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「コンプライアンス宣言」後にも違法行為を認定された統一教会 解散命令請求の根拠となり得る22件の裁判とは?

2022-12-31 07:02:03 | 安倍晋三関連事件(森友・加計・桜・統一教会)


 文化庁は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する「質問権」の行使で、信者による高額献金などを巡り教団の法的責任を認めた民事判決22件の詳細について、来年1月6日までに回答するよう求めている。教団の解散命令請求に値する「組織性、悪質性、継続性」の証拠を集める狙いだ。その材料となる判決では、どのような行為が指摘されたのか探った。 (太田理英子)
 22件は1994年〜2021年の28年間で、各地の元信者らが教団に損害賠償を求め、認められた判決。文化庁によると賠償総額は約14億円に上る。
このうち16年の東京地裁判決と17年の東京高裁判決は、教団が違法に損害を与える「組織的な不法行為」を認定。残り20件は、信者による違法行為に対し教団が責任を負う「使用者責任」があるとした。
 16年の判決は、献金などのため、信者だった元妻から長期間にわたり口座から現金を引き出された男性が原告。地裁は、教団が「組織的活動として信者の財産状態を把握し、夫や他の家族の金を拠出するよう指示した」と認定した。
 男性の代理人を務めた「全国霊感商法対策弁護士連絡会」(全国弁連)の山口広弁護士は「元信者らが証人となり、教団が信者から財産の管理方法などを聞き取っていたことや、資金集めの実態を具体的に証言したことが大きい」と話す。
 17年の判決も、元信者の女性原告の陳述などを基に「教団が構築した勧誘、教化の過程に取り込まれて信者になった」と認めた。教団は「信徒会が行った」と主張し組織として関与を否定したが、退けられた。
 一方、使用者責任を認めた判決では、教団の違法な勧誘行為の特徴を分析したものもある。
 01年札幌地裁判決は教団の勧誘手法の特徴として①長年の経験を基にし、組織的で体系的②宗教団体であることを隠す③霊感商法の手法を踏襲—の3点を列挙。勧誘される側の「信仰の自由に対する重大な脅威」と指摘した。
 使用者責任のみを認定した判決も「組織性を否定しているわけではなく、教団自体の不法行為を認めた例と賠償額などに差はない」と全国弁連の梅津竜太弁護士は説く。
全国弁連によると、文化庁が把握する22件の他にも教団の活動の違法性を認めた判決は複数ある。教団自身が悪質性を認識して和解に応じたケースも多く、訴訟に発展した例より被害が深刻な傾向がみられるという。
 教団は、信者らが有罪となった霊感商法事件で09年、強引な勧誘などをやめる「コンプライアンス(法令順守)宣言」を出したが、宣言後の違法行為を認定した判決もある。質問権行使について、梅津弁護士は「全国で同じ司法判断が積み重ねられたことからも組織性は明らか。宣言後も実態が変わっていないことも重要だ」と話す。
 文化庁は教団から回答を得た後、裁判所に解散命令を請求できる要件に該当するかを判断する。回答が不十分などとして、再び質問する可能性もある。
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