衰え目立つバイデン氏に、大統領選からの撤退求める声…指名辞退なら民主党内の分裂招く恐れ 読売新聞 2024/07/01 18:03
【ワシントン=池田慶太】11月の米大統領選に向けたテレビ討論会で高齢による衰えが指摘された民主党のジョー・バイデン大統領(81)に対し、大統領選からの撤退を求める声が出始めている。党予備選を勝ち抜いたバイデン氏が他候補に差し替わる余地はあるものの、複数のプロセスが必要だ。党の結束を損なうとして慎重論もある。
米CBSテレビが6月27日の討論会直後に実施した世論調査では、バイデン氏が「出馬すべきでない」との回答は72%に達し、出馬を望まない理由(複数回答)では「年齢」が86%で最も多かった。
民主党支持層でも「出馬すべきでない」が46%を占めた。バイデン氏は指名辞退の動きを見せていないが、懸念が続けば自発的な撤退に追い込まれる可能性がある。民主党選挙関係者はNBCニュースに「差し替えを巡る議論は間違いなく噴き出す」と予想した。
民主党は8月19~22日にイリノイ州シカゴで開く党大会で大統領候補を正式決定する。バイデン氏は予備選に圧勝済みで、党大会で候補に票を投じる代議員約4000人の99%を確保した。指名獲得は既定路線だった。
今後、バイデン氏が党大会までに指名を辞退すれば、党大会は、代議員らの話し合いや投票で後任を選ぶ「オープンコンベンション」へと切り替わる。バイデン氏への投票を「誓約」している代議員らは他候補に自由に投票できる。
米メディアによると、バイデン氏自身は討論会の「失敗」に落胆しているが、ジル夫人が「大統領だった4年間を(討論の)90分で定義づけることはさせない」と激励している。
バイデン氏は6月30日、ワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドでジル夫人や子供、孫らと過ごした際、親族から大統領選継続を促されたという。
仮に、バイデン氏が指名を辞退した場合も、後任選びは難航必至だ。
党の指名候補は党規則によって決まるため、政権ナンバー2のカマラ・ハリス副大統領(59)は優位にならない。ハリス氏はバイデン氏と並んで人気が低く抵抗が予想される。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(56)やミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事(52)らの名前も浮上するが、衆口一致する人物は不在だ。候補者が最初の投票で過半数を獲得できないと、党幹部ら約700人とされる「特別代議員」にも投票が認められ、仕組みはさらに複雑化する。
党大会では激しい代議員争奪戦が繰り広げられ、党内の分裂を招く恐れがある。党内では候補差し替えのリスクも指摘され始めている。
再選を目指す資格のある大統領が最後に出馬辞退した例は1968年にさかのぼる。民主党予備選で劣勢だったリンドン・ジョンソン氏が撤退を表明し、その年の党大会ではヒューバート・ハンフリー副大統領が党の正式候補に指名された。
【ワシントン=池田慶太】11月の米大統領選に向けたテレビ討論会で高齢による衰えが指摘された民主党のジョー・バイデン大統領(81)に対し、大統領選からの撤退を求める声が出始めている。党予備選を勝ち抜いたバイデン氏が他候補に差し替わる余地はあるものの、複数のプロセスが必要だ。党の結束を損なうとして慎重論もある。
米CBSテレビが6月27日の討論会直後に実施した世論調査では、バイデン氏が「出馬すべきでない」との回答は72%に達し、出馬を望まない理由(複数回答)では「年齢」が86%で最も多かった。
民主党支持層でも「出馬すべきでない」が46%を占めた。バイデン氏は指名辞退の動きを見せていないが、懸念が続けば自発的な撤退に追い込まれる可能性がある。民主党選挙関係者はNBCニュースに「差し替えを巡る議論は間違いなく噴き出す」と予想した。
民主党は8月19~22日にイリノイ州シカゴで開く党大会で大統領候補を正式決定する。バイデン氏は予備選に圧勝済みで、党大会で候補に票を投じる代議員約4000人の99%を確保した。指名獲得は既定路線だった。
今後、バイデン氏が党大会までに指名を辞退すれば、党大会は、代議員らの話し合いや投票で後任を選ぶ「オープンコンベンション」へと切り替わる。バイデン氏への投票を「誓約」している代議員らは他候補に自由に投票できる。
米メディアによると、バイデン氏自身は討論会の「失敗」に落胆しているが、ジル夫人が「大統領だった4年間を(討論の)90分で定義づけることはさせない」と激励している。
バイデン氏は6月30日、ワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドでジル夫人や子供、孫らと過ごした際、親族から大統領選継続を促されたという。
仮に、バイデン氏が指名を辞退した場合も、後任選びは難航必至だ。
党の指名候補は党規則によって決まるため、政権ナンバー2のカマラ・ハリス副大統領(59)は優位にならない。ハリス氏はバイデン氏と並んで人気が低く抵抗が予想される。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(56)やミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事(52)らの名前も浮上するが、衆口一致する人物は不在だ。候補者が最初の投票で過半数を獲得できないと、党幹部ら約700人とされる「特別代議員」にも投票が認められ、仕組みはさらに複雑化する。
党大会では激しい代議員争奪戦が繰り広げられ、党内の分裂を招く恐れがある。党内では候補差し替えのリスクも指摘され始めている。
再選を目指す資格のある大統領が最後に出馬辞退した例は1968年にさかのぼる。民主党予備選で劣勢だったリンドン・ジョンソン氏が撤退を表明し、その年の党大会ではヒューバート・ハンフリー副大統領が党の正式候補に指名された。