ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

テーブルの下の日本と中国

2019-12-16 17:46:37 | 日記
日中関係は良好にみえるが、その内実は違っている。その有様は、二人の男がニコニコ笑いながら、テーブルの下で脚を蹴り合っている姿に似ている。習近平国家主席を日本に国賓として招待する話があるようだが、他方では、日本の河野防衛相が国際会議の場で中国を名指し、東シナ海・南シナ海におけるそのあからさまな膨張主義に懸念を表明したという。

これなどはテーブルの下というより、テーブルの上で行われる牽制合戦の例と言えるが、公にならないテーブルの下では、もっともっと熾烈なつばぜり合いが両国の軍事当局の間で、日々くり広げられているに違いない。

つばぜり合いは、軍事的な衝突とは限らない。過去に遡れば、日中のつばぜり合いの武器として、レアアースが使われた例がある。2010年、尖閣諸島で中国人船長が日本海上警察に逮捕された事件を受け、中国政府はレアアースの日本への輸出を大幅に規制した。これによって日本の製造業は大きな打撃を受け、これを機にレアアースの重要性が一般の日本人にも広く知られるようになったのだった。

先日、以下のニュースを聞いたとき、私はそのことを思い出し、このときの轍を踏まないよう、日本政府もマジメに努力しているのだなと感じ入った。

政府は2020年にも海洋研究開発機構などと共同で、自律型無人潜水艦(AUV)を使って小笠原諸島・南鳥島の深海にあるレアアース(希土類)の埋蔵量を調査する。海底にあるレアアースを高濃度で含む層を確認し、レアアースの正確な埋蔵量の把握を目指す。AUVを使ったレアアースの埋蔵量調査は成功すれば世界初という。
(日本経済新聞11月16日配信)

レアアースの埋蔵量の調査は、ただの科学的調査ではない。そこには中国政府への対抗措置という尖った意味が含まれている。そんなふうにテーブルの下で脚を蹴り合いながら、我が安倍首相と習近平国家主席は、さてどんな微笑みを交わすのか。狐と狸の化かし合い。そのゆくえはいかに。


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