今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

御事納め

2006-12-08 | 行事
今日(12月8日)は「御事納め」
その年の農事等雑事をしまう日。農事を始める「御事始め」は2月8日である。
「事」とは、本来、祭りや催事を意味する。2月と12月の8日を節目の日と考え、物忌みをする風習は広く見られる。関西では12月を、中部以東では2月を重視するが、江戸のように両日を対象とするところもあり、どちらを事始め、事収めとするのかについての混乱が生じた。この日、関東、中部では、目駕籠を戸口にかけたり、竿に掛け屋上に立てたという。また、味噌に芋、大根、牛蒡、豆腐、小豆などを入れた「御事汁」を食べたそうだ。(NHKでーたー情報部編、ビジュアル百貨・江戸事情より)
正月を事とした場合、12月8日と2月8日は、正月の元旦をはさんでの物忌みのことである。元旦には祖霊を迎える。日頃の自分の心身を清め、、そのためのつつしみの生活の始めが、事始めということなのである。柳田國男「年中行事覚書」によると、物忌みは「ミカワリ」とも言い、「身変わり」に通じるのだそうだ。「ミカワリ」は「ミカリ」でもあり、広辞苑で調べると、「ミカリ」は千葉県安房地方で、旧暦の11月26日から10日間の忌みこもりをいう。とあり、同地方の古い由緒をもつ神社には、髪を結わず針もとらず、高話しすることも遠慮して日を送る「みかりの神事」があるという。日頃の自分の心身を清め、正月に向けて年神様をお迎えできるような「身に変わる」 ための準備なのである。南房総市白浜町の下立松原神社、君津市諏訪神社、館山市洲宮神社などで伝承の房総のミカリ習俗は県の無形民俗文化財に指定されているようだ。
また、この日を「事八日」「八日節供」とも言うが、この日は、様々な妖怪が姿を現す日ともされている。そのため、人々は外出を避け、軒先に魔除けのお呪いをしたりして過ごす。この日に現れるので有名なのが一つ目小僧である。それを防ぐために、先にも述べた中部や関東地方の一部ではこの妖怪の嫌う茱萸(ぐみ)の木を燃やして臭いを立て門や屋根に目籠を竿高々と掲げたりしたのだそうだ。それは、一つ目小僧が目の沢山ある物を嫌うから、目の数でこれに対抗しようとしたのだそうだ。
また、東京の多摩川両岸の限られた区域には「ミカワリ姿さん」が来るといわれている地域があるらしいが、目が見えない老婆が目を借りにくるので,「目借り婆あ」と呼んだのが、その始まりで、本物の目は貸せないので、目のたくさんある竹の目籠を出すのだという説もあるとか。
それに、京都などでは、この日に、「針供養」をするところもあるが、これは仕事を休んで正月に向けての物忌みをすると共に、「針の目(=目が一つ)」で、針を使わず休める事が、一つ目の妖怪を鎮めるのにも関係しているのだというのだ・・・・こんな事で退散する一つ目小僧って・・・可愛いよね~。
実際には、妖怪とは、一つ目小僧などに限ったものではなく、様々の災厄の象徴であり、いったん侵入しても村境へ追い払えばよいのである。別にやっつけなくても良いのである。この辺が日本人のおおらかなところだよね。農耕民族であった日本人は過ぎ去った一年を感謝し、心身を清め、正月に向けて年神様をお迎えできるような「身に変わる」行事の一つであったのだろうね。
この日に食べられた「御事汁」って、どんなものか知っていますか?。以下参考の「伝えたい、残したい おばあちゃんの郷土料理「おこと汁」」を見ると詳しく書かれているよ。昔を偲んで作ってみませんか。酒好きは、これで1杯いけそうだよ。(^0^)
(画像は、事始め事収め、「温故年中行事」NHKデーター情報部編ヴィジュアル百科「江戸事情」より)
参考:
家々の行事
http://www.tamariver.net/jouhou/tamagawashi/parts/text/075140.htm
神々の歳時記
http://www.a2.e-line.jp/~kami/index.html
日本物怪観光HP 
http://www.mononokekanko.com/index2.html
千葉県の無形民俗文化財リスト
http://www.nponia.com/page12-tiba.htm
伝えたい、残したい おばあちゃんの郷土料理「おこと汁」
http://www.db.fks.ed.jp/txt/43620.002/html/00009.html
港北区の歴史と文化・第12回 一つ目小僧とミカリ婆さん
http://www006.upp.so-net.ne.jp/ookuraken/kouhoku12.htm