猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

眠れる美女  【前編】

2005年06月02日 21時59分54秒 | ガーデニング
昔々...。
あるところにerimaというバラ栽培初心者がおりました。
ズボラで乱暴者、何をやってもダメなerima。ですが、そんなerimaにもたったひとつだけ続けていることがありました。それは、何年か前、ゴンザという若者と出会ったのを機に始めたガーデニングと呼ばれるもの。毎日水をやり、美しい葉や花を眺めるその喜び。それは怠け者のerimaをも虜にしたからです。
「この子は馬鹿ではなかろうか?」
昔からそう心配していたerimaの母も、erimaが一生懸命草花を育てているという噂を耳にして大いに喜びました。そして、erimaに2つのバラを与えることを思いついたのです。

そのバラたちは1つを「アトール99」といい、もう1つを「ペルディータ」といいました。
アトール99はクライミングローズといって、蔓を大きく伸ばすもの。
ペルディータのほうは、四季咲き・強香・強健種と、まるで物語に登場する理想のお姫様のようなバラです。
本で一生懸命勉強して2つのバラを育てることにしたerimaは、中でもペルディータの絵姿(写真)を見ては、日に日に彼女への憧れを強くしていきました。
アプリコットピンクの、大輪の彼女の姿を見たいがために、入念に植え付けの準備を整え、鉢に収める。あとは彼女が成長するまで、せっせと世話を焼くだけでした。
しかし...。
アトール99が大きく芽を伸ばし、他所のバラが元気に葉を伸ばしても、ペルディータだけは押し黙ったまま。迎え入れたときから見え隠れしていた小さく可愛い芽も、少しも動く様子がありません。心配になったerimaは、ついに彼女を鉢から出してみることにしました。
すると...何ということでしょう!
ペルディータは育たないどころか、ただ土に収まっていただけ。根も伸びず、水を吸い上げることもなく、ただ収まっていただけです。それが証拠に、彼女からは大きな根っこがたった1本ぶらりと伸びているだけで、根本を引っぱればすっぽりと、簡単に土から抜けたのです。

「彼女は死んでしまった」
erimaは悲嘆にくれました。
しかし、目をつぶれば絵姿で見た彼女の姿が思い浮かび、どうしても諦めることができません。
かといって、するべきことはすべてしましたし、本を読む以外にバラのことを知る術をもたないerimaに、これ以上のことができるとも思えません。

そこで...。
考えあぐねたerimaは、ついにとある行動に出たのです.....!     【続く】
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