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キタサンブラック産駒「まつり」:1歳馬に5億9000万円:当歳(0歳)馬に4億1000万円

2024-07-11 03:06:05 | 競馬
「デルフィニア2の2023」は5億9000万円で落札(C)Japan Racing Horse Association


今年の当歳最高額となった「セリエンホルデの2024」(手前、(C)Japan Racing Horse Association)


日本最大の競走馬のセリであるセレクトセール2024(主催・一般社団法人日本競走馬協会)が7月8日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで開幕した。初日は昨年生まれた1歳馬のセールで、午前10時にスタートした。

 上場番号100番の「デルフィニア2の2023」(牡、父キタサンブラック)は国内セリ史上2番目の高額となる5億9000万円で落札され、場内は大きなどよめきと拍手に包まれた。祖母は愛1000ギニーの勝ち馬で、母は英仏G1で2着2回がある。購買者はロデオジャパン。

 国内でのセール最高値は、2006年セレクトセールの当歳馬部門で落札価格6億円のディナシー(牝、父キングカメハメハ、母トゥザヴィクトリー)。


競馬界の国内最大のセリ、セレクトセール2024の当歳セッションが9日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。前日の1歳セッションに続き、最高額で落札されたのがキタサンブラック産駒。「セリエンホルデの2024」に4億1000万円の値が付いた。同産駒の人気が沸騰している背景を角田晨記者が「見た」(価格は税別)。

 世界一の称号が「まつり」をますます熱狂させた。キタサンブラック産駒は初日に「デルフィニア2の2023」(牡)が国内歴代2位の5億9000万円で競り落とされると、「アスコルティの2023」(牝)は1歳牝馬の史上最高額となる4億円で落札。2日目も「セリエンホルデの2024」(牡)が、同日最高額の4億1000万円を叩き出した。2日間で30頭が上場され、1億円超えは11頭。合計36億3500万円は、昨年の28億7600万円を大きく上回った。

 絶好調の理由はもちろん、昨年のイクイノックスの大活躍だ。世界ランク1位の最強馬は父キタサンブラックの名を更に高め、「シンプリーラヴィシングの2024」(牡)を2億4000万円で落札した藤田晋オーナーも「(デルフィニア2で)競り負けたので、1頭目からいこうと思っていたんです」と獲得への熱い思いを明かした。

 繁殖の質が向上したことも大きな要因になっている。今年の当歳はイクイノックスが22年の天皇賞・秋、有馬記念を制した後に種付けされた世代。ある牧場関係者は「イクイノックスやソールオリエンスの登場で、芝の中距離で活躍するような繁殖をつけるようになっています」と話す。アスコルティはアスコリピチェーノ、セリエンホルデはシュネルマイスターと芝G1馬を出しており、種牡馬入りした当初とは比べものにならないレベルの高い牝馬が用意されている。

 逆に言えば、ここ数世代で結果を出さないと評価が下がるのも早いだろう。21、22年のセレクトセールでは1億円超えが一頭もいなかった。これまで産駒のG1馬は2頭のみ。爆発力があることに加え、アベレージの点でももっと伸びる可能性を感じる。前述の関係者は「当時は、脚が長いのでダートでつぶしが利かないと思われていた」と語る。

 ダービー馬ダノンデサイルをはじめ今年4頭のG1馬が誕生したエピファネイア産駒は、平均額では1億6077万円とキタサンブラック産駒の1億2116万円を上回る大フィーバー。ディープインパクトの後継として期待されているコントレイル産駒も、1億円超えが12頭と高い評価を受けている。来年、産駒が登場するイクイノックスを含めた強力なライバルたちを前に、この「まつり」がいつまで続くか楽しみに見ていきたい。(角田 晨)
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