ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

孤独担当相だって?

2018-01-18 15:55:57 | 日記
イギリスのメイ首相が「孤独担当相」のポストを新設したという。テレビで
このニュースを聞いたとき、私は、「余計なお世話だ!ありがた迷惑になら
なければいいけど・・・」と思った。脳裏に、あのありがた迷惑なケアマネさん
の姿がよぎったのである。

メイ首相は「孤独は現代の生活の悲しい現実」だと語ったというが、孤独は
ホントに撲滅の対象にすべき「悲しむべき」ものなのだろうか。人はだれで
も孤独を忌み嫌う。根絶しなければ、とメイ首相が考えているとしたら、彼
女は独善的にすぎるし、人間理解があまりに浅薄すぎると言わなければなら
ない。

蓼食う虫も好き好き。一括りに老人と言っても、なかには孤独を愛し、引き
こもりを自ら選ぶ偏屈者もいる。なにを隠そう、かく言うこの私も、人付き
合いを鬱陶しく思い、それよりも孤独を好む偏屈者の一人である。「さあさ
あ、孤独はいけません。孤独は人を不健康にし、生活の質を低下させます。
さっさと部屋を出て、他人と交わりましょう」といって部屋を追い出された
ら、私の生活の質はガタンと低下し、生きた心地がしなくなってしまうだろ
う。

安倍首相にひとつお願いがある。日本の内閣には「孤独担当相」などという
馬鹿なポストは作らないでもらいたい。舶来ものをありがたがる朝日新聞な
ら、イギリスにあやかって、そのうち「孤独担当相」新設のキャンペーンを
張るかも知れないが、そんなまがい物は相手にせず、西行、山頭火ら遊行文
人を輩出した日本の文化的伝統にも目を向け、孤独や独居が持つ独自の精神
的価値を尊重してもらいたい。

先日、私は本ブログで、独居を味気ない「悲しむべきもの」とする記事を書
いた(1月16日《無人化社会 やがて悲しき独居社会》)。たしかに、
「無人化する社会」という観点から、独居の社会的現実を見れば、そういうマ
イナスのネガティブな側面だけが目にとまる。だが、独居と孤独の個人的内
実には、それを超えるプラスのポジティブな側面があることを、私はここで
とくに強調しておきたいのである。
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