わくわく活動日記

山本ゆきこ~子どもこそ未来

孫崎 享さん講演「東アジアの安全保障」ー目からうろこの連続

2013-05-25 23:44:15 | 視察・研修
 5月14日、全国退職女性教職員の会全国総会の記念講演が孫崎享さんの「東アジアの安全保障」でした。
 内容は原発からTPP、そして尖閣諸島や北方領土など領土問題へと続きました。
 聴衆に質問し、3択で挙手させ、そして実は・・・という巧みな授業のような手法に思わず引き込まれてしまった1時間半でした。元外交官としての経験からも、領土・外交問題についても、実にわかりやすく鋭い視点からの講演でした。

 TPPのISD条項の問題性について、次のような具体例をあげて警告しました。
 5月2日の国会参院予算委員会の公聴会で意見陳述。
 TPP参加交渉の焦点の一つと目される(進出企業が進出先の政府を国際機関に提訴できる)「ISD条項」について、その裁判の基本は「受入国の法律や制度で期待された利益が得られなかったときに訴えることができるもの」だと指摘。

①廃棄物処理施設による汚染でがん患者が多発したため地方自治体が施設利用不許可処分にしたところ、1700万ドルの賠償金を支払わされたメキシコの事例
②有害添加物を含むガソリンの輸入を禁止したら訴えられ1300万ドルで和解したカナダ政府の事例
③同国政府が新薬の副作用にかかわる臨床実験数が不十分として不許可にしたら、国内裁判では政府が勝訴したのに国際機関に訴えられ1億ドルを請求された事例。
を紹介し、「ISD条項は法律や判決を裁く」と述べ、TPP体制は個別国家よりも上位に位置するものになると警告した。

 つまり、国民の健康を守ることや格差を是正することより、米国企業が期待する利益を確保することを最優先にすることになるわけです。
 TPPにはこんな大きな問題があることを、私たちはあまりにも知らないでいます。

 領土・外交問題でも、「事実はこうだった」ということを実にたくさん知らされました。わが身の無知を再認識するとともに、教育されてこなかった、知らされてこなかったことも知りました。


 さっそく孫崎氏の著書「戦後史の正体」を買い求め、読みたいと思います。
 

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