ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

4回目ですが

2014-07-01 07:48:48 | Weblog

「4回目ですが」6月23日
 子ども相談室欄に、『共学、女子校どちらに進ませるべきか』という相談が掲載され、育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が回答していました。その回答の中に、『米バージニア大学は「男女別学は性別による固定観念を打ち崩しやすいが、共学はそれを強化する」という研究成果を発表しています。共学では、世の中の既存の男女の役割意識が、教室の中にも入り込んでしまうからだと考えられます』という記述がありました。
 私もこのブログで、過去3回男女別学について触れてきました。2009年の「男女差別か、それとも」、2010年の「繰り返されてきた主張」、2013年の「無用な関心」の3回です。2009年には、脳科学の最新研究結果から男女の違いについての学校教育における考え方、2010年には、我が国の公教育でタブー視されてきた別学について、2013年では、男女の学力差の視点から、それぞれ論じたものです。関心のある方は目を通してみてください。
 正直なところ、進路相談という形で、男女別学についての知見が語られることに驚いています。我が国では、教育基本法が男女共学を基本としていることから、男女別学の公立学校導入について、正面から語られることはありませんでした。公の立場にある者がそんな発言をすれば、男女差別、などと批判を浴びせられことが予想されるからです。
 ですから、様々な教育改革策が叫ばれても、義務教育において男女別学を打ち出す自治体や教委はなかったのです。一部の研究者やメディアの方々が、ときおり観測気球を打ち上げる程度で、議論の深まりはなかったのです。
 進学相談でも、思春期に異性に余計な関心が向かず学業に集中しやすい、別学の私立校には独特の伝統があり、それを評価するのならば別学もあり得るというようなニュアンスで語られることが多く、おおた氏の回答のように、性別役割意識の視点から、はっきりと男女別学のメリットを指摘する行為は、珍しかったのです。
 私は、男女別学支持者ではありませんが、タブー視せず、論じるべきだと思います。私の考えは、2013年に述べた「男女別という視点で分析を行うのであれば、多くの批判を乗り越え、公立小中学校での男子校や女子校の設立、男女別の学級編制、男女によって異なる学習指導要領の編成などまで踏み込んで、議論する覚悟が必要です」であることを、再度主張しておきたいと思います。。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新発見と授業 | トップ | 『新時代』なのに »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事