事故現場の踏切。手前から二番目の遮断機の奥が待機場所だが、男性は遮断機の手前側に立っていた=横浜市鶴見区で ©東京新聞
「魔の踏切」廃止を目指すと表明 鶴見の死亡事故で横浜市長 1日4000人が通行、反対する地元を説得できるか 東京新聞 2024年10月5日 07時47分
横浜市鶴見区の生見尾(うみお)踏切で死亡事故が相次いでいることを受け、山中竹春市長は4日、地元の合意形成を前提に以前から検討している踏切の廃止を目指す方針を示した。定例記者会見で「地域に丁寧に説明を行っていきたい」と述べた。停車禁止区域と待機場所をそれぞれ強調する路面標示の追加や、脇にある人道橋の利用を促す看板の設置を速やかに行うよう、関係部局に指示したとも明かした。
市によると、生見尾踏切を1日に通る車・バイクは約400台、通行する人は約4000人。市は踏切を廃止し、エレベーターも備えた歩道橋を新設したい考えだが、車は通れず、2キロほど離れた立体交差の道路へ回ることが必要になるため、地元の反対で実現のめどが立っていない。
◆45メートルの踏切途中には待機場がある
両端が約45メートル離れた生見尾踏切は6本の線路が並び、途中の待機場所の前後に遮断機がある複雑な構造。線路内に当たる場所を安全地帯だと誤解して立ち止まっていたとみられる人が電車にはねられて亡くなる事故が4月、先月と相次ぎ、2013年と22年にも死亡事故があったという。(神谷円香)