85type2・アルミアワビ/ピンクバックゴールドヤマメ
72cm ファット120/純銀箔・オレンジゴールドヤマメ
・ザザギさん
62cm ファット70Type2/ワカサギ
・すぎさん
85cm ファット120/ベイト
・けんぢさん
65cmぐらい(バラシ) 115スリム/アワビピンクベース チャートバック
こんにちは。
本当に今回の旅は良かった!
初めてのイトウ釣りで幸運にも、初日に手にする事が出来ましたが、皆さんのデータ蓄積があったからだと思っています。有難う!いそたろうさん(笑)
サイズの大小を感じさせない風格はまさに北の王者でしたね。
来年は二泊三日でも行きますよ(笑)
こんにちは。
そう言って頂けて、なんだかホッとしています。
大小ではない、特別な魚ですからね。
出会えただけで、感謝感謝。
来年は弾丸ですか!
>>彼は笑顔で一言、そう言ってくれた。
こだいらさんの文章だとカッコいいなぁ、私(笑)
どこまで男前になるのか、楽しみに続きを待っています。
遠征中は何かとお世話になりました。
早速のアップありがとうございます。
そ~なんです。一回目の遠征で、最終日小型ながらネイチュアのイトウをゲット、昨年は残念・・・で今年初日に85Cm
皆さんからお祝いの握手と抱擁最高でしたよ。
あの初対面は昨年苦労しただけに半信半疑でした。
まるで夢でも見ているかの様で。
そしてお世話になった地元の人達には本当に感謝です。
この場を借りて...ありがとうございました。
やっぱり無理してでも行きたかった(泣)
でも、嫌われ者が行かなかったからの好釣果・・・
う~ん複雑な気持ち・・・・・
顔写真が無いのはもしかして・・うれし泣きでもしてるのかな(笑)
それ位の感動があったのを今思い出しました。
続編が楽しみです。
こんにちは。
男前に書き過ぎたようで、同行者からクレームが来ないように気をつけます(笑)
こんにちは。
良いサカナも、一人ぼっちじゃつまらないですものね。
やはり祝ってくれる仲間がいてナンボですね。
こんにちは。
夢だったんですよ!
そろそろ覚めましょう(笑)
地元の方々の努力があってのフィールドです。
忘れてはいけませんね。
私のレポートでは、トラウトを主役としてみました。
頂いたレポート内では、そのアングラーが主役なので、笑顔も登場させて頂こうと思っていますよ。