猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

まあるいいちにち。

2007年03月06日 16時15分20秒 | お出かけ
ときおり。
ひとつの事柄に捉われて過ごす一日がある。

やたらと目につくものの数を数えてみたり、

「今日はなんだか赤いものが目につくなぁ」

と思ってみたり。

先日の日曜日もまたそう。

あの初夏を思わせる一日は、なんだかやたらに丸いもの。
まあるいものが目につく一日だった。

だが考えてみれば。
自然界にはとっても美しい曲線を描くものが多く、私たちが作り出す直線的なものこそが、この世で不自然な生き方を続ける人間の生態をあらわしているのかとも思う。

その一日は。
例の、近くの競技場で毎月催されているフリーマーケットへ行く途上から始まった。


       


丸い頭を、地面からひそかにつき出させているつくしんぼ。

ここには杉の子がたくさん生えることを知っていたゴンザが

「そろそろ出ているかなぁ、つくしんぼ」

と、身をかがめて覗き込み、見つけたまあるい春。

歩いてゆけば、ふと見上げる空にも、ハクモクレン(それともコブシ!?)の白くて丸い花がめいいっぱい開いて、陽射しを一身に浴びて咲いている。
蕾もまあるい。


     


河原では、ベンチの上でまあるくなってひなたぼっこ中の猫が私たちの挨拶で目を覚まし、大きく丸く口を開けて大あくび。

ゴンザに恋をしたらしい彼女は、そのまあるい頭をすり寄せ、しきりに丸いお尻を高く上げて彼を誘惑する。


     

     


「いいか、道路には絶対出ちゃいけないぞ。車がいっぱい通るからな」

「甘えてくれるのは嬉しいけど、人間を信用しすぎちゃいけない」

そう説得されながら。

足元には、まあるい体をふくらませ、何かおこぼれに預かろうと群がるハト。

彼らに別れを告げて畑へ向かえば、秋に植えたクロッカスの球根が見事にまあるい花を咲かせてくれている。


     


ポイ捨てのゴミは一向になくならなくとも。
花は浮世の汚れなど目に入らぬかのように、透明で清らかで。

この光景を見る人の心にも、いつかまあるいものが宿る日がくるかもしれないと、私に希望を抱かせる。

畑の中では、とがってギザギザな水菜の葉の間から、黄色くまあるく、膨らんだ蕾がいっぱい。


     


きっと来週には、丸くて小さな花をたくさん咲かせてくれるだろう。

そして、近所の畑でも.....

こんもりと丸く、可愛らしい花をつけた桜。


     


あったかい光はまあるいものを目覚めさせ、まあるいものはあったかい心を目覚めさせる。

そのせいか.....

帰宅後。
まあるい貝殻で貝合わせを作って遊んでいると。

作業を中断したゴンザが、そのまま遊び続ける私を横目にこんなものを。


     
                   ゴンザお手製まんまるピッツァ


     
              水菜とルッコラを山ほど載せてオイルをかけ...
                安売りの生ハム切り落としを載せれば。
                  サラダピッツァの出来上がり!


こんがり香ばしいチーズ。
パリパリざくざく新鮮な野菜。

ささやかながら、贅沢な気分でピザをほおばり。
ふと、狭い我が家の窓辺に目をやれば.....


       


空にはまあるいお月さま。

まあるいピザを食べながら、まあるいお月さまを見上げるなんて.....

なんだか面白いなあと思う、まあるい一日の終わりだった。


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6 コメント

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ちゃっかり (まきまき)
2007-03-06 21:43:04
ふふふ、まあるい物って可愛らしくて幸せを感じるよね。
私も昨日、この冬は暖かいからかピンと張り詰めるような澄んだ夜空の下、夏より綺麗に見える星空を眺めてないなーと思いつつ、まあるく輝く月に癒されていたよ。
猫達のまあるいお尻、まあるいふくふくした肉球、まあるい目、中にはまあるいしっぽの子なんかもいて、とっても癒されちゃう♪
つくしんぼ、もう生えてるんだね!
ゴンザ君もTシャツだけで出掛けられるこの陽気だものね。
道行きながら見つける桜にこぶし、ぷっくりとした花を咲かせた畑のクロッカス、春の息吹、美しい花弁に春を感じちゃう。
シンプルなサラダピザもとってもおいしそう。
こんな日は、気持ちまでまあるくなって、誰にでも、通りすがりに出会った猫にも一層優しくなれちゃう。
私もちゃっかり癒されちゃいました♪
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春を感じますね (ゆん)
2007-03-07 18:19:35
写真を見るだけで癒されて
今の私は顔がほころんでます。

erimaちゃんのルーツを読みました(´;ω;`)
私には想像すら出来ない世界で・・・

でも今は素敵な旦那さまにも巡り合えて
幸せで本当に本当によかったです。

GONZAさんの言動は
私の彼とよく似ていて笑ってしまいます。
全く同じの年下ですけどw
いつも笑ってる二人を想像して
私も楽しい気分にさせてもらってます!
erimaちゃんありがとう(´∀`)

それと
私も『梨』がつけられなくて
普通のひらがなの名前になったけど
両親の想いを感じて仕事上は漢字を使ってましたよw


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そういえば... (erima)
2007-03-07 21:12:19
まきまき様

そうね、そういわれてみれば、今年は暖冬のせいか、パキッとした夜空をあまり見ていない...。
もしかすると、だからこそ、お月様の存在がいつもより大きく感じられるのかもしれないわね~。

自然の中にあるものはどれも完璧ともいえる曲線を持って、どんなものでも摂理にかなった形をしているけれど、その中でもまあるいものって、特に人の心にそうのよね。
私たちは日頃、無機質な直線のものに囲まれて暮らしているけれど、その中でも猫と共に暮らしたり、花を飾ったりするのはやはり生き物としての自然な欲求なんだと思う。
そして、春に爆発的な力を発揮して芽吹く植物の力に、人は自分にかなうことのない、永遠の命と若さを見て、憧れを深めていくのかも。
だから、野菜を食べると元気になる気がするのは、栄養面だけでなく、あの瑞々しさと色にパワーを貰っているというのもあるかもね。
(いわゆるビタミンカラーってやつかしら)
このピザも、とっても気分が爽やかになるようなお味だったわ♪

漠然と、目をやらずにいれば見逃してしまうつくしんぼも、一生のうちに見られるのは100回にも満たない。
そう思うと、自然の中にある様々なものがより愛しくなって、その出会いに心がさらにまあるくなるかもね♪
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まん丸の締めは・・・ (ハナクロ)
2007-03-07 21:29:50
きっとゴンザさんのおなかだったのでしょうか??な~んてね。
先日こちらでもまん丸のお月様をみました。お月様がまん丸なだけでも私はすごくうれしくなっちゃうのにそのうえまん丸のピザまであるなんて。おいしそ~。

いつもerimaさんのブログから季節を感じています。ブログをみるだけで癒される感じです。
クロッカス、実家に咲いていました。子供の時に母からその花の名前を教えてもらったことを忘れられないです。

春がきた、春が来たって先日も子供に歌ったところです。春ってすてきですね。
実家のようなど田舎でも最近はつくしを探すのがとっても大変なこのごろ。次の世代にも残してやりたいと思うこのごろです。
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すっかり春 (erima)
2007-03-07 21:52:14
ゆん様

『ルーツ』。遡って読んで下さったのですね。
ありがとうございます。
今となっては、あれが自分のことだったのかわからないほど、平和な日々を過ごしている私ですが...
今まで起こったことすべては、これもまた春を迎えるのに必要だったことなのかなぁと思います。

季節にはその季節なりの良さがありますから、人生もそう思って歩んでいくといいのかもしれませんね。

でも...思えば。
私にとって出会いは宝で、いつも誰かしらが助けてくれた。
中でもゴンザと出会ったことは、本当に予期せぬことで、そのおかげでどれほど魂が自由になったかは、自分にも計り知れないものです...
こればっかりは天からのお恵みと、感謝するほかありません。
そして、このblogというものを始めて、新たな出会いをたくさん得られたことも。

ゆん様とも、不思議なご縁でこうして言葉を交わせるようになったこと。
とても嬉しく、ありがたいことだなぁと感謝しています♪

ところで、『年下の彼』がいること、『彼』の言動に笑顔になってしまうこと、同じ字が名前につく予定だったこと。
ゆん様とは共通点がいっぱいですね♪

これからも、私とゴンザのおバカっぷりを笑っていただけましたら光栄です!
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少々小さめ (erima)
2007-03-07 22:38:08
ハナクロ様

インフルエンザ余波で、少しだけ小さめになったゴンザのまあるいおなか。
まあるいピザのおかげでまた少しふっくらしたかもしれません(笑)
こんがりチーズの匂いに見上げるとまあるいお月さま。
人間の本能の部分を満足させてくれるものが揃うと、なんであんなに幸せな気分になるんでしょう。
そういえば以前、ここに来てくださる、ロンドン在住のばく様が「イギリスでは満月のことをチーズみたいな月っていうんですよ」と教えて下さいましたが、確かにこうして並べてみると、こんがりとろーりチーズとお月様って似てますね~♪

スペインでは、お月様はどれぐらい大きく見え、どれぐらいの色をしているのでしょうか?
遠くにいても同じ月を眺め、同じ幸せな気持ちに浸っているのだなぁと思うと、なんだか地球はやっぱり小さなひとつの星なのだなぁと思えてきます。

日本の春も。
そちらまで届いて、とっても嬉しいです。
我が家の畑横に優しい風情で咲くクロッカスも、ハナクロ様の、お母様との素敵な思い出を聞かせていただいて、喜んでいると思います。

そういえば子供の頃...クロッカスはまだ珍しい花で、その可愛らしさに心が躍ったものでした。

ハナクロ様のお母様が咲く花の名をハナクロ様に教え、ハナクロ様が桃太郎ちゃんにまた、その花の名を教える...
つくしんぼの名も、そうやって実際に見ながら、ずっとずっと伝えていけるように、人と春の使者が憩うことの出来る場を残していきたいですね。

あ♪そういえば日本には春を歌った「菜の花畑に入り日薄れ~♪」なんて歌がありましたが、あの歌の中にも「朧月夜」なんて、最後にお月様が出てきましたね。
朧月夜も素敵だなぁ~♪
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