こちらは、徐々に明ける。けど、人の心は...
コンビニに寄るのが日課である。
仕事帰りに、何か甘いものやコーヒーでも買おうと、
とりあえずはいろいろ覗いて、
めぼしいものがあれば、買って帰るのが楽しみで。
特に、パン売り場は季節によって品揃えが変わるのと、
軽食になるもの、スイーツ代わりになるものと、
見ているだけでも楽しいのでよく覗く。
...が。
一昨夜は、このパン売り場で、とても不可解で不快な出来事にぶち当たってしまった。
その夜、商品を眺める私の横で、
ゴンザが怪訝そうな顔をして棚から取り上げたのは、
思い切りひしゃげた、原型をとどめていないカレーパン。
それは、どう見ても『落ちて形が歪んだ』とか、
『運搬の際に手荒く扱われた』といった類のものではなく、
明らかに『人の手で握り潰された』ものだったのである。
一方、我々のすぐそばで違う商品の整理をしている店員は、
まったくその事実に気づいている様子もなく。
それではのちのち困ったことになるだろうと、
私は、ゴンザと共に、彼に声をかける。
「これ、誰かに潰されちゃってるよ。気づいてた?」
...と、慌ててそれを手にした彼が言うには、
同様の行為を、何度も繰り返している『容疑者』がいるのだそうで、
仕事帰りに、何か甘いものやコーヒーでも買おうと、
とりあえずはいろいろ覗いて、
めぼしいものがあれば、買って帰るのが楽しみで。
特に、パン売り場は季節によって品揃えが変わるのと、
軽食になるもの、スイーツ代わりになるものと、
見ているだけでも楽しいのでよく覗く。
...が。
一昨夜は、このパン売り場で、とても不可解で不快な出来事にぶち当たってしまった。
その夜、商品を眺める私の横で、
ゴンザが怪訝そうな顔をして棚から取り上げたのは、
思い切りひしゃげた、原型をとどめていないカレーパン。
それは、どう見ても『落ちて形が歪んだ』とか、
『運搬の際に手荒く扱われた』といった類のものではなく、
明らかに『人の手で握り潰された』ものだったのである。
一方、我々のすぐそばで違う商品の整理をしている店員は、
まったくその事実に気づいている様子もなく。
それではのちのち困ったことになるだろうと、
私は、ゴンザと共に、彼に声をかける。
「これ、誰かに潰されちゃってるよ。気づいてた?」
...と、慌ててそれを手にした彼が言うには、
同様の行為を、何度も繰り返している『容疑者』がいるのだそうで、
顔を見ては気をつけているつもりなのだけども、
またやられてしまったようだ」と、
そういうことなのだった。
結局、我々の見ている前で、彼が商品棚のチェックをしたところ、
もうとても売り物にはならない、握り潰されたパンが、
他にも二つ見つかった。
「こんなの、もう警察に届けたら?」
そう言いながら、私はなんとも不思議な気持ちにとらわれる。
『とはいっても、この犯人の目的はなんだろう?』
『こんなことして、そいつはどんな得をするのかな?』
『どんな気持ちでこんなことをするのだろう?』と。
人の心の闇が、いかに深いとはいっても、
売り物のパンを握り潰して喜ぶ心理は、
闇というにはあまりに安っぽく、
けれど、行為としては悪質である。
『なんで?』『なんで?』『なんで?』
腹が立つのもそうだけれど、ただただ、不可解で、
だからこそ、怖くもある行為。
人の『恐怖』の根原が、『なんとも予測のつかないところ』にあるのだとしたら。
これほど怖い犯罪もないのではないかと、
握り潰され、ひしゃげた姿の哀れなパンを思い出しては、
さらに、『なんで?』『なんで?』と、繰り返さずにはいられない。
パンを握り潰す。
それが何を生むのかと。
...つまり、結局。
なんだかんだいってもそれは、
やはり『闇』の為す所業以外の、
何ものでもないのか。
またやられてしまったようだ」と、
そういうことなのだった。
結局、我々の見ている前で、彼が商品棚のチェックをしたところ、
もうとても売り物にはならない、握り潰されたパンが、
他にも二つ見つかった。
「こんなの、もう警察に届けたら?」
そう言いながら、私はなんとも不思議な気持ちにとらわれる。
『とはいっても、この犯人の目的はなんだろう?』
『こんなことして、そいつはどんな得をするのかな?』
『どんな気持ちでこんなことをするのだろう?』と。
人の心の闇が、いかに深いとはいっても、
売り物のパンを握り潰して喜ぶ心理は、
闇というにはあまりに安っぽく、
けれど、行為としては悪質である。
『なんで?』『なんで?』『なんで?』
腹が立つのもそうだけれど、ただただ、不可解で、
だからこそ、怖くもある行為。
人の『恐怖』の根原が、『なんとも予測のつかないところ』にあるのだとしたら。
これほど怖い犯罪もないのではないかと、
握り潰され、ひしゃげた姿の哀れなパンを思い出しては、
さらに、『なんで?』『なんで?』と、繰り返さずにはいられない。
パンを握り潰す。
それが何を生むのかと。
...つまり、結局。
なんだかんだいってもそれは、
やはり『闇』の為す所業以外の、
何ものでもないのか。
哀しいことだが。