Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

映画の前に(1)

2013-08-05 01:00:00 | 雪3年1部(二人の写メ~映画)
約束の午後五時ジャスト。

雪は映画館のあるフロアに到着した。



急いで先輩の携帯に電話すると、彼は既に到着していて、

こっちこっちと雪に向かって手を振る。



結構待ちました?と聞く雪に、

先輩は前売りチケットを買おうと早めに来たんだと言った。



すると先輩は、雪の髪を見て目を丸くする。

「何か雰囲気が違うと思ったら髪型‥」「あ、来る前にちょっと‥」



そう答えようとした雪より早く、

「パーマかけなおしたの?いつにもましてモフモフだね」



と言って先輩は微笑んだ‥。

私の一時間を返せ‥とトホホな雪に向かって、先輩は続ける。

「俺は雪ちゃんの髪型かわいいと思うけどな」



「よく似合ってるよ」



雪は暫し固まった。



頬が赤らむ。



しかし続けて雪が取った行動は、

前売りチケットを買っておいてくれた先輩に、お金を渡すことだった。



けれど先輩は「いいって。今日は俺の奢り」と受け取ろうとしない。



「え‥だって前にケーキもご馳走になってるし、塾だって‥」と雪が戸惑うと、



「気にすんなって。先輩が後輩に映画一回奢るってだけのことなんだから」



と言って彼は微笑んだ。



雪はそれ以上言葉を続けられなかったが、それでは気が済まないので自分はポップコーンを買ってくると言った。

それも俺が買うよと言い出す先輩をなだめながら、カバンからあるものを取り出す。

チャラララッチャラーン!

「10%!5%じゃなく10%です!!キャラメルにも使えるんです!」




「‥‥‥‥」




( ゜д゜)ポカーン




「‥‥えーっと‥」



‥雪は説明した。

これはポップコーンが10%オフになるクーポンだと。

キャラメル味にも使えるお得なクーポンなんだと‥。



固まっていた先輩が、雪の説明を受けて笑顔になった。

「あぁ!クーポンね!知ってる知ってる!」



最初何の話かサッパリ分かんなかったと言う彼に、雪はなんだかドッと疲れた‥。



経営学科の人間が、こんなに金銭感覚無くて良いのだろうか‥。

無邪気に笑う彼を見て、雪は国の将来が不安になったのだった‥。




ふと見上げると、先輩が空を見つめてボンヤリとしていた。

しかし彼はすぐに腕時計へと視線を移すと、映画が始まるまでカフェにでも入ろうかと言った。



時間を見ると、カフェに入るのには微妙な時間だ。これではお金ももったいない。

そこで雪が提案したのは‥。



「たまに映画観に来た時に寄るんです。めっちゃ面白いですよ!」



彼が連れて来られたのは映画館に併設されたゲームセンターだった。

二人が前にしているのはシューティングゲームで、淳は見慣れないおもちゃの銃をマジマジと観察している。

「聡美と私はレベル2が限界なんですけどね。結構難しいんです」



雪がその言葉と共に思い出したのは、聡美と太一と一緒にゲーセンに寄った時のことだ。



人質も殺しちゃえ!とガンガン撃つだけの聡美と雪に、呆れる太一‥。



雪は先輩にやり方を説明した。

銃の撃ち方、身の隠し方、弾のチャージ方法。



たった一回の説明の後、ゲームは始まった。




ステージはレベル3。

かつて雪が見たことのない画面で、敵がバッタバッタと倒れていく。



雪はあんぐりと口を開けながら隣の彼を見ていた。







弾のチャージ、銃の構え方‥。

一連の動作は流れるようだった。

先ほどの一度きりの説明で、彼は完璧と言える動作でステージをクリアして行く。



その横顔は真剣そのもの。

雪は彼を眺めながら、ちょっとかっこいいかもと心の中で思った。



やがてゲーム画面では、「New Record!!」の文字が踊った。

スゴイスゴイと飛び跳ねる雪。

自分には見えすらしなかったのに、全部倒しちゃったと喜びながら。



「先輩マジ最~高~!」



そう言って、雪はハイタッチしようと片手を上げた。

しかし先輩は雪がおもちゃの銃を欲しがったと思って、それを差し出す。



「‥違いますよ‥ハイタッチです‥」



おずおずとそう言った雪に、先輩はおそるおそる片手を合わせた。

ポン‥‥






こんなむず痒いハイタッチは初めだ‥。

雪は先ほどからの度々の噛み合わなさを思って溜息を吐いた。


この後先輩は小銭が余ってるからもう一回やる?とゲーセンに残りかけたが、

雪が映画の時間が迫っていることに気がついて、二人は映画館に戻った。


雪の頭にクーポンのことが浮かび、ポップコーンを買いに売り場へ寄った。


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<映画の前に(1)>でした。

雪と先輩の噛み合わなさ、ピントのズレが浮き彫りになった回ですね。

特にゲーセン後のハイタッチの部分‥。

雪はきっとハイスコアを出した時には聡美と太一とハイタッチしてたんでしょう。

でも先輩はそんなことをしたことが無かった。きっとハイタッチも人生初。

クーポンを持ってくるような女の子とは、付き合ったことは無かったでしょう。

そんなピントのズレに遭遇する場面の「気まずさ」を、上手く書き出しているなぁと感じます。


次回は<映画の前に(2)>です!

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