畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載189「さつま芋」(その1)

2019-03-15 05:15:01 | 野菜

 さつま芋植え付け開始!


     さつま芋(その1)

  さつま芋も父から畑を引き継ぎ、どうしても作らざるを得なかったものの一つ。

山の畑は三反歩ほどの面積で、その面積を隙間なく耕作するのにはさつま芋も適していたと言うことも有ります。

そして、さつま芋は我が家に限らず、戦後の空腹な暮らしを助けてくれた大切な作物だったでしょう。


 半面、その時代に毎日食べた、食べさせられたことが一種のトラウマとなり、

「さつま芋は見るのも嫌だ」と言う人さえいました。


 私が父から引き継いだ当時の品種は「高系(こうけい)」と呼んだ「高系14号」と晩生の「寿」の2種類ほどでした。

引き継いだころに滝沢種苗のおじいちゃん、滝沢久寛氏を知己に得て色々とさつま芋の栽培方法、

品種などを広く教えて頂くことになります。


 氏は芍薬、百合の新品種を数多く作り、世に送り出した有名人であり、

その創造力と言うか学ぶ姿勢には驚かされました。

何かの折に「芋類研究会に聞いてみようかな」なんて呟かれるものだから、

冗談だと思っていたら本当に「日本芋類研究会」という名前の法人組織があり、驚かされたものです。

            (続く)

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『みつばちの大地』(その2終わり)

2019-03-15 05:03:10 | 自然

 蜜蜂たちの寿命は数週間だと言います。

そんな短い命だと言うのに、信じられないような知恵を発揮した行動をする。

 その行動の秘密を解き明かし、コロニーをコントロールする自然の摂理に反する人間の営み。

アインシュタインは「蜜蜂が居なくなったら人類は4年で滅びる」と予言していたと言う。

 

 「マヤ・ルンデ」と言う作家が書いた『蜜蜂』と言う本も読んだ。

そこには、絶滅した蜜蜂に代わって樹上で果樹の受粉作業をする人々が書かれていた。

 でも、それが小説での出来ごと、作りごとではなくて実際に行われていることに驚く。

中国では実際に花粉の採集、売買が実際に行われその花粉が人の手による受粉に使われる。

 

 なぜ、こんな仕事が必要になったのか。それはミツバチが居なくなったから。

毛沢東の時代に穀物を荒らすと、スズメの大量殺戮が中国全土で展開された。

 その結果、スズメは居なくなったけれど天敵が居なくなった害虫の跋扈を許すことになる。

害虫駆除のために大量の農薬が使われた結果、蜜蜂たちを絶滅の方向に導いた。

 

 蜜蜂たちが花、花粉や蜜の在り処を八の字ダンスで教え合う事は知られている。

それどころか、自然の蜜蜂は巣作りに最適な場所を見つけると、仲間に相談をかける。

 仲間たちがもたらされた情報が正しくて、最適な巣作りの場所だと判断すると一斉に飛び立つ。

数週間の命とは言え、そんな学習能力、知恵を持ち合わせた生き物なのです。

 

 人間の行動は時に悪魔的なこと平気でする。

何回かアップしたけれど、今、日本で稲作用に使われるネオニコチノイド系農薬は蜜蜂を滅ぼす。

 ただの殺虫剤ではなくて、神経毒の一種であり彼ら蜜蜂の帰巣本能を狂わせてしまう。

ヨーロッパ、EU諸国では何年か前から使用禁止になったが、今でも日本では平気で使われている。

 昨夜、JAと地元農家の座談会と言う集まりがあり出席し、無人ヘリによる農薬散布について問うた。

JAの職員も、出席した農家もネオニコチノイドの危険性を認識している人は皆無に近くて驚かされた。

 「何のために、どういう理由で使うのか」と聞いても、分からずに戸惑い顔。

「米の等級を上げるためでしょうカメムシによる斑点米の出現を防ぐための」と言うと頷く。

 それでは、無人ヘリによる一斉消毒を実施している地域の一等米比率は上がっているのか。

こたえは「否」です。皮肉なことです。農家は無用な農薬の使用でJA、農薬メーカーを潤している。

       (終わり)

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