出発地点の川を渡る130人のウオーキング参加者 目的地の岩屋観音様
日本列島至る所で「体育の日」の催しが開かれた模様である。特に西日本では抜けるような秋の青空に恵まれた。
そういった点からも、台風19号被災地の皆様にはお気の毒で仕方がない。せめて青空をプレゼント出来たらいいのに、と願うばかりである。
スポーツイベントや秋祭りの開会式の挨拶では、先ず台風19号被災地へのお見舞いの言葉。続いて昨夜のラグビーワールドカップ日本選手への讃辞。
この二つを受けて、皆さんも元気に爽やかな汗を流しましょう。といったことで2~3分の受け持ち時間を無事乗り切ったことだろう。
小生も人並みに「かじかの里ウオーキングイベント」に参加して心地よい汗を流した。
かつては自治会員数68軒であった山間の集落が、今や11軒に減ってしまった。実際に家屋はまだ残っているのに済む人がいない。世に言う限界集落である。
そんな小さな集落にあった、元小中学校の運動場跡地で開かれたウオーキング大会。
周囲の有志による実行委員会が主催。地域の連合自治会や市青少年育成市民会議、市連合婦人会の支部、亀山つつじ愛好会などが共催。そして、地元スポーツクラブまめな会という元町長経験者がリーダーのグループが主管するという、字面はものものしいお歴々が並んでいた。
岩国市のシンボルで、国の名勝に指定されている錦帯橋の下を流れる清流「錦川(にしきがわ)」に注ぐ支流となる小さな川沿いを歩く。
その川には、哀愁を帯びたあの、ヒョロロロ~~と鳴くかじかガエルが多く生息し「カジカの里」と呼ばれている。そんな山奥に今日ばかりは約130人が訪れた。
正式には「令和元年市民健康スポーツのつどい。かじかの里in根笠ウオーキング」と名付けられていた。
要するに学校跡地を拠点に、往復約6kmの行程を3時間かけてのウオーキング。帰り着いたらカレーライスの昼食が待ち受けており、途中に出されたクイズの当選発表などで盛り上がった。
目的地には、弘法大師(空海)作の木彫りの観音像が、洞窟の中で長年の鍾乳石のしずくの滴りによって、現在は石仏化した岩屋観音像が安置されている。
そんな歴史の一端を感じながらの清流ウオークは実に爽やか。健康的な体育の日を過ごさせてもらった。
見上げる夜空には、旧暦9月16日のまん丸十六夜の月が冴えている。
見事な月の明かりが、台風被災地の闇を明るく照らしてくれると、たとえわずかでも慰みになってくれるのではないだろうか、と静かに見上げている。