ブリティッシュロックが全盛期を迎えていた1966年、イギリス。
BBCラジオがロックの放送を一日45分に制限する中、
北海上で、24時間、ロックを流し続ける海賊ラジオ局があった...
パイレーツ・ロック ← * 音注意!
「彼なら大丈夫」。
そう思える人がいる。
もしくは、「彼女なら大丈夫」。
映画を見るとき。
「この人の作品選びには信頼が置ける」と、
そう思える役者がいるとしたら、それは素敵なことだ。
先週。
妹に誘われ、突然映画を観に行くことになったとき。
私は、彼がその作品に出ているとはまったく知らなかったし、
実際作品が始まり、途中「もしかしたらこれは彼?」と、
そういう疑いを抱きつつも.....
他作品とはあまりに違うその風貌に、
いまひとつ確信を持てないままでいた。
しかしやはり、それは紛うことなき、フィリップ・シーモア・ホフマンで。
私はあらためて彼の実力に舌を巻く。
作品ごとに、まったく別人になるあの力。
作品自体を引っ張り、まとめてしまうあの力。
彼にあれほどDJ役がはまるなんて、思いもしなかったが。
終わってみれば、髭モジャのビールっ腹DJがこれ以上なくよかった。
そして、作品自体が、『良い映画の条件』(私にとっての)。
登場人物それぞれのキャラが際立ち、
音楽が素晴らしく、観たのちに幸せな気分になれること。
を十分満たしていたせいで、
突如の映画行きは、私にとっても、とても良い思い出になった。
ただひとつ。
惜しむらくは、良い作品に限って上映館が少ないという現状だが、
もし興味がある方は、【パイレーツ・ロック】。
見に行かれては。
なんと、ケネス・ブラナーも出てるのよ!
見たい映画はパイレーツ・ロックなんです!
そうかそうか、
erima様のお眼鏡にかなった良作なんですね!
俄然興味がわいてきました、
時間作って見たいなー。
そして、「良作ほど上映館が限られる」に
大いに同感です!
キング・オブ・ポップであったマイケルの音楽は、わざわざ足を運んだりせず、流れてきたときに楽しむのが正解だと思います。
パイレーツロックは逆に、誰もがロックをもっと聞きたいと渇望していた気持ちを一緒に楽しむための映画なのでしょう。
音楽好きの妹らしい、作品選びでした。
ドンパチ、ギャーギャー騒がしい映画には食傷過ぎて、何の興味もないけれど。
良い音楽を大音響で聞き、スクリーンで観るのは素敵なものです。
秩序と節度の失われていない時代に、それを破ろうとする人々の姿は懸命で温かい。
無秩序で無節操な今の時代には、それは存在しないものです。
パイレーツ・ロックはまさにそんな作品です。