わくわく活動日記

山本ゆきこ~子どもこそ未来

デンマークの学校制度

2012-06-18 00:52:01 | 教育
 デンマークでは、6歳から15歳までの10年間(0学年から9学年)が義務教育期間であり、日本の小中学校に当たる国民学校(フォルク・スコーレ)と呼ばれる教育機関で一貫教育が行われています。2009年8月から日本でいう小学校1年生の前にゼロ年生が設けられていることが特徴です。日本でも「小1プロブレム」が問題になっていますが、学校生活に慣れ、共同生活に必要なルールを学び、あくまでも遊びを通じて、自己表現力・学ぶ喜び・人の話を聞く能力などを身につけていくことが主たる目的です。

 1クラスの児童生徒数の上限は義務教育のみならず高校も28人という少人数学級であり、全国平均では1人の教員に対する子どもの人数は10人だそうです。少人数なので、一人一人の子どもの力を教師が十分に把握し、一人一人の個に応じた指導が可能になるのでしょう。

 また、義務教育の9年間、あるいはゼロ年生を加えて10年間クラス替えがなく、基本的には担任教師の交代もないことは驚きでした。

 国民学校卒業後の進路は、高等学校と職業別専門学校の約半々だそうです。

 教員の勤務については、デンマークの一般労働者と同じく週37時間、年6週間の休暇があるとのことで、日本の現状からはうらやましい限りです。

 日本の高校で不登校になり、日欧文化交流学院に留学する道を選んだ女子高生と懇談した際に「日本に比べてデンマークの学校は自由だ!」と言っていたことが忘れられません。そこには、競争主義・効率優先のあまり個をつぶしてしまっている日本の教育の問題点があります。

 デンマークは1814年、世界で最も早く7歳以上の子どもの教育を義務付ける国民学校法を制定しました。また、1864年に国の再建は人的資源を高める教育からと考えて、デンマーク独特の国民高等学校という新しい教育システムを導入しました。教育を重視する点では、「国家百年の計は教育にあり」という日本と共通していますが、「国の豊かさ」は大きく異なってきています。

 単なるペーパー学力向上ではなく、共生・連帯に裏打ちされた民主主義の精神を培う教育が、真の「豊かな国づくり」にもつながると感じました。

 写真は ノアフュン市立国民学校にて

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