ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

今度はサウジで

2018-10-13 10:59:55 | 日記
これはヤバいぞ。テレビを見ていて、そう思った。画面に流れたのは、
こんなニュースだった。

サウジアラビア政府を批判した記者が、トルコの領事館で殺害された可
能性が浮上している。
サウジアラビアの皇太子が拘束を指示したとの情報まで出てきた。
アメリカを拠点にし、サウジアラビア政府を批判する記事を数多く書い
ていたカショギ氏。トルコ人女性との結婚手続きのため、総領事館を訪
れ、その後、行方がわからなくなっている。
トルコ当局が、「カショギ氏が総領事館内で殺害された」との見方を強
める一方、サウジアラビア政府は、総領事館の中をメディアに公開し、
殺害への関与を否定している。
                  (FNNPRIME10月11日配信)
                 
今度はサウジアラビアで、政府を批判していたジャーナリストが 政府
のトップの指示で殺害されたというのだ。こんな国で、政府に批判的な
記事をアップしたら、そのブロガーは一体どういうことになるのだろう。
まさか、むち打ちの刑になるんじゃないだろうな。

そう思って調べたら、ホントにそうだった。

サウジアラビアの最高裁は7日、インターネットに開設した討論サイト
でイスラム教を侮辱したなどとして、人権活動家の市民ジャーナリスト、
ライフ・バダウィ氏(31)に昨年言い渡されていた禁錮10年とむち
打ち1000回の判決を支持する判断を下した。判決はこれで確定し、
国王が恩赦を与えない限り、刑は執行される。
                 (SANKEI EXPRESS 2015.6.9)

この記事を読んで、ぞっとした。これは決して他人事ではない。天邪鬼
爺の私だって、むち打ち100回ぐらいの刑に処されるかも知れない。

と、まあ、こんなふうに書きながら、私が実際はそれほど深刻に感じて
いないことも確かである。我が日本は、サウジや中国のような独裁国家
とは違うのだ、--そう思っている。

とはいえその日本も、治安維持法がまかり通っていた戦前の一時期は、
政府の批判者が「特高」に捕らえられ、厳しい拷問を受けることもあっ
たことを、私は知っている。戦前の君主国家が、敗戦とともに民主国家
に変わってからは、そういうこともなくなった。これは喜ばしいことだ。

国家権力はおのずと肥大化し、独裁化して、暴力的になる傾向を持って
いる。この傾向に歯止めを掛けるのが、人権思想に基づく憲法と、民意
による政権交代を保証する民主制である。日本では、これらの歯止めが
一応機能しているから、1強の長期政権といえども、そうそう傍若無人
にふるまうことはできない。せいぜい「お友達」の田んぼに水を引くぐ
らいのものである。

先日、本ブログで「ICPO総裁失踪事件」について書いたときと同じく、
日本という国に住める有難さをつくづく噛みしめている天邪鬼爺のこの
頃である。
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