「高市、用意しとけ」次の総裁選に向けた麻生氏の助言 高市早苗氏が目指す総理の座 石破政権の次を見据え課題払しょくに動き TBS NEWS DIG 2024年 10/6 6時32分
総裁選直前の9月24日、報道各社の世論調査で高市氏の支持率が次第に上がっていく中、高市氏の総裁選を支えてきた側近議員はしみじみとこう語った。
高市氏の側近議員
「去年の勉強会発足の頃を考えると、今の状況は予想外の展開になっている」
前回とは違い、後ろ盾となってくれた安倍元総理はもういない。しかし、高市氏は安倍氏から「戦い方を教えていただいた」と話す。安倍氏の薫陶を受けた高市氏の、1年にも渡る総裁選の戦いを追った。
安倍元総理なき総裁選 仲間づくりへ「日本のチカラ研究会」発足
2021年の総裁選では安倍元総理の後ろ盾を得て、「泡沫候補」から岸田文雄氏に次いで2番目の議員票を獲得するなど善戦した高市氏。来たるべき総裁選に向けて高市氏が取り組んだのが「仲間作り」だった。
そこで高市氏を中心として去年11月中旬に立ち上げたのが「日本のチカラ研究会」。総合的な国力強化のために外交や防衛などについて講師を招いて月に1~2回勉強会を開くもので、入会者は当初50人にのぼった。
しかし政局的な動きと自民党内では受け取られたため、自民党幹部からは公然と批判の声があがることになる。
世耕参院幹事長(当時)
「現職閣僚がこういう形で勉強会を立ち上げるのは、私はいかがなものかと思っている」(11月17日の会見)
批判的な声が上がる中、派閥に所属している議員は勉強会に参加しづらいこともあり、参加者は終始10~19人にとどまった。また、勉強会設立をきっかけに、2021年の総裁選で高市氏のことを支えた議員の一部は高市氏と距離を置くことになり、参加人数は最後まで、総裁選立候補に必要な推薦人の数である「20人」を超えることはなかった。
紆余曲折あった「日本のチカラ研究会」だが、臨時国会が始まったら勉強会を再開することが決まっている。純粋な勉強会ではなく、政局的な動きを見せるのか。今後の動きが注目される。
総裁選に関する言動を戦略的に封印 まずは悲願の重要法案成立へ
高市氏は2回目となる総裁選の出馬に、かねてから意欲を隠さなかった。
高市氏
「まずはセキュリティ・クリアランスを仕上げます。そしてまた(総裁選を)戦わせていただきます」(2023年10月、民放BS番組)
「『身を屈して、分を守り、天の時を待つ』という心境」(1月8日、ラジオ番組)
高市氏は年明けまでは総裁選の出馬について公然と意欲を示してきたものの、2024年の通常国会に入ってからは経済安保担当大臣就任以来の悲願であったセキュリティ・クリアランス制度の成立に奔走していたこともあり、総裁選に関する発言が聞かれなくなった。
その背景として、高市氏に近い議員は「出る杭は打たれやすい。総裁選に関する言動を早い段階ですることはマイナスに働く」と考えて、意欲が表に出ないように高市氏に助言していたことがある。7月31日に「日本のチカラ研究会」の参加者と都内のホテルで懇親会を開いた際も、記者やカメラが待っていない裏口からホテルに入る徹底ぶりであった。
こうした中、8月14日岸田前総理が突如、総裁選不出馬を表明。この日を境に永田町は一気に総裁選ムードに包まれていく。これまで総裁選に関してノーコメントを貫いてきた高市氏も、8月下旬に出馬の意向を周辺議員に伝達した。
そして“過去最多”9人の候補による総裁選レースがスタートすることになる。
禁断のリーフレット送付問題 党内に禍根を残す形に
総裁選の1回目の投票で勝敗の左右を握る地方票について、当初は石破氏と小泉氏が優勢と見られていて、高市氏は両者と差が開いているというのが世論調査の大方の結果だった。
しかし、報道各社の自民党員を対象とした世論調査では、日を追うごとに高市氏の数字が伸びていく。こうした中、9月9日、高市氏側が作成した政策リーフレットが自民党員らに届いたという報告が相次いだ。
自民党の選挙管理委員会が“党員らへの文書の郵送を告示前から禁止する”ことなどを決めた後に届いたことから、他の陣営や党員らから“ルール違反ではないか”などと抗議の声が相次いで上がった。
石破陣営議員
「あれがありなら、次から皆同じ事をする。やった者勝ちを許してはいけない」
自民党幹部
「総裁選の正当性が問われることになる。事実上総理大臣を決める選挙で、ルールを守るようにと言わなきゃいけないこと自体情けないよな」
また、このリーフレット送付問題は自民党の政治資金不記載問題と本質的には変わらないという指摘も。
別の石破陣営議員
「高市陣営がやってることって、裏金づくりと同じだと思う。『やっても良いと思っていた』、『ルールを逸脱していない』。これって、政治資金不記載議員の弁明と一緒だもん」
高市氏側は「発送したのはルールが決まる前。リーフレットでは総裁選挙には全く触れておらず、党の方針に一切違反はしていない」と反論。林官房長官や石破元幹事長の陣営などは選挙管理委員会に抗議したが、管理委員会は「注意は既にしているから、追加の処分は行わない」ことを決定した。
“リーフレット問題”は高市氏の選挙戦に逆風になるかと思われたが、これ以降も世論調査の数字は下がることはなかった。
1位となった1回目投票結果 「どよめき」と「愕然」
迎えた9月27日、運命の投開票日。
マスコミ各社が、高市氏が固めた議員票は30~40票と伝える中、地方票でどれだけ上乗せできるかが、決選投票に進むためのポイントと見られていた。
午前、各都道府県連で地方票が開票されていく。石破氏と高市氏が頭一つ抜けていて、議員票次第では1回目の投票で1位となって決選投票に進める可能性があるとの情報に接した高市氏は「よしっ!」と呟き、気合を入れて総裁選の会場である自民党本部8階ホールへ向かって行った。
そして1回目投票の結果発表では…。
総裁選管理委員会・逢沢一郎委員長
「議員票は高市早苗君、72票」
この瞬間、自民党本部でテレビ中継を見ていた記者からは「どよめきの声」があがった。というのも、前述した報道各社の倍の数字だったからだ。
しかし、高市陣営の中心メンバーは72票という数字に”悪い意味で”「愕然とした」と言う。
高市陣営幹部
「マスコミの皆さんは低く報道されてたけど、基礎票で54票は見込んでいた。そこに麻生さんと世耕さんの力添えで上乗せした結果、議員票で90票以上は1回目で行く計算だったんだよ」
その後発表された地方票は石破氏に1票差をつけて1位となり、議員票との合計で石破氏に27票差をつける1位で高市氏は決選投票へ進むことになった。
逆転負けの決選投票 勝敗の分かれ目は?
1回目投票を終えた直後に、決選投票に進んだ2人の演説が行われる。
午前中に高市氏は決選投票前の演説について、以下のように記者とやり取りがあった。
記者
「決選投票前の演説の内容をお考えになったりは?」
高市氏
「全く(考えていない)。もう考え方はいつも一緒ですので」
原稿を見ずに政策や持論を語れるのが強みと言われる高市氏だが、出馬会見の日の朝は宿舎にこもって話す内容を整理していた。このように特に大事なスピーチは周到に準備する印象があっただけに、「決選投票前の演説内容は全く考えていない」と答える高市氏に違和感を覚えた。
1人5分の持ち時間が与えられる中、石破氏は5分ほぼピッタリで演説を終える。一方で高市氏は5分を超えても話し続け、6分半を過ぎた頃に超過してる旨を伝えられ、結果的に7分の演説になってしまったのである。
ある若手議員は、この決選投票前の演説が勝敗を決したターニングポイントだと見る。
旧安倍派・高市氏周辺(陣営には入らず)
「決戦前の演説を聞いて、高市さんはダメだなと思った。一方の石破さんはすごい良かったもんね、作り込まれていた」
演説後に行われた決選投票では、高市氏は議員票173票、都道府県連票21票の合計194票。いずれも石破氏を下回り、総裁の座を掴むことはできなかった。
「21票差」の総裁選を終えて非主流派に 見据える先は?
高市氏は総裁選が行われた27日の夜、自身を支えた数人の議員と慰労会を開いた際、「2012年総裁選の決選投票で勝ち抜いた安倍元総理が石破氏を幹事長に起用した例がある。ポストを受けるなら幹事長しかない」という方針を決めていた。
総裁選を終えた翌日、石破総裁から高市氏へ自民党4役の1つである総務会長のポストが打診されたが、高市氏は前日の話し合いの通り、これを固辞する。これにより2021年の総裁選以降、政調会長や経済安保担当大臣を歴任してきた高市氏は、役職なしの“いち衆院議員”となった。
少し時を戻して総裁選後の話に戻る。高市陣営の報告会と議員会館での挨拶回りを終えた高市氏は、総裁選で自身の支援に回った麻生氏のもとを訪ねた。その場で麻生氏は高市氏に対して以下のように助言した。
自民党・麻生元総理
「自民党の歴史の中で3年以上総理を務めた例は7人しかいねえ。俺も菅も一年で終わった。石破はもっと短いかもしれねえ。だから高市、用意しとけ。議員は仲間作りが大事だから、これから半年くらい飲み会に行け」
安倍氏がいない中「仲間作り」に取り組んだものの、輪を広げきれず総裁の座には届かなかった高市氏。しかし「変化」は確実に見られる。前回は世話になった議員に対して「お礼がなかった」などと批判を受けたが、今回高市氏は総裁選のお礼を綴った手紙を各議員に送った。
自民党内では高市氏が総務会長ポストを固辞したことについて「挙党一致体制を拒否したということだ」「ノーサイドという言葉を知らないのか」といった苦言も出ている。しかし、麻生氏の助言を胸に、次の総裁選に向けて高市氏は既に走り出している。
TBSテレビ政治部 平河クラブ
大室 裕哉
総裁選直前の9月24日、報道各社の世論調査で高市氏の支持率が次第に上がっていく中、高市氏の総裁選を支えてきた側近議員はしみじみとこう語った。
高市氏の側近議員
「去年の勉強会発足の頃を考えると、今の状況は予想外の展開になっている」
前回とは違い、後ろ盾となってくれた安倍元総理はもういない。しかし、高市氏は安倍氏から「戦い方を教えていただいた」と話す。安倍氏の薫陶を受けた高市氏の、1年にも渡る総裁選の戦いを追った。
安倍元総理なき総裁選 仲間づくりへ「日本のチカラ研究会」発足
2021年の総裁選では安倍元総理の後ろ盾を得て、「泡沫候補」から岸田文雄氏に次いで2番目の議員票を獲得するなど善戦した高市氏。来たるべき総裁選に向けて高市氏が取り組んだのが「仲間作り」だった。
そこで高市氏を中心として去年11月中旬に立ち上げたのが「日本のチカラ研究会」。総合的な国力強化のために外交や防衛などについて講師を招いて月に1~2回勉強会を開くもので、入会者は当初50人にのぼった。
しかし政局的な動きと自民党内では受け取られたため、自民党幹部からは公然と批判の声があがることになる。
世耕参院幹事長(当時)
「現職閣僚がこういう形で勉強会を立ち上げるのは、私はいかがなものかと思っている」(11月17日の会見)
批判的な声が上がる中、派閥に所属している議員は勉強会に参加しづらいこともあり、参加者は終始10~19人にとどまった。また、勉強会設立をきっかけに、2021年の総裁選で高市氏のことを支えた議員の一部は高市氏と距離を置くことになり、参加人数は最後まで、総裁選立候補に必要な推薦人の数である「20人」を超えることはなかった。
紆余曲折あった「日本のチカラ研究会」だが、臨時国会が始まったら勉強会を再開することが決まっている。純粋な勉強会ではなく、政局的な動きを見せるのか。今後の動きが注目される。
総裁選に関する言動を戦略的に封印 まずは悲願の重要法案成立へ
高市氏は2回目となる総裁選の出馬に、かねてから意欲を隠さなかった。
高市氏
「まずはセキュリティ・クリアランスを仕上げます。そしてまた(総裁選を)戦わせていただきます」(2023年10月、民放BS番組)
「『身を屈して、分を守り、天の時を待つ』という心境」(1月8日、ラジオ番組)
高市氏は年明けまでは総裁選の出馬について公然と意欲を示してきたものの、2024年の通常国会に入ってからは経済安保担当大臣就任以来の悲願であったセキュリティ・クリアランス制度の成立に奔走していたこともあり、総裁選に関する発言が聞かれなくなった。
その背景として、高市氏に近い議員は「出る杭は打たれやすい。総裁選に関する言動を早い段階ですることはマイナスに働く」と考えて、意欲が表に出ないように高市氏に助言していたことがある。7月31日に「日本のチカラ研究会」の参加者と都内のホテルで懇親会を開いた際も、記者やカメラが待っていない裏口からホテルに入る徹底ぶりであった。
こうした中、8月14日岸田前総理が突如、総裁選不出馬を表明。この日を境に永田町は一気に総裁選ムードに包まれていく。これまで総裁選に関してノーコメントを貫いてきた高市氏も、8月下旬に出馬の意向を周辺議員に伝達した。
そして“過去最多”9人の候補による総裁選レースがスタートすることになる。
禁断のリーフレット送付問題 党内に禍根を残す形に
総裁選の1回目の投票で勝敗の左右を握る地方票について、当初は石破氏と小泉氏が優勢と見られていて、高市氏は両者と差が開いているというのが世論調査の大方の結果だった。
しかし、報道各社の自民党員を対象とした世論調査では、日を追うごとに高市氏の数字が伸びていく。こうした中、9月9日、高市氏側が作成した政策リーフレットが自民党員らに届いたという報告が相次いだ。
自民党の選挙管理委員会が“党員らへの文書の郵送を告示前から禁止する”ことなどを決めた後に届いたことから、他の陣営や党員らから“ルール違反ではないか”などと抗議の声が相次いで上がった。
石破陣営議員
「あれがありなら、次から皆同じ事をする。やった者勝ちを許してはいけない」
自民党幹部
「総裁選の正当性が問われることになる。事実上総理大臣を決める選挙で、ルールを守るようにと言わなきゃいけないこと自体情けないよな」
また、このリーフレット送付問題は自民党の政治資金不記載問題と本質的には変わらないという指摘も。
別の石破陣営議員
「高市陣営がやってることって、裏金づくりと同じだと思う。『やっても良いと思っていた』、『ルールを逸脱していない』。これって、政治資金不記載議員の弁明と一緒だもん」
高市氏側は「発送したのはルールが決まる前。リーフレットでは総裁選挙には全く触れておらず、党の方針に一切違反はしていない」と反論。林官房長官や石破元幹事長の陣営などは選挙管理委員会に抗議したが、管理委員会は「注意は既にしているから、追加の処分は行わない」ことを決定した。
“リーフレット問題”は高市氏の選挙戦に逆風になるかと思われたが、これ以降も世論調査の数字は下がることはなかった。
1位となった1回目投票結果 「どよめき」と「愕然」
迎えた9月27日、運命の投開票日。
マスコミ各社が、高市氏が固めた議員票は30~40票と伝える中、地方票でどれだけ上乗せできるかが、決選投票に進むためのポイントと見られていた。
午前、各都道府県連で地方票が開票されていく。石破氏と高市氏が頭一つ抜けていて、議員票次第では1回目の投票で1位となって決選投票に進める可能性があるとの情報に接した高市氏は「よしっ!」と呟き、気合を入れて総裁選の会場である自民党本部8階ホールへ向かって行った。
そして1回目投票の結果発表では…。
総裁選管理委員会・逢沢一郎委員長
「議員票は高市早苗君、72票」
この瞬間、自民党本部でテレビ中継を見ていた記者からは「どよめきの声」があがった。というのも、前述した報道各社の倍の数字だったからだ。
しかし、高市陣営の中心メンバーは72票という数字に”悪い意味で”「愕然とした」と言う。
高市陣営幹部
「マスコミの皆さんは低く報道されてたけど、基礎票で54票は見込んでいた。そこに麻生さんと世耕さんの力添えで上乗せした結果、議員票で90票以上は1回目で行く計算だったんだよ」
その後発表された地方票は石破氏に1票差をつけて1位となり、議員票との合計で石破氏に27票差をつける1位で高市氏は決選投票へ進むことになった。
逆転負けの決選投票 勝敗の分かれ目は?
1回目投票を終えた直後に、決選投票に進んだ2人の演説が行われる。
午前中に高市氏は決選投票前の演説について、以下のように記者とやり取りがあった。
記者
「決選投票前の演説の内容をお考えになったりは?」
高市氏
「全く(考えていない)。もう考え方はいつも一緒ですので」
原稿を見ずに政策や持論を語れるのが強みと言われる高市氏だが、出馬会見の日の朝は宿舎にこもって話す内容を整理していた。このように特に大事なスピーチは周到に準備する印象があっただけに、「決選投票前の演説内容は全く考えていない」と答える高市氏に違和感を覚えた。
1人5分の持ち時間が与えられる中、石破氏は5分ほぼピッタリで演説を終える。一方で高市氏は5分を超えても話し続け、6分半を過ぎた頃に超過してる旨を伝えられ、結果的に7分の演説になってしまったのである。
ある若手議員は、この決選投票前の演説が勝敗を決したターニングポイントだと見る。
旧安倍派・高市氏周辺(陣営には入らず)
「決戦前の演説を聞いて、高市さんはダメだなと思った。一方の石破さんはすごい良かったもんね、作り込まれていた」
演説後に行われた決選投票では、高市氏は議員票173票、都道府県連票21票の合計194票。いずれも石破氏を下回り、総裁の座を掴むことはできなかった。
「21票差」の総裁選を終えて非主流派に 見据える先は?
高市氏は総裁選が行われた27日の夜、自身を支えた数人の議員と慰労会を開いた際、「2012年総裁選の決選投票で勝ち抜いた安倍元総理が石破氏を幹事長に起用した例がある。ポストを受けるなら幹事長しかない」という方針を決めていた。
総裁選を終えた翌日、石破総裁から高市氏へ自民党4役の1つである総務会長のポストが打診されたが、高市氏は前日の話し合いの通り、これを固辞する。これにより2021年の総裁選以降、政調会長や経済安保担当大臣を歴任してきた高市氏は、役職なしの“いち衆院議員”となった。
少し時を戻して総裁選後の話に戻る。高市陣営の報告会と議員会館での挨拶回りを終えた高市氏は、総裁選で自身の支援に回った麻生氏のもとを訪ねた。その場で麻生氏は高市氏に対して以下のように助言した。
自民党・麻生元総理
「自民党の歴史の中で3年以上総理を務めた例は7人しかいねえ。俺も菅も一年で終わった。石破はもっと短いかもしれねえ。だから高市、用意しとけ。議員は仲間作りが大事だから、これから半年くらい飲み会に行け」
安倍氏がいない中「仲間作り」に取り組んだものの、輪を広げきれず総裁の座には届かなかった高市氏。しかし「変化」は確実に見られる。前回は世話になった議員に対して「お礼がなかった」などと批判を受けたが、今回高市氏は総裁選のお礼を綴った手紙を各議員に送った。
自民党内では高市氏が総務会長ポストを固辞したことについて「挙党一致体制を拒否したということだ」「ノーサイドという言葉を知らないのか」といった苦言も出ている。しかし、麻生氏の助言を胸に、次の総裁選に向けて高市氏は既に走り出している。
TBSテレビ政治部 平河クラブ
大室 裕哉