A Torontonian Life

大学院留学、個人移民、カナダ企業でフルタイム正社員勤務。自然妊娠で双子妊娠・出産。現在、双子ワーキングママ。

No No Boy

2011-07-28 | Book/Movie Reviews

『No No Boy』 by John Okada.

(画像Amazonより)

ジョン・オカダは日系アメリカ人作家です。シアトル生まれの2世。

1957年に最初に発行されたときは、あまり評価されなかったらしいのですが、1976年にFrank Chinらの活動あって、再度刊行されました。

 No No Boyとは、第二次世界大戦の時に、Internment campに収容されている日系人に対して、アメリカ政府から問われた2つの質問にNoと答えた人たちのことをさします。その質問とは、1.日本への忠誠を放棄して、アメリカに忠誠するか、2.アメリカ軍に入隊してドイツや日本相手に戦うか。

この本の主人公も、No No Boyの一人で、2年間Prisonに入れられます。でも、この本の作家であるJohn Okadaは、実はNo No Boyではなく、アメリカ軍に入隊して戦っています。

この本は、この主人公がPrisonから出てきてから、両親、軍隊に入って戦った日系アメリカ人たち、同じようにNo No Boyだった人たちとのかかわりの中で、自分のアイデンティティや居場所を探し葛藤する話です。

なかなかいい方向に行かなくて、ちょっとDepressingでしたが、いろんな人たちをかかわり会う中で、心優しい人たち、No No Boyだったことも関係なく扱ってくれる人たちとの出会いも通して、最後には少し希望が見えてきました。

ショックだったのは、日本人移民の両親の中には、まだ日本が第二次世界大戦に勝ったと信じている、あるいは信じたがっている、ということ。自分の祖国が負けるはずがない、自分の親戚や兄弟たちが、食べ物に困っているとは信じたくない、というのです。ネットで情報があふれかえっている今とは違い、そういう人たちも実際いたんだろう。

Generation gapはいつの時代や国にもあるが、戦時のアメリカで、さらに今のカナダのようにMulticulturalismを推奨していない時代・国での2世たちは、もっと苦悩したんだと思う。『What we all long for』にもGeneration gapや2世のアイデンティティ探しがテーマになってるが、舞台は現在のトロント。親の国の文化を維持してようが、言葉を話していようが、Multiculturalismが認められている町。日系アメリカ人たちの苦悩は想像を絶する。



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