「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「ふるさと文学散歩」

2010年03月25日 | 趣味・・エッセイ
 今年も桜の季節がやってきた。
錦帯橋から眺める、3000本とも言われるソメイヨシノ。その絶景たるや「雲海の如し」と讃えられるとおり、見事なものである。

 錦帯橋の桜をこよなく愛したふるさとの文豪「宇野千代」。
 彼女は薄墨桜の愛好家としても知られている。岐阜県根尾村(当時)にあった樹齢1500年ともいわれる薄墨桜の老木を、枯死から守るため自ら募金活動までして見事に再生させた話は有名である。その縁もあって、1979年に小説「薄墨の桜」を出版している。
             見事に咲き誇る淡墨の桜(3月19日撮影) 

 そして蘇生した老木から株分けした苗を、岩国市川西にある生家と、水西書院に植えた。30数年を経た今では毎年「淡墨の桜を愛でる会」が、宇野千代顕彰会によって催され、春の一日を大勢の人がお花見やイベントを楽しんでいる。今年は27・28両日開かれるという。
 
 明治30年という封建社会色濃い時代に生まれながら、実業家としても大きな足跡を残したパイオニア的な女性象として各方面から賞賛を浴びている。
もちろん、小説家として「おはん」「生きて行く私」などの文学史に残る数多くの作品を遺している。

 岩国名誉市民として還ってきたふるさとの文豪を、私たち市民の手で末永く顕彰して行くことは、一つの喜びである。

                        2010.3.25 山口新聞「東流西流」 掲載
コメント (8)
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