猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

未来は知らぬ。

2008年11月12日 05時10分25秒 | 日記

もう何年前になるだろうか。

友人の、歳の離れた弟が、「高校の文化祭でライブをやるから」と、
それを見に行ったことがあった。

 

今日の一品・トッポッキ~♪
しょうが味噌漬けの味噌だれと、韓国唐辛子粉を合わせて、
た~っぷりの野菜とぐつぐつ。
辛い!けど美味い♪美味い♪けど、やっぱり辛~い!

 

ゴンザが所属していた草野球チームの、
キャッチャーとしても、よく顔を合わせていた彼は。

その兄と、ゴンザを含む仲間が、悪さばかりをしていたのを見て育ったせいか......
とても真面目で、生徒会長までつとめるような少年だったが、
しかし、かと言って、バランスが悪いわけでもなく。
流行もそこそこ追いかけるような、そんな子だった。

で、そんな彼の歌う姿を見ようと、
それこそ、彼が保育園に通う頃からその姿を見ていたゴンザと共に、
文化祭へと行ったのだったが。

大人になって以来、
もう久しく校舎というものに足を踏み入れていなかった我々にとって、
そこは非常に新鮮で、予想以上に面白い場所だった。

普段は出入りのない、色んな世代の目を意識して、
はりきったり、照れたりの学生たち。

手作りの模擬店に、各種の展示。

日頃の活動の成果をぎこちなく披露する、
各部活動の部員に教師たち......

少し暗めの、素っ気ない教室、長い廊下。

我々は、ライブを観賞し終わると、
そこに流れる空気を満喫しようと、校内をくまなく見て回った。

 

おお、そうだ!今年も、買いましたよ~。
ゴンザ用アドベントカレンダー。
もちろん、彼が大好きなチョコレート入り(笑)
これだけは、売り切れる前に買っとかないとねぇ。
「ない」なんて言ったら、がっかりして泣いちゃうから(爆)

 

.....と。

廊下の隅にあったのは、なにやら地味な販売ブース。

見れば、きっと、ながらく図書室にあったのであろう蔵書が、
埃舞い散る中、叩き売りされている様子だ。

山積みになっているその感じと、まだ手垢にまみれていない外観から
それらの本は、おそらく学生達の人気の高くなかったものばかりと思われるが、
近くに寄って、よくよく見れば、中には
ナショナルジオグラフィックや芸術新潮のバックナンバーなどもあって、
なかなか興味深いものも多い。

「よし!」

私とゴンザはしばし考えると、
それらが安価であるのと、車で来ているのをいいことに、
50冊ほどをまとめて購入した。

......で、だ。

その、持ち帰った本たちは、それから長いあいだ、箱に放り込まれたままで、
狭い我が家の押入れで眠り続けていたわけだが、
ときどきそこを覗き込むと、思いもよらぬ宝物が出てきて驚く。

特に、購入した当時は、別段強い興味を抱かずに見過ごしていた、
伊藤若沖の特集号をついさっき見つけたのには、
非常に驚いたと同時に大きな喜びを感じたし、
『もしかすれば、これからもそんな発見があるやも』と思えば、
なんだかちょっとわくわくしてくる。

 

正規の値段で手に入れたものから、格安で入手したものまで。
こういったものが、お財布を軽くし、
ますます部屋を狭くしているのはわかっているのだが.....
ときに、こんなことがあるからやめられない。
本当はね、小川破笠のことが知りたくて、「もしかしたらあの中に」と、
ガサガサやったんだけど、詰め込まれた箱の中から若沖が。
「そういえばこれらを買ったときは、若沖の名すら知らなかったもんなぁ」
こりゃ、今となってはかなりのめっけもん♪

 

......まだ見過ごしている何かがあって。

または、これから興味を抱く何かがあって。

それが思わぬ宝物に転ずる可能性。

人は毎日変わってゆくものだし......

もしかすれば、あの学生たちもいつか。

自分が見逃していたことすら知らない、その中の何かを
熱烈に愛するようになるかもしれない。

誰も彼もが未来は知らぬ。

今日はゴミに思えても、明日は宝物に。

または、今日の宝物が明日はゴミに......。

未来は知らぬ。

......宝物を決めるのは。

時間と興味と、あらゆる積み重ねなのかもしれない。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちわ (もめん)
2008-11-12 06:27:02
古本を漁るのは、わたしも大好きです。
引越しするときになって、あー、こんなに、と呆れるんですけど。

トッポッキ、
わたしも好きで一時期絶えず作っていました。
辛いのが食べられないので、ほとんど辛みのないトッポッキでしたが。

以前から思っていましたが、赤い素材のいろいろなお写真、いいですねえ。
どれもいい赤。
返信する
哲学みたい (nyaopoo)
2008-11-12 08:59:33
≫未来は知らぬ。
......宝物を決めるのは。
時間と興味と、あらゆる積み重ねなのかもしれない。

深いですね~。でもとってもよく分かる気がします。
過去に斜め読みして放置なんて本なども年数が経ってから読み返したりするとまた違った発見とかもありますしね。
ちょっと違うかもですが、自分が幼い時に読んだ絵本をちびに読み聞かせているとまた違ったとらえ方が出来たり、発見があったりします。

しかし、トッポッキってお家で作れるんですね。
erimaさんのお家のお料理はいつも見ていて感心します。
返信する
やめられない、とまらない。 (erima)
2008-11-13 08:26:23
もめん様

のちになって自宅で本の山を目にしたとき、「なぜこんなに!?」と後悔するのに...
実際古本を目の前にすると「あっ、あれも!これも!」と、欲しい気持ちが止まらなくなりませんか?(笑)

ずっと長いスパンで考えれば、色んな意味で財産になるのだと思いつつ、苦悩は続きますね(笑)

もめん様は辛いものが苦手でいらっしゃるのですね。
私は無類の辛い物好きで...それが身体に悪いのは知っていつつやめられません。
トッポッキは、あの食感がなんともいえず、ムチムチっと美味しいですよね♪

赤い写真。
自分では気づいていませんでしたが、そういわれてみると多いかも。
自宅の照明が赤味がかっているのと、カメラの『クセ』も関係するかもしれないですね。

.....いや。
もしかしたら、無意識の中で赤が好きなのかしら?
赤って、難しくも魅力的な色ですよね。
返信する
なるほどねぇ。 (erima)
2008-11-13 08:36:04
nyaopoo様

読み聞かせをしていて違う捉え方をするというのは、「なるほどねぇ!」です。
子どもさんがいると、『自分』だけではないものの捉え方になるのでしょうね。
それって人間的な成長に、大きく関係するような気がします。
(=私はいつまでも未熟者・笑)

でも確かに本は何度も読み返すことで、毎回違う印象を受け、それゆえ、手元に置いておくべきだなぁと私も思います。
そういえば最近『赤毛のアン』を読み返して、昔はアンの立場で読んでいたものが、今はマリラやマシュウの立場で読んでいるのに気づき...苦笑でした(笑)

トッポッキはねぇ。
もちろんトッポッキ(お餅)自体は買ってきたものですよ。
だから簡単です。
自分の好きな調味料で好きな材料と合わせて...トッポッキを放り込むだけ。
手軽にコチュジャンと粉末鶏がらスープとかでもいいんじゃないかなぁ。
要はお餅だから、馴染みのある素材ですよね。
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