地域のシンボルとして、心のよりどころにもなっている”不動滝”が、長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」のルートに組み入れられることを願って、引き続き、不動滝の見どころを掘り下げてご紹介します。
杉の木の根元から湧き出す女滝。
沢沿いを流れ落ちる男滝。
女滝と男滝からの水が集まる溪谷に掛かる、太鼓橋の風景。
天を射るようにそびえ立つ杉の間から見える太鼓橋は、真新しい時は、鮮やかな朱色に違和感を持ちましたが、今では自然に溶け合って桃源郷への橋渡しをしているようです。
岩の上に根を張るトチノキの大木とその根元を流れる清らかな水。
長い間、風雨に耐え、威風堂々とたたずむトチノキの大木は、ご神木ともいえる威厳に満ちています。
トチノキの巨木を支える大地や黒々とした岩肌、針葉樹の緑に紅葉したままのチドリノキ、冬の不動滝は、白い雪が、よりいっそう幽玄な世界へと誘ってくれます。
不動滝は、神秘に満ち溢れ、自然への畏敬の念を抱かせてくれる綾里地域のシンボル的存在です。
綾里の人たちは、昔からその湧水を生活に利用していて、恵みをもたらす自然に感謝し、不動尊を祀ったのでしょうか。自然とそこで暮らす人たちとは、当たり前のようにつながっていたのだと思いました。多くの人が綾里の風土に触れることができるために、不動滝が「みちのく潮風トレイル」のコースに選ばれるよう願っています。
不動滝の鳥居をくぐると、偉大な自然に圧倒され、自分のちっぽけな存在に気づかされます。