『無いことの不足ばかり思わず 今有るものに感謝しよう』
わが家の、というか大半が私個人の、ひと月の予定の諸々を書き込むメインカレンダー。
居間の壁にぶら下げられて、朝に晩に目が行くようになっている。
そこには、月替わりの格言や心構えといった言葉が、流麗な行書体で、墨跡鮮やかに書かれている。
大暑があり、土用があり、いやがうえにも暑い暑い7月であった。それも今日でおしまい。月が替わる。
暑さをしのぐ数々の方法は人それぞれに色々ある。しかし、何をどのように努力したところで、暑さそのものはどこに持っていくこともならず、身近なところに居座っている。
暑いな~ アツイナ~と愚痴をこぼしても暑さは変わらない。ただ、あれこれ涼を求める努力をする過程で、気持ちが安らぎ、思わぬ涼しさを味わうことがある。
暑さに追われれば冬を恋しがり、冬の寒さに襲われれば夏の暑さを恋しがる。人間の果てしない性(さが)とも言える欲望である。所詮ないものねだりか。
照りつける太陽のこの暑さが、取り入れの秋、五穀豊穣の祝い唄につながることを想えば「暑さまた愛し」となるはずである。
カレンダーが黒くなるほどの予定を消化してきた。どれひとつ汗をかかずに終えたものはない、のかな。
それもこれも、取り敢えず元気な身体があったから。この一点には感謝である。誰に感謝するかって?
そりゃ色々ある。先ずは自分の節制?いやいやその前に、丈夫な体をくれた両親に感謝かな。そして、少々の逆境に耐えることを教わった子供時代の貧乏生活。そして今有る家族かな。
世間や多くの人と、何らかの関わりを持ちながら生きて行く身には、不足を言いつのりたい気持ちもないわけではないが、どちらかといえば、現状に感謝する気持ちの方が少しだけ強いのかな~。
まだまだ続く暑さの中、さらに自己防衛。体調チェック怠りなく、忙中閑を見つけて昼寝のゴロリ。
そうして8月を迎える段取りをしよう。