今日のサッカー決勝戦をちょっとだけ見ていたところ、何と、試合途中であるにもかかわらず、レフリーが途中で試合を中断し、給水を両チームに指示した。結果、アルゼンチン、ナイジェリアの両チームの動きはその後格段によくなった。
サッカー決勝は鳥の巣で行われることもあってか、陸上がナイターで行われるため、夏場であるにもかかわらず、何と開始時間は昼の0時。投手以外の選手の運動量がさほどではない野球でさえ厳しい時間なのに、運動量が多いサッカーでは凡そ考えられない開始時間。
わずか2週間強の間に、300を越える種目を全て行わねばならないオリンピック。その中には、凡そ夏場に行うには相応しくない競技もある。サッカーはまさにその典型。しかしながら、そのサッカーでも、ナイター開催であれば何とかなる部分も出てくる。
だが、決勝戦という大一番にもかかわらず、開始時間は気温が高い昼間。サッカーは決勝戦ともなると多くの集客を見込めるため、9万人収容の国家スタジアムでの開催ということになったのだが、ま、サッカーの本場である欧州での開催では、そもそも、メイン会場が陸上であるスタジアムで行われることはまずあるまい。
そもそも、「夏季オリオンピック」という概念は、欧米での開催にかつては限定されていた。東京、メキシコは10月、ソウル、シドニーは9月、メルボルンは11月の開催だった。
それが、トッププロも解禁ということになって、「夏季オリンピック」 という言い方が通例化し、今や8月に行われることが当たり前のようになっている。
しかしながら、8月という季節は、やる側もしんどければ、見る側も当然しんどい。むろん、電力消費量もグーンと上がってしまう。せめてクーラーを使うことが少なくなる9月ならばマシといえるもの。
それと、やるほうについても、例えばマラソンなんて、「夏季」に行うようになってから、早朝に行うことが通例となっている。高齢者ならばまだ対応できようが、早朝開催というのは、アスリート側からすれば最悪の時間である。したがって、今やオリンピックのマラソンにだけは出ないといった選手も出てきている。
確かに8月という時期は、プロ競技側からすればもっとも都合がいい季節である。というのは、丁度この時期はシーズンオフか、ないしはクライマックスと呼べる時期ではないからだ。
したがって、最高水準の選手を集める上においては、8月という時期は最も適している。しかし、見るスポーツとしては、室内で行われる競技はともかく、屋外競技としては適していないか、はたまた最悪であることのほうが多い。
ところで、東京オリンピックは今でも感動的だったと語る、当時を知る人の声は少なくない。なぜかというと、10月10日という、「秋晴れ」の中で開会式を迎えられたことはもとより、「スポーツの秋」に相応しい時期に行われたからだといえよう。
ところが、2016年開催予定のオリンピックは8月中旬から下旬の開催となっている。
昨年、大阪で世界陸上が開催されたが、大阪が実質、夜だと世界一暑い都市だということもあったが、日中とほとんど変わらない気温の下で競技が行われ、結果、なぜか日本の選手に多かったのだが、けいれんなどの「奇行」が連発。仮にオリンピックが今年大阪で行われていたら一体どうなっていたのか?ということを考えなければならない事態が連発してしまった。東京はまだ大阪よりもマシだとはいえ、高温多湿の日本である手前、こうした事態が連発しないか心配なところ。
一方、10月にクライマックスを迎える野球は今回をもって種目から外れる。バスケットのNBAは10月が開幕だが、オリンピックの年だけ開催をずらすことは可能ではないか。
商業としては8月は最も適している。しかし、見るスポーツ、行うスポーツとして考えてみた場合、8月ほど「最悪」な時期はない。ソロソロ、やる側、見る側が最も適している季節の開催ということを考えるべきではないか。