Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

事態は進行中

2013-08-12 01:00:00 | 雪3年1部(映画後~合コン)
恵とランチ中、雪の携帯に聡美からのメールが入った。

雪!合コン行くよ!あんたに断る権利はないからね!



雪は急な事態の展開にビックリした。思わず何事かと独りごちる。



恵がどうしたの?と聞くので、雪は事情を話した。

「合コン?!キャー!大学生っぽい~~!」



恵は目を輝かせて雪の門出(?)を祝った。早く雪ねぇの彼氏に会ってみたいと言って。


しかし雪は全然乗り気じゃない。

初対面の人といきなり面と向かって話せと言われたって、どうすればいいのか分からないのだ。



しぶる雪に、恵は「もっと気楽に考えなよ、とにかく行ってみることが大事だよ」と言った。

雪以上にワクワクしている恵を見ながら、雪は先ほど男子学生に青田先輩との関係を聞かれたことを思い出した。



人の噂は広まるのが早い上に、真実は歪曲して伝わる。

先日のキノコ頭のこともあり、合コンに行くことで青田先輩のことがデマだという証拠になるかもしれないと考えた。

運が良ければ素敵な人に出会えるかもしれない‥。



雪は聡美に承諾のメールをした。恵が手を叩いて喜んだ。



恵は大学生活が楽しいと言った。最近ときめいてるんだぁと。



友達も沢山出来たし、かっこいい先輩もいるし‥。

「あ!あたしちょっと前に青田先輩にまた会ったんだよね」という言葉から語られたのは、

青田先輩に挨拶をしたら名前を覚えていてくれて、恵とその友達の分までジュースを買ってくれた、ということだった。



恵は鼻高々、友達は超羨ましがっていた‥。


それを聞いた雪は微妙な気持ちになった。まだ青田先輩のこと気になってたんだ‥と。

そんな雪に向かって、恵は身を乗り出した。

「だからと言っちゃなんだけど、雪ねぇが協力してくれないかなぁ?」



あからさまな合コンとかではなく、彼と話す機会を設けて欲しいとのことだった。

そのお願いに、雪は若干躊躇いを感じた。



雪の反応に、恵が「迷惑だったら大丈夫だから!ただ聞いてみただけだからね!」と慌てる。




雪は考え込んだ。それは恵が思っている”迷惑”とは、全く種類の違うものだった。



脳裏には去年の彼の姿が思い浮かぶ。

  

間違いなくあれも彼の姿だ。

恵の見ていない面を、雪は去年沢山見てきた‥。

でも‥。

  

今年に入ってからの彼の姿を思い出して、雪は結論を出した。




「‥うん、分かった。協力出来るように頑張るよ」



まだ完全に自分の中で答えが出たわけではないが、雪は恵の頼み事を請け負うことにした。

頬を染めて喜ぶ恵を前にして、大丈夫だと思うことにした。


「けど雪ねぇは本当に大丈夫? 青田先輩とはホントに親しいんだよね?」




恵の言葉で、最近の青田先輩との出来事がフラッシュバックする。




落ち込んでいた雪を、身動きが取れなくなっていた自分を、連れ出してくれた先輩。

「笑顔でいてね」と、初めてその瞳の中に見出した温かさ。





一緒に行った映画館。初めてのゲームセンター。笑い合って進まない課題。





雪はそれらの記憶をたどった後、複雑な感情が胸を掠めるのを感じた。


先輩と映画館へ行った時、彼と話したこと‥。

「人と人とはある程度付き合ってみて、初めて分かり合える」ということ。

それは雪の言葉だった。

そして今雪の胸を掠めているのは、ほんの僅かだけれど生まれ始めた、先輩との”分かり合えた”時間だった。





「うん、前よりは親しいかな!」




それでも彼女はその正体が何なのか、まだ良く分かってはいない。

喜ぶ恵を前にして、雪もまた笑顔になった。











恵とのランチから帰って来た雪は、早速聡美隊長の”合コン作戦会議”に駆り出された。



議題はファッションと髪型のこと。

いつものジーパンTシャツではなく、もっとふんわり柔らかい雰囲気のものを着て髪を整えて行けと、聡美隊長はアドバイスした。

雪はこの間ママに買ってもらったワンピースがそんな感じなので、それを着て行くと言った。

すると聡美隊長は、ある懸念事項を確認した。

「私が合コン勧めたってこと、青田先輩には言わないでね?」  「はぁぁ~?!」



雪は男子学生に続き直美先輩達、終いには聡美にまで青田先輩のことを聞かれヒステリーを起こした。



マジで何の関係も無いんだと訴える雪に、聡美隊長はフッと笑って流した。



この後雪は合コン相手の写メを見せてもらったが、意外と悪くないという印象だった。

聡美隊長は握りこぶしを固く握り、雪にむかってファイティングポーズを取った。

「もし上手くいったら盛大に奢りなさいよね! この人マジでいい人らしいし!

これからの人生にまたとないホットガイ!!」




雪は隊長の熱意に圧倒されっぱなしだった。

既に合コンは、数日後に迫っていた‥。











場所は変わり、ここは都内某レストラン。

スタッフ控え室で、新入りのウエイターが上司から教育を受けていた。



上司は幾らか高圧的に言った。

このレストランは大学の近くという立地でありながら、他店とは違い高級店である、

お客さんに対しては一層の気遣いとサービスを提供しなければならない、と。

その言葉に対し、新人ウエイター・河村亮は無愛想に返事をした。

「あ、ハイ」



その態度に、上司は「笑顔で!優しく!」と指導した。

それに対して亮は笑ってみせたが‥。


「‥‥‥‥」

色々と問題はありそうだが、なんとか採用となった。

明日から出てくるように、と上司は言うと制服を亮に手渡して出て行った。




亮は制服を見て青ざめた。



蝶ネクタイ‥。

嫌な記憶が脳裏を過る。









帰り道、姉に電話した亮は蝶ネクタイのくだりを話すと、彼女にしこたま笑われた。



静香はペディキュアを塗りながら、以前亮が蝶ネクタイが嫌で飛び出して行ったことを引き合いに出して笑った。



先日の険悪な空気が幾らか和らいだところで、静香は亮に愚痴をこぼした。

「青田会長がさぁ、経理の仕事やらせてくれるって言うんだけど、

電算なんとかって資格が要るみたいでさぁ。もうマジダルいんだけど!」




静香はそんなめんどくさいことはしたくないと言った。そのまま適当にやらせてくれればいいのに、と。

それを聞いた亮は、そんな彼女の態度に閉口した。



いい加減にしろと幾らか説教もしたが、静香は全く聞く耳を持たない。

ファッションモデルのバイトに申し込んでみたが、もういい年だからと断られた、という愚痴へと話はシフトしていった。

「あんたも自分の年意識して、顔の手入れしっかりしなさいよ。

あたし達の取り柄といえば、それしか無いんだから」




分かってる、と言って亮は電話を切った。

静香は生意気な弟に腹を立てながら、ネイルサロンでも行こ、とその場から立ち上がった。



彼女の記憶の中に沈んでいた蝶ネクタイの苦い思い出が掠めて、気分が悪くなる。

それを振り払うように目の前の快楽を、貪るように求めるのだ。


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<事態は進行中>でした。

それにしても雪のTシャツ、シンプル過ぎやしませんか‥。


次回は<線引き>です。


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