それにしてもコソ泥のおかげでたいへんです。昨日(日曜日)は朝からセコムの警備システムの設置の立会いで、ほとんど丸一日潰れてしまいました。
朝から一日大雨で、どうせどこにも行けなかったので良かったのですが、これが朝からピーカンだったりしたら、もったいなくて暴れていたかもしれません(笑)。
【ヨン様】

セコムのイメージキャラクターは長嶋茂雄さんからヨン様に変わっていました。ところが先日ヨン様のマンションが火事になったらしく、「セコムのイメージダウン」と営業の人がこぼしていました。しかし、考えてみたら、セコムは火事を防止することが仕事ではなくて、火事になったことを知らせるのが仕事ですから、イメージダウンにはならないはずなのですが、世間はそのようには考えてくれないそうです。
【メインシステム】

こんな大げさな機械がつくことになってしまいました。それでなくても狭苦しい仕事場なのに、はっきり言って邪魔です。わずか15坪程度の小屋みたいな建物でも設置するのに約半日かかったのですから、これが大きな事務所や一般家庭だったら、設置するだけですごく時間がかかると思います。
そして家に帰るときにこの装置をセットしてから帰るのですが、セットしてから30秒以内に入口のドアを閉めなくてはいけません。また余計なプレッシャーが増えてしまいました。
妻大爆笑のセコム初体験の顛末は後ほど紹介させていただきます。まずは先を急ぎます。
【センサー】

すべての窓や入り口にセンサーがつき、火災のセンサーもつきました。写真のものは侵入者に対するセンサーです。
【セコムのシール】

とりあえず家にいても安心することができるようになりました。安心さえもお金を払わないといけない時代になってしまったのですね。
【先日の窓】

大家さんが格子をつけてくださいました。
被害の出た家や事務所がまた数ヵ月後にやられることが多いそうです。ですから被害後に防犯を強化したことを見せ付ける必要があると皆さんが言われていました。
相変わらず空き巣などの被害が後を絶たないそうですから、皆さんも戸締りなど十分に気をつけてください。






























さていよいよ仕事が終わりセコムの機械をセットして帰宅します。まずは仕組みについて説明しますと、まずメインシステムの機械にキーのようなものを差し込むと警備システムが作動し始め、30秒以内に決められたルートをたどり、入口から外に出てドアを完全に閉めなくてはいけません。30秒という時間は初期設定で、あとから長くできるのですが、セキュリティ面から考えると「できる限り短いほうが良い」と工事の人も言っていましたし、「30秒というのは意外と長いですから大丈夫ですよ」と営業の人も言っていたので、30秒にセットしてもらいました。キーを差し込んで抜くと「ピーピー」と音が鳴り始め、タイムリミットが近づくと「ピッピッピッ」と間隔が短くなります。そして30秒以内に出ないと「ピーーーーッ」と大きな音が鳴り響き、屋外の警報ランプが光り、セコムの警備員がかけつけるのです。まるで関口宏の「東京フレンドパーク」のゲームを毎日帰宅のときにやらされるようなものなのです。
そしていよいよ初体験です。忘れ物がないかを確認し、荷物をすぐに持ち出せるように玄関に並べ、靴も並べました、玄関の戸もあらかじめ開けておきました。高鳴る胸の鼓動を感じながらキーを差し込み抜きました。「ピーピーピー」と音が鳴り始めました。玄関に行き、上履きを脱ぎ、靴に履き替えようとした時点ですでに音が「ピッピッピッ」に変わりました。そして慌てたおかげで前につんのめってしまい、靴下のまま外に「おっとっと」という感じで出てしまったのです。雨で地面はビショビショ、靴下もビショビショ、それでも中に戻り必死で靴を履こうとしたのですが、その時点でタイムアップ。万事休す。その場にへたりこんでしまいました。まだ外に出て、シャッターを少し下ろして、シャッターを下げる棒を中に戻し、玄関の戸を閉めるという行程が残っていました。そのとき思いました。「30秒では絶対に無理だ」と。
とりあえずキーを差し込むと、大きな音は鳴り止みましたが、「異常」を示すランプは消えず、外の警報ランプもついたままだったので、セコムに電話をしようとしたところに電話がかかってきました。
「セコムですが、異常警告が出ていますが大丈夫ですか?」
「スミマセン、間に合いませんでした・・・」と、まるでトイレの直前でお漏らしをしてしまった子供みたいな事を言っていました。
「時間内に退出できなかったのですね」
「ハイ」と、思い切りうなだれたのでした。
「それではこれからそちらに警備員を派遣しますのでそのまま待っていてください」
「ハイ」
「それから警備員と面談していただきます」
「面談ですか?」
「そうです、都合がお悪いようでしたら後日にしますが・・・」
「いえ、大丈夫です」と、そういえば以前にもこのような場面があったなと思い出していました。
小学校の頃、悪さをして同級生の女の子にチクられて、先生に
「今、名前を呼ばれた人たちは放課後教室に残っていなさい」と居残りを命じられたときの気分と同じでした。
しばらくして車が止まった気配がしたので警備員が来たのだなと思いました。ところがなかなか中に入って来ず、外でその警備員が大騒ぎで一人で大声を出していました。どうも詳しいことは本部より聞かされていないまま駆けつけたみたいでした。
「おおっー、警報ランプが点滅しているぞ、おおっー、シャッターが開いたままじゃないか、電気もついているし、中に誰かいるのか・・・」と大声で独り言を言いながら、戸を叩きました。「誰かいますかぁー、大丈夫ですかぁー」と大騒ぎでした。
僕が出て行くと、「警告ランプがついているじゃないですか、何があったのですか」と興奮していました。
「あんた、今日の昼間に最初はみんな失敗しますよと言ってたじゃないか。時間内に外に出れなくて、こんなことになったの」と、濡れた靴下は冷たいし、説明するのも面倒になっていました。
「30秒で外に出るのは難しいですか?」
「絶対に無理です・・・」
「そうですか・・・、とりあえず一回やってみましょう」と、シミュレーションさせられることになりました。先ほどの行程を今度は靴下のまま外に出ることなく最後まで終えました。すると警備員の方が、
「これは30秒では無理ですね」と言われました。そして時間を延ばしてもらいました。それでもこれから毎日帰る時には緊張しなければいけません。毎日が「東京フレンドパーク」です。でもたとえ成功しても金貨はもらえません。トホホです。これもすべてコソ泥のせいです。ほんとに腹が立ちます。
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